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Lecture.170 自立を手放す〜傷ついた女性性を癒すアプローチ〜
講師:根本裕幸
自立した私たちの影にある依存、そして、傷ついた女性性の痛み。そうした自立を強める要素が関係性や自分自身を苦しめていることも多いんです。そんな女性性の痛みを癒すアプローチをご紹介。
Keywords
自立
依存
手放し
女性性
相互依存

私達は年を重ねるに連れて、誰かに頼る依存的な生き方から、一人でも生きられるように自立していきます。
皆さんそれぞれに状況は異なりますから、例え経済的には親に依存していても社会的には自立している方もいれば、経済的、精神的にも自立して生活している方もいて様々です。

依存時代というのは生まれてから思春期くらいまでで、思春期に芽生えた自立心を実現していくのが大人の一歩目と言えるでしょう。

でも、自立していくときには誰にも頼らずに済むように依存的な自分を抑圧していきます。
それが大人になった時にパートナーシップや仕事、対人関係に問題をもたらすことが少なくありません。

自立というのは「誰にも頼らない」と同時に「自分のやり方」を持つので、パートナーや職場の人間関係で衝突するんですね。
「どっちが正しいか?」を争って傷つけあったり(主導権争い)、「私のやり方に従いなさい」と力の証明をしてみたりして、孤立化や関係性の悪化を招きます。

「私は依存的なタイプ」と思っていても、案外こうした「自立心」が男女関係や対人関係の問題になっている場合も多いと思います。

だから、カウンセリングの現場でも「自立を手放して、相互依存に入る」ためのプロセスにはよく出会うんですね。
今日はこうした自立やその内面に隠された女性性の痛みについてご紹介したいと思います。

●“自立”の理由

誰かをあてにしたのに全然助けてくれなかったとしたら「頼りにならなかった」という痛みを持つようになり、自立心を強く持つようになります。
「こんなに辛い思いをするくらいならば、誰にも頼らずに生きていく」
という風に。

例えば幼少時代、両親が片方でも親としての機能を失っている状況で育つと、早く自立する場合が多くなります。
“親としての機能”というと酷い表現ですが、分かりやすく言えば「働かない父親」とか「何もできない母親」とか、「父親らしくない」「母親らしくない」と“あなたが感じた”経験のことを指します。

それが「手に職を付けて・・・」との思いや、「早く一人暮らしをしたい」とか、「海外で生活したい」とか、そういう思いとなって思春期には現れてくるんですね。
だから、もし、あなたがそうした思いを抱いた経験があるとしたら、そこがあなたが自立し始めた時期と言えるのかもしれません。

というのも、完璧な人がいないように、完璧な両親もいないですから、私達は成長していくと自然と両親に対してそうした“不完全性”を感じるようになるんですね。

だから、自立というのはある意味で、両親を否定するところからスタートします。

でも、自立していくことは、新しい道を家族に与えていくことができ、やがては両親を助けられる存在へと成長していくものですから、とても大切なものなのでもあります。

(一方で、両親が完璧だと思っていると、自分自身の不完全性を強く感じるようになり、自信が全く持てなかったり、何もする気になれなかったり、あるいは非行などの問題を抱えるようになります。)

●自立の影の依存性

ところが、自立的に生きていて、一見誰にも頼らない生き方をしていても、何か一つくらいは依存的なものを持っているものです。
例えば、ワーカホリックな方は、仕事に強い依存性を示しつつ、他人や社会に対しては恐ろしく自立的に振舞うことが多いですし、恋愛依存・セックス依存という女性の多くは、恋愛やセックス以外に対してはとても自立的に生きていたりします。

自分の中にそのような強い依存性を感じるものが思い当たらない場合には、すぐ近く(例えばパートナーや家族)に、非常に依存的な人がいるケースが多くあります。
特にパートナーシップにおいては、一方が自立ならば、他方は依存的になるようにバランスを取り合う(主導権争いをする)ので、この傾向はとてもよく見受けられます。

その依存する対象は無自覚・無意識的に選んでいることが多いのですが、その背景には先ほどお話した「依存時代の強いハートブレイク(痛み)」が隠れています。

それはまるで命綱のように強く握り締めてしまってる(執着している)もので、自分では最早どうしようもないように感じられます。
ですから、その絶望感を埋めるように理論的に自分の正当性を主張したり、あるいは、次々に相手や環境を変えることで絶望から目を逸らそうとしたりしてしまいます。

例えば、ワーカホリックの方にとってみれば、仕事をすること、そして成功することは自分や家族のためになるものと主張します。(でも、一人で頑張ってしまい、やがては力尽き、燃え尽きてしまうか、体を壊してしまいます)
恋愛に強く依存してしまう方は、自分のその依存心を受け止めてくれる相手をいつも探して人から人へ放浪します。(でも、いつも居場所の無さや不安を感じています)

だから、彼らの周りにいる人は、正当性を主張するその裏側にとても強い悲しみや痛みを感じたり、あるいは孤高の人となっている影に強い孤独感や寂しさを感じたりするものなんですね。

だから、今回のテーマでもある「自立を手放す」ということが、大切なキーワードになってくるんです。

●自立の行く果てにあるもの

依存時代の痛みが大きければ大きいほど、自立の度合いは強まります。
そうすると、先ほど紹介したように何か一つのものに強い依存性を示したり、すぐ近くに依存的な人を置いたり、「自分の思うようにならない」大きな問題として立ちはだかるようになります。

でも、自立的な人は、その問題をも自分で処理しようと頑張るんですね。
その依存性に正当性を持たせようとしたり、依存的な人を切り捨てて身軽になろうとしたり。

でも、理論武装して感情を切り離しても、依存的なパートナーに別れを告げても、現実はどんどん酷くなることが多いようです。
余計仕事に熱中するあまり体を壊してしまったり、とても依存的な彼(女)を振り切ったのに、もっと依存的な異性と付き合うことになったり。

そして、やがては一人の世界に閉じこもらざるを得なくなります。
つまり、誰かと、あるいは、何かと接すると状況が酷くなるわけですから、周りの世界を一切拒絶するように生きていくようになります。

まるで荒野の中を一人背を丸めて歩いていくような、そんな感覚です。
ノスタルジーには浸れるかもしれませんが、あまり幸せとは言えない光景なのではないでしょうか。

そんな時、例えばワーカホリックは独立して事業を起こしたりするんですが、そのために家族や周りの人を犠牲にしてしまう場合も少なくありません。
そこでは本当は“リーダーシップ”を取って、家族や周りの人たちと共に前に進んでいく姿勢が必要なんですよね。
一人、ではなく、みんなと、という発想が成功をもたらす秘訣になるんです。
だって、本当はみんなを幸せにするために自立し、独立するわけですから、一人で無人の荒野を行っても最後は空虚感と絶望が待っているだけです。

●傷ついた女性性を癒す

そんな自立の影の依存性をもたらすものは、心の中に隠れている“傷ついた女性性”が大きく影響します。
実は“依存”というのは、そのものが“傷ついた女性性”の現れなんです。

“女性性”というのは、“女性らしさ”に象徴される柔らかさ、繋がり、包容力、温かさ、優しさ、慈愛、平和、愛らしさ、無邪気さ、などです。
これは女性の中にはもちろん、男性の中にもちゃんとあるものです。

自立的に一人で生きている人にはそれと全く反対の印象を抱きませんか?
冷たい、クール、威圧的、独善的、自己中心的、頑張り屋、熱さ等々。
「本当は優しい人なのに・・・」と感じることもあるかもしれません。

自立的な人にとっては、そうした女性性の長所は疎ましかったり、気持ち悪く感じたり、居心地が悪く感じたりします。

例えば、結婚して子どもが生まれたりして、家庭が平和で温かい雰囲気に包まれるようになると、自立的なお父さんはちょっと居場所を失ったように感じます。
何か自分はここには居てはいけないような気持ちすらするんですね。

また、仲の良かった女性の友人が結婚して子どもが生まれると、それまで頻繁に遊びに行っていたその家に近づきがたいものを感じることもあります。

なぜかというと、依存時代を満喫している赤ちゃんも、子育て中の母親も、どちらも典型的な女性性のシンボルなんですね。
だから、その女性性が傷ついている自立的な人にとっては、そういう場に近づくことは傷口に触れるような痛みを感じるんです。

だから、そんな傷ついた女性性を癒すことがとても大切です。
でも、戦場に生きてた人が急に平和な社会に戻ったら適応できないように、急激な変化というのはあまりお勧めできません。

次からはそんな方法をご紹介していきたいと思います。

●安らぎと柔らかい場を作る

心理的に見れば、自立している状態はまるで戦場にいるような感覚です。
周りは敵だらけ、一瞬の油断もできませんから、怖れを非常に強く抱えます。
だから、一時でもその怖れを紛らせてくれるものに依存するようになるんですね。
そこで、自立を手放していくのは、そんな戦場の中で武器を捨て、丸腰になるようなイメージですから、すごく怖いし、抵抗が生まれます。

本当は「戦場」ではなく「平和な世界」であることを心に教えてあげることが自立を手放すことに繋がるんですけど、なかなかすぐにはそう切り替えられないですよね。

だから、こうした抵抗は、例えばセラピーをしているときには“強い眠気”となることも多いんです。
そうした女性性を癒す瞑想(イメージワーク)などをしていると、お客様はもちろん、こちらまでとても眠たくなることがあるんですよ。
(お客様の中には実際に眠ってしまう方も少なくありません)

でも、実はそれは抵抗であっても、場(フィールド)をきちんと作れば、それは平和で安らかな眠りとなって傷ついた女性性を癒す効果があるんですね。
だから、わずか10分程度の眠りであっても、まるで2,3時間も寝ていたような感覚を抱いてすっきりされたりします。

もし、あなたが自分の傷ついた女性性を癒そうと思えば、そのような平和で安らかな時間を作ることをお勧めしたいんですね。
ゆったりとした時間、柔らかい、優しい時間、温かい空間を意識的に作ってみるんです。

家ではなかなか難しいですから、シティホテルや自然の中などに出かけてみるのもいいでしょう。
前者は優雅でゆったりとした空気が流れていますし、後者は自然が持つ懐の深さがあなたの心をほぐしてくれます。

もし、あなたのパートナーが自立的なタイプならば、一緒にいる空間、時間をそうした柔らかい、優しい空気で満たしてあげることを目標にしてみましょう。
パートナーが居心地の良い、安らかな気持ちでいられるような、そんな場を作ってあげるんです。

もちろん、急にそれをやるのは難しいですし、パートナーにとっても抵抗を感じるものですから、そんなに焦る必要はありません。
結婚されてるのならば、ダイニングテーブルに花を一輪生けることから始めてみてもいいですし、寝室に間接照明を置いてもいいでしょう。
パートナーが受け入れてくれるのならば、“指圧”ではなく“オイル”を使ったマッサージをしてあげることも効果的です。

セックスも相手にばかりリードさせるのではなく、相手を癒す目的で優しくリードしてあげることも素晴らしいことです。
特にセックスを通じたヒーリングはパートナーや自分を癒し、繋がりや愛情を深める意味ではとても効果的なものです。

●分かち合うこと

それから、自分自身について周りの人、特にパートナーに対してオープンになろうとするのも良いアプローチです。

自立すると「どうせ相手にはわからないよ」と決め付けてしまいがちですが、自分なりに話をしてあげることが大事なんですね。
理解してもらうのではなく、ただ知ってもらうためにするのがコツです。
何を話していいのか分からない場合は、まずは今日の出来事を5分でも10分でもいいですから、言葉にして表現してみることから始めてみましょう。

その時、自分の夢や成功については話しやすいのですが、大切なのはネガティブな要素、不安とか、失敗談とか、そんなちょっと恥ずかしいことを伝えていくことが大切です。

私達は“シェアする”という表現をよくするのですが、それは感情をお互いに分かち合うことを意味します。
ポジティブな気持ちだけを話してしまうと、周りの人はついついネガティブな感情に陥りやすいものです。(バランスの法則)

いきなり周りの人やパートナーに話すのに抵抗があるとしたら、カウンセリングを使ってみてもいいでしょう。
カウンセラー(こういう場合は異性のカウンセラーの方がお勧めです)に話をすることで、分かち合う意義や意味、効果を確認することができるようになります。

また、あなたのパートナーが自立的なタイプだとしたら、まずは自分の感性や感情を信じることが大切です。
それがお互いの心を分かち合うための一歩となります。

相手はあなたに何も言わないかもしれませんし、ネガティブな気持ちはまず話してくれません。
でも、依存側にいるあなたはとても感覚が鋭敏になっていて、パートナー以上に感情を感じることに長けているんですね。
でも、自信がないんですよ。
だから自分を責めてばかり、あるいは、相手に求めてばかりになってしまうのです。

自立的な人は感情を抑圧していますから、その抑圧された感情はあなた自身が多く請け負っています。
つまり、自分が感じている感情の一部は、自分のものではなく、パートナーのものであることも少なくないんです。
(パートナーシップのバランスの法則)

だから、あなたが感じている感情を、あなたが自身が信じることができれば、パートナーのことをもっと感覚的ですが掴めるようになっていきます。
そうすると不思議と相手が自分に身を寄せてきてくれるようになります。

こうしたアプローチは言葉にはしなくても「分かってもらえてる」という気持ちを与えることができまるんですね。
それがパートナーの中の隠れた依存心を満たしてあげられるのです。

●相互依存の関係性へ

これらの方法は自分自身を楽にしてあげたり、関係性を変えていくアプローチとしてよく提案していくものです。
すぐに結果を出そうとせず、少し気長に見ながら徐々に二人の距離を縮めていくことが大切です。

自立を手放すことで、関係性は相互依存のステージに入っていきます。
そこでは今までよりもずっと楽な関係で、お互いを信じることができ、そして、安心感も多く受け取れる場が作り出されるようになっていきます。

相互依存というのは、自立の先にある関係性なんですね。
だから、「自分ができることは自分でして、自分ができないところはパートナーに頼む」ことができる楽な関係性です。

そこには安らぎと喜びを溢れていて、成功やさらなる成長を約束してくれます。
ですから、今日は自立を手放すことを意識されてみてはいかがでしょうか?

関連する講座へのリンク集
5.私達の成長のプロセス〜Part 1 『依存』〜
7.私達の成長のプロセス〜Part 2 『自立』〜
18.私たちの成長プロセス 相互依存 成功の秘訣は失敗の秘訣 リーダーシップ編
46.依存的な恋愛にサヨナラする方法1〜依存心を癒すセルフセラピー〜
49.パートナーシップにおける自立と依存
50.私の中の男と女〜男性性と女性性〜
54.○○依存・○○中毒〜感じられない心〜
70.セックスに依存する心
76.燃え尽き症候群〜バーンアウトシンドローム〜
110.バランスの法則〜パートナーシップの見えない繋がり〜
118.自立の心理学〜自立によって引き起こされる問題〜
119.二人で作る土壌〜美しい花を咲かせるために〜
134.パートナーシップの自立と依存〜バランス調整をしよう〜
160.連鎖する依存関係〜その背景と解決へのアプローチ〜
164.許しと手放しの心理学
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