お風呂にあまり入りたくない問題”を心理する

子どものころにいつもおかあさんから「早くお風呂に入りなさいよ」と言われていませんでしたか?

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

最近の若い子たちの中に、「お風呂にできるだけ入りたくない」、「入るのを先延ばしする」、「必要最小限しか入らない」という人が増えているらしいのであります。

先日、ある雑誌社から、この件についてのコメントを求められたのであります。

この“お風呂にあまり入りたくない問題”は、大学生などになって一人暮らしをはじめたころによく起こるといわれます。

みなさん、子どものころにいつもおかあさんから「早くお風呂に入りなさいよ」と言われていませんでしたか?

で、「わかってるー」と答えながら、なかなか入らずにいると、「いいかげんにしなさいよ!」と怒られたりしますよね。

この時代のみなさんにとって、お風呂に入るということは、“やらなければいけないこと”かつ“やらないと怒られること”であったわけです。

ところが、一人暮らしがはじまるとおかあさんはいないわけですから、だれもあなたに「お風呂に入りなさい」とは言わないし、入らなくても怒られることはなくなります。

だいたい、お風呂に入るときって、テレビを観たり、ゲームをしたり、YouTubeを観たりしていたのを中断しなければなりませんよね。

それもあって、「入りたくもないのだから、入らなくてもいいじゃん」と、どんどん入らなくなっていくようなのです。

もう一つ、このタイプの若者にとって、お風呂に入る理由は「まわりから嫌われないように」であることが多いようです。

きれいにしていないと、「平くん、くちゃーい!」などと言われてしまいますからね。

しかし、少子化時代の若者は家族から猫かわいがりされ、過保護に育っていることが多いものです。

両親だけでなく祖父母にもかわいがられますから、「自分は愛され、かわいがられるべき存在である」という自尊感情を満たしてもらいながら大きくなっていきます。

そんな人たちは、万一、「くさい」と言われても、「こんなに愛くるしい私なら、テヘッですませることができるだろう」と知っているのです。

そして、ここまでにご紹介した2つの理由からわかるのは、このタイプの人にとって、お風呂は「自分のためではなく、人のために入るもの」であるようだということです。

「お風呂に入ってリフレッシュしたい」、「一日の汚れをスッキリ気持ちよく落としたい」と思っていたら、「自分のために」お風呂に入るのですが、どうもそうではないのですね。

なお、このお風呂に入らない問題には、「下着を替えない問題」がセットでくっついてきます。

こちらも「2、3日ならバレないだろう。うまくごまかせるだろう」という人が多いようです。

こうした人々は、お風呂に入ることも、下着を替えることも「めんどくさーーい」と思っていて、なにかにつけて出てくる口ぐせも「めんどくさい」であるようです。

そう、「めんどくさい」とよく言う人がいたら、お風呂と下着のことはちょっとアヤしいと思ってもよいかもしれません。

ちなみに、“お風呂に入りたくない問題”は、新入社員など職場でまわりの人々に気を遣っている人に起こりがちです。

ゆとりのない時期は、「帰宅したら、もうなにもしたくない」とバタンキューで寝てしまうこともよくあったりして、「自分においしいごはんを食べさせてあげよう」なんていう発想はなかなか湧いてきませんよね。

で、お風呂は省略、食事はカップラーメンなど、家では必要最小限のことしかしなくなったりするわけですが、こんなときは身だしなみを整えることでさえ、人にやらされているような意識になっているといえそうです。

 

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。