恋愛や夫婦関係などのパートナーシップ・カウンセリングをしているときに必ず出てくる問題というのが、今回のタイトルになっている男と女の違いについてです。
女性によってはよく「彼の気持ちが全然わからない」「男ってほんと鈍感・・・」と悩んだり、呆れたりすることもあり、一方、男性にとっては「女心とナントカっていうし、分からんもんやで」とハナから諦めてる雰囲気もあります。
特に同性の兄弟や姉妹しかいない場合には結構その傾向は顕著だったりします。
ある友人A(弟と二人兄弟)と友人B(姉と妹の3人兄弟)との会話。
A:「女の子って苦手なんよね。なんか、こうきれいなイメージばかりあってな。ついつい彼女が出来ても大事にしすぎるっていうか、どう扱っていいのか分からへんねん。」
B:「それはなあ、女の子をきれいに見過ぎやで。うちの姉貴の部屋一度見したろか?愕然とすんで」
A:「え?どういうこと?」
B:「足の踏み場なんてほんまないねんで。お前の部屋よか汚いかも知れへん」
A:「・・・・・・・うそっ・・・まじ?・・・・ほんま?・・・信じられへん」
もちろん、女の子の部屋は一般的に男性よりははるかに片付いていることが多いんだろうだけれど、中にはそんな女の子もいる、ということがなかなか男性には受け入れられない事実だったりします。
そういえば、僕のある友人はとてもかわいくて男性にもてる方なんだけど「引越しするときは家を燃やしたい」(それくらい散らかっている)と言っていました。
一方、妹1人のうちの奥さんは初めて付き合った彼に対して「彼ってきっと変態なんや・・・」と堅く信じていたそうです。
それが僕と付き合い始めてから一気に「男ってみんなそういうもんなんや・・・。っていうか前の彼の方がまだ普通だったかもしれん・・・」と信念を変えられたそうです。
何をもって彼女が変態と感じていたのかは・・・・・。
僕がまだ付き合って真も無い頃、奥さんの家に初めて遊びに行ったとき、既にお父さんは亡くなっていらしたので、おばあちゃん、おかあさん、奥さん、妹の女ばかり4人の家族だったんです。
家の中はどこを見ても女らしい家でした。
僕以前の彼は家にあまり寄り付かなかったようで、その気持ちも分かる気がします。
男にとってはきれい過ぎるのか落ち着かずにそわそわしてしまいそうでした。
ちなみに僕の家は父が仕事で家を空けがちで、かつ離婚してからは母と妹二人の女だらけの家で育ったので、案外女性らしい部屋というのには抵抗がなかったのか、すぐに慣れて落ち着けたんですけどね。
一方で男の部屋ってのは女性からみるとまあ色気が無いものらしく、彼女と付き合うようになると色々なものが搬入されて、華やかになったものでした。
部屋ひとつだけでこれくらい感覚が違うんですから、日常の一つ一つの出来事でお互いが行き違いを生じるのは当たり前のことかもしれません。
例えば、カウンセリングルームへの道案内をするときも男性向けと女性向けでは違います。
男性向けには、江坂駅を下りて7番出口を出てそのまま東に直進し、1つめの信号を右に曲がってください。そこから50mくらいの左手に・・・云々という伝え方をします。
でも、女性には江坂駅の改札を出て左に進むと歩道橋があるのでそれを渡ってください。そうすると右側に薬局やホテルがあって、信号があるのでそこを右に曲がって下さい。そうすると半地下の居酒屋とカフェが並んでいるビルがありますので・・・という伝え方をしています。
これは男性が一般的に理論的に、女性が感性的に物事を捉えることに由来します。
(もちろん、そうではない方もとても多いですよ)
だから、どっちがいいとかどっちがあかんとかいうことはありません。
特にカウンセリングで僕がお伝えしてるのは、男性は平面的に、女性は直線的に物事を考える、ということですね。
昔からある男女のケンカに
女「あなたは私と仕事とどっちが大切なのよ!」
男「どっちも大切に決まってるだろ!」
女「そんなの嘘よ!じゃあ、なんで最近連絡くれないのよ!私のこと嫌いになったんだわ」
男「今は仕事が忙しい時期だからだろ!なんでそんなことも理解できないんだよ!」
女「ほら!私より仕事の方がいいんだわ。ふん」
というものがありますが、これが典型的な例ですね。
大切なものが「仕事」「恋人」「趣味」「友達」だとしたら、男性というのはその4つのバランスを取ろうとします。
だから仕事が忙しいときには仕事に集中して、恋人を放っておいてしまうようになります。
男性は一般的にひとつのことに集中し始めるとなかなか他のものに気が回らないところがありますので、仕事が忙しければ忙しいほど他のものに目が向かなくなります。
だから、食事や睡眠などもおろそかにしがちなんですね。
そして、特にどれも忙しくないときも趣味や友達も大切にしますから、
「先週は彼女とデートしたから、今週は奴らと遊びに行きたいなあ」と思います。
ところがそれは女性にとっては、万死に値する行動になるわけですね。
それは女性にとっては、自分なりの優先順位というのがはっきり決まっているからです。
多くの女性にとって圧倒的に優先されるのが「恋愛」ですね。
恋愛し始めると他のことはどうでもよくなり、全エネルギーを恋愛に注ぎ込みます。
だから、失恋した後は当然仕事なんてできませんし、自分の人生は終わってしまったような気持ちになることも多くあります。
また、彼氏とラブラブなときは友達と遊んだりすることはかなり後回しになりますね。
(彼氏が仕事のとき、会ってくれないとき限定になったりします)
でも、エネルギーを集中する分、失恋したときは「失恋しましたぁ〜」ってモードに入り、「もう私の人生は終わったわ・・・」と日がな友達に電話し、カウンセラーに泣きつきます。
ところが結果的に失恋モードに集中するためにその痛みがどんどん解放されて癒されてしまい、しばらく後にはすっきりした顔になってます。
一方男性はバランスを重視するために、失恋したショックを他のものに影響させないようにするためになかなか痛みを解放できずに、結果的に長い期間失恋を引きずってしまうことになります。
また、男性は結果を、女性はプロセスを大切にするのが一般的。
これは僕も過去に犯して痛い目に会ったことがあるんですが・・・、彼女が行きたい!っていっていたレストランで楽しい時間を過ごしたとします。
そうすると男性の頭には「このレストランは彼女を喜ばせる」とインプットされます。
一方女性の頭には「彼と素敵な時間を過ごしたレストラン」とインプットされます。
そうすると男性は、会社の女の子達と食事に行くときに彼女たちを喜ばせようとそのレストランに予約を入れたりします。
それもやっぱり打ち首獄門級の裏切り行為になりますね。
「私の大切な思い出をふみにじったわね・・・」という怒りが爆発するわけです。
でも、男性からすれば「二人で行くことに意味があるんちゃうの?」という気持ちですから、なぜ彼女が怒るのかが分かりません。
そこに彼の悪気はあんまりなかったりしますので、その彼女の怒りに理不尽さを感じて逆ギレすることになります。
あと上と似たような例ですが、男性は目に見えるもの、耳に聞こえるものを、女性は感性に訴えるものを大切にしますね。
女性は彼に向かって色んなサインを出します。
寂しいよ、かまってよ、浮気するわよ、最近浮気してるんじゃない?とそれとなく探りを入れたり、仕草で示したりします。
でも、仮に女性が10個そんなサインを出したとき、男性はそのうちいくつを受け取れるでしょう?
1個でも受け取れる男性はなかなか優れもの。
女心がわかるといわれる男性でも3,4個がせいぜい。
女性にとってはそんなサインもコミュニケーションのひとつですから、十分訴えてるつもりなんですが、男性は「言いたいことがあるならはっきり言えよ」スタイルを貫いていますから、気付けないんですね。
だから、彼にどれだけ訴えても分かってもらえない、とか、彼が何を考えてるのか分からない、なんて気持ちが女性の側には発生します。
一方、受け取れない男性は突然の彼女の心変わりを見て「秋の空と女心」とはよく言ったものだ・・・という目に会うわけですね。
あと良くある話ですが男女の決定的な違いをひとつ。
ある朝の根本家の会話。
僕「理加ぁー、バターどこ?」
妻「あるでしょ?3段目の右の方に。」
僕「え?ないでー」
(つかつかとスリッパの音)
妻「ほら、あるでしょここに!なんで見つけられないのよ」
(目の前にバターを突き出されて)
僕「あ、ほんまや・・・」
(ビールとかお菓子とか好物はすぐに目に付くのに)
あるデートでの会話。
妻「駅を降りてまっすぐ行くと看板が出てるからすぐ分かるって」
僕「あ、あったあった。あそこやわ」(と100mくらい先を指す)
妻「え?どこどこ?あの銀行の辺?」
僕「ちゃうちゃう。そのもうちょっと向こうのファミレスの向かい」
妻「えー?ないよー。うそつき」(体を乗り出す)
僕「もうちょっと行けば分かるって」
(50mほど進んで)
妻「あったあった、ほんまや。ファミレスの向かいやね」
男性は一般的に広い面を見て空間的に物事を捉えようとするのに対して、女性は身近な範囲を繊細に見てますから、この違いが生まれます。
(近視、遠視、老眼等は関係無く)
じゃあ、そんな違いのある男女は永久に分かり合えないのか?というとそうではなく、まずは違いがあることを知っておくことがとても大切なことでしょう。
それは男と女だけでなく、彼と私の間でも、同性の間でもやっぱり個人差がありますから、自分と同じ、きっと同じことを感じている、と思うのはとても危険な発想です。
そして、違いがあることが分かれば、次はそれを理解しあうことができます。
それはコミュニケーションが一番で、言葉にして伝えることがとてもとても大切です。
「へえ、そういう風に考えるんや・・・」とか「そういう風に感じてるんやなあ・・・」とひとつの物事に対して感じ方を交換していくんですね。
好きな人に自分との違いがあったり、知らない世界がそこにあったとしたら、恋愛感情も手伝って自分の世界をどんどん広げることができます。
僕はもともと好奇心が強いタイプなので、そのおかげもあって、彼女ができるたびに色んな世界を知ることができ、趣味・興味の範囲を広げることができました。
もちろん、僕が女心がさっぱりだったとしたらこの仕事を長く続けられなかったことも確かでしょうし、今も妻や友達を通じて色んな世界を学ばせてもらっています。
ただ、最後にお断りを。
ここで紹介させてもらったのはほんの一般論ですので「あたしはちゃうがな」というご意見もあろうかと思いますがご了承下さい。
そして、男女間の違いっていうのは多岐に渡っていますし、個人個人違うものでもあります。
ここに紹介させてもらったのはその中のほんの一例ですので、興味のある方はメールなり電話なりを頂けたら、また色んなお話を楽しめることができると思います。
皆さんが素敵な男女関係を築いていけますように・・・。
根本裕幸