●卒業

先日、息子(下の子)の中学の卒業式に行ってきました。
幼稚園時代にべそをかいて泣きじゃくったり、やんちゃ視まくっていたチビたちが、確実に成長している姿を見るだけで、胸に熱いものがこみ上げてきました。
「これからもおおいに笑って、おおいに悲しんで、おおいに悩んでください。そのすべてがきみたちの栄養になり、人の心がわかる大人へと成長させてくれるでしょう。
そしてその悲しみが大きすぎるときは、きみたちは一人ではないということを思い出してください。」
学年主任の先生が、涙ながらに生徒たちに贈った暖かいメッセージでした。
わが息子も、中学生活は悩みや葛藤の連続のようでした。
生徒会、クラブの部長、進学のための塾、どれもこれも息子がやりたいと選んだものでした。
小さい頃から不器用だった息子が、こんなにたくさんの重圧を乗り切ることが出来るんだろうか・・・これが私の正直な想いでした。
そして私はただ見守ることにしました。
見守るとは言ったものの、部屋はまるでどろぼうが入ったような状態が毎日で、服はしょっちゅうぬぎっぱなし、ひどいときは、帰ってきた状態のまま玄関のろうかで寝ていたこともありました。
「自分のことが出来なくて、なんで人のことが出来るの〜〜〜〜〜〜!!!」と
ブチ切れる私に、「人のことちゃう。自分のことや・・・」と低く言い返されたものでした。
「とにかく脱いだ制服は自分の部屋に持っていきなさ〜〜い!」と叫んだ回数は数え切れません。。
「おかあさん、みんなの気持ちが一つになるのって難しいもんやなぁ。。」
彼は時折、こんなことを漏らしていました。
おおいに悩んだ3年間。彼が書いた卒業文集にこんなフレーズがありました。
「本部役員、またクラブの部長などを経験しても、常々感じていた自分の最大の弱点は改善されることはなかった。その弱点とは熱くなること、つまり「熱意」を持って物事に取り組めないところだ。「これだ!」と決めたことを、一心不乱にぶつかることが出来ない。
心のどこかでブレーキをかけてしまう。だから重要なところで間の抜けた行動をしてしまうのだ。どうやらこの悩みとは高校でも付き合うことになりそうだ。
(中略)
これからも自分のペースで前進していきたい。
そして自分がギリギリの時も、そうでない時も、友人や先生や家族が僕の心のそばにいてくれた。とても有難いことだと思う。」    
息子の書いた文の題は「3歩進んで2歩下がる」でした。
私がこれを読んで、何よりうれしかったのは ”友人たちが心のそばにいてくれた”
というフレーズでした。
息子がこの中学生活で手に入れることが出来た最大の宝物は、人のさりげない思いやりを感じれる心に育ったということです。
悲しみを受け入れることが出来たとき、人はやさしさを手に入れることが出来ます。
葛藤を受け入れたときに、自分の課題を見つけることが出来ます。
そして自分のキャパシティーを超えた時に、人は一人で生きているのではないんだということに気づくことが出来ます。
春から息子は新しいスタートをきります。
そしてまた、更なる葛藤に出会っていくことでしょう。
新しい苦しみに出会ったとき、ただ、この経験を思い出して、力に変えて、新しい自分自身を増やしていってくれればと思います。
そして、私はこれからもずーっと、息子たちの心のそばにいたいなぁと思います。
山本 真規子

この記事を書いたカウンセラー

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