年末に自分の実家、そして年始は旦那さんの実家に帰りました。
どちらの両親も、私たちを手ぐすね引いて待ってます。
私の両親の方は、父が早くに他界したので母と妹と二人暮しです。
妹は朝早く仕事に出かけ夜遅く帰るため、
母は日中ひとりぼっちになります。
彼の両親は、父親が脳梗塞で現在入院中。家でひとりで生活してるお母さんは毎日お見舞いに出かけてます。
私も彼の母親も、家でひとりぼっちな状態が多いということなんですよね。
だから電話すると長電話になります。
話し相手が欲しいんだろうといつも思います。
そう思いながら実家に帰ると…。
お互いの母親からは弾丸のように次から次へと話が出てきてとどまることを知りません。
テレビ見ててもご飯を食べてても、容赦なく言葉は続きます。
そしてお互いの母親が同じことを言います。
「あんたらはたまーにしか来ないからわからないけど、大変なんよ」
「あんたらはいいわね。二人で何の苦労もなく好きに遊びに行ったり出来るんやから…」と…。
昔…。
私はこれを言われることがすごく嫌でした。
まるで私たちが何も考えず遊びほうけているような
言い方。腹が立ってすぐ大喧嘩になっていました。
だけど…。
わざわざ喧嘩するためにそんなことを言うんじゃない。
せっかく久しぶりに顔をあわせたのに、喧嘩腰になって楽しいわけがない。じゃあどうして…?
お母さんって寂しいんだ。
これしか理由がないんですよね。
仕事仕事で追われてて、母に愚痴るだけしか出来ない状態の妹に、自分の愚痴を出せない私の母。
病気の進行で、一言も話せないまでになってしまったお父さんの看病の為毎日病院に行き、何もすることがなく
むなしく家にひとりで帰ってひとりで寝る彼のお母さん。
どっちも今の状態が寂しくてひとりが悲しくて、それを私たちに分かってほしくてついこんな
言い方になってしまうんだろうなって、今回改めて思いました。
今年彼と帰郷したとき、母が私たちに
「あんたらはいつもお風呂あがり何もしないでしょう。だけど私はいつも最後だったら窓あけて、下も拭いてるのよ」
って言ったとき、私はむっとしてつい言ってしまいました。
「あんたらって何なの!? 彼はそんなこと来たばかりで知らないねんから私だけに怒ったらいいでしょう!」って。
だけど彼は言いました。
「僕は叱られたとき嬉しかったよ。ああ、自分もこの家族の一人として受け入れられてるから、
娘と同じレベルで叱ってくれたんだって。のりちゃんは僕のことを考えて怒ってくれたけど、僕はむしろ
嬉しかったんだよ」と…。
そういえば私も彼のお母さんに言われたことがあります。
「あんたらはたまーにしか来なくていいねぇ。こんな大変な私の毎日のこと知らないし…」って。
私はそんなとき「ごめんなさい星人+むかつく」でした。
だけどお母さんが私に気を遣って、他人様のように接してるとしたら、こんな言葉は出てこないかも知れません。
あたらずさわらずの表面上での会話だけで、彼のお母さんの本音やしんどさは私には分からなかったかも知れません。
…私の旦那様は偉大です。
彼が「娘と同じレベルで叱ってくれた」と言ってくれたとき、気づきました。
私の母は「いつも私は一生懸命頑張ってるのよ」って伝えたくて、それを分かって欲しくてつい言っちゃうんだって。
彼のお母さんは「こんなに大変なのよ。たまにしか来ないから、私がどれだけ辛いか分からないでしょう」って
私たちに言いたくて、それだけ自分を日ごろから見て欲しいんだろうなって思いました。
どちらの両親も今寂しくてたまらない状態。
それがすごく痛いほど伝わって来ました。
そのため私は何が出来るんだろう。
そのことで今回彼に大泣きして沢山話し合いもしました。
彼は言います。
「今のままでいいやん。そう思うことが大事やろ?出来ることをやればいいやん。」
どんな状態でもそうですよね。出来ることを精一杯やって無理しないこと。
悪いから…。何もしないときが多いから…ではなく、やってあげたいから。してあげたいから。
見返りや期待じゃなく、ただお互いの両親の笑顔を見るために私たちができることを、
出来るときにしてあげればいい。
これからもお世話になる両親だからこそ大切にしたい。
それをすごく強く感じることが出来た、とてもいい年末年始を過ごせたと思っています。
小川のりこ