人を信じることって本当に難しいですよね。
私は人を信じたいとは思わなかった子でした。
両親に嫌われている。姉妹にも嫌われているだろう。家族さえそうなんだから、
学生時代も皆に嫌われて当然だ。そんな私が誰かに愛される訳がないんだ。
そんな思いを信じていました。
人の目を見るのが怖い。迷惑そうな目をされるのが怖かったから。
人と笑顔で話せない。嫌われないように・・・に意識が向いていたから。会話を楽しめませんでした。
何を話したらいいのか分からない。相手が喜ぶ話題が提供できないと感じていたから。
人前で緊張し、常に臨戦態勢を取り、構えて見据えて関わっていました。
自分も当然しんどいし、相手にもそんな雰囲気はきちんと伝わってしまいますからね。
その結果、相手は私と関わることがしんどくなっていって、離れていきます。
すると私は勝手にこう思ってしまうんです。
「ああ、やっぱりね。。。嫌われる結果になるんだわ。どんなに頑張っても。。。」
こうしたことが積み重なって、強化されちゃうんです。
私自身ここから抜けたいから、毎回毎回頑張っては関わろうとしていくんですが、結果はいつも、
「ああ、やっぱりね。。。」
で、終わってしまいます。
そして、
「どうせ何やっても無駄なんだわ。」
「誰かを信じたって無駄。。。」
それがやがて、
「何のためにこの世に生まれたんだろう・・・。」
と、絶望的モードになって行ってました。
同じような思いを話して下さる方は、カウンセリングしていても本当にたくさんおられます。
皆さん本当に何度も何度もそこを抜けたい思いで、精一杯やってきたんだということが、強く伝わります。
私もそうでした。
精一杯やってるのになぜかいつもうまくいかなくて、苦しい結果となってしまいます。
だからどんどん人と関わるのが嫌になって、家族、仕事場などで、関わらざるを得ない状況になると、
我慢して自分を抑えながら相手に向かうからなかなか相手に伝わらないことがつらくて、怒りをぶつけることが多くなって・・・。
だけどそうすると当然相手は去って行きます。
私をすごく嫌って離れるか、逆に攻撃してくるか。当たり前ですよね。こちらのそんな思いは分からないわけですから、
相手はわけがわからず怒りをぶつけられてると感じ取りますから、こちらの攻撃に対しては、逃げるか、防御するか、
攻撃するかで対応するしかなくなりますもの。
そんな具合で人と関わっていた私は、いつも、どこに行ってもトラブルメーカーでした。
トラブルメーカーだということも、
自分自身に向き合うことで、初めて気づいたことなんですけどね。(笑)
この「毎回毎回頑張っては関わろうとしていく。」と、私が書いた部分ですが、こう気づけば、私はもっと楽だったと思うんですね。
この関わり方は、自分の中で考えた、最大の関わり方ですが、こころの中では、
「嫌われないように・・・。」
「傷つけられないように・・・。」
「騙されないように・・・。」
という、私の「防御」したい気持ちがたくさん入っているんですよね。それは、
「私はあなたに傷つけられないわよ。騙されないわよ。」って、雰囲気を出してるのと同じなんです。
それも相手には伝わってしまいますから、
「あれ? この人なんか変。」
「私が嫌い?」
という誤解をさせてしまうんです。
私自身は必死なわけですから、相手をそんな気持にさせているなんて全く気づかないんです。
逆に、私がもし、初対面の人に、
「あなたに騙されないわよ!」
って思われながら関わられたなら、とても寂しくなると思います。
誰だってそうだと思います。
私が人が怖かったとき、きっとあちこちでこの
「騙されやしないわ!!」ってセリフをこころの中で叫んでいたと思います。
「私はやっぱり嫌われる。」という考えが強化されてしまった後ですから、
「私は嫌われてるわけじゃないんだ。」と考えなおすことは、相当難しいことなんですよね。
ここではね、
「今のやり方では難しい。」ということだけなんだと思います。
今のやり方で、散々戦ってきました。
だけどうまくいかなかった。
だとしたら、それは変化のとき、新しいやり方でやってみる時期に来たということだと私は思っています。
一生懸命自分なりに頑張ってきた・・・という自分をまず受け入れてあげてください。
自分とは一生付き合っていくものですから、その自分自身が、まず自らを受け入れてあげてください。
「それでも一生懸命やってきた私って頑張ったんだ。」
って。本当のことですもの。あきらめずに何度も何度もチャレンジしてきたんですもの。
それでうまくいかなかったにせよ、それらの経験は「恥」や「失敗」では、決してありません。
むしろあなたの「誇り」です。
そこから大きく変化する時が来たわけですから、悪くなってるわけではなく、良い方向に向かっていってる証拠でもあります。
だから、そんな自分自身をまず受け入れてあげてください。その後今までの自分のやり方ではなく、新しいやり方にチャレンジしてほしいと思います。
今までとは違うやり方。それを実行するのはまた難しいことでもあると思います。
勇気もいると思います。
だけどそうやって変化していくと何らかの変化は必ずあると私は思っています。
私は人が怖かったです。
人の目が、人の評価が怖かったです。
人の優しい言葉も、
人の思いやりも、
すべてをはねつけて信頼しませんでした。
それでも頑張って関わろうとしていましたが、頑張って関わろうとするとき、信じようとして近寄るのではなく、
臨戦態勢をとり、「騙されるものか」という目で相手を見据え、「嫌われちゃ終わりだ」と感じながら関わっていたのだから、
何度やってもうまくいかなくて当然だったのかもしれません。
だけど、そんな自分自身でも受け入れてあげてほしいと思います。
自分が自分を受け入れてあげたとき、人からも受け入れられるかもしれないと、わずかであっても感じていただけると思います。
充分やってきた。一生懸命だった。だからそんな自分を大切にしたい。そう感じてほしいと思います。
自分を受け入れることが出来たなら、次に新しいやり方を考えていきませんか?
もちそんそのやり方がわからないときは、私たちカウンセラーが、全力で、あなたに合ったやり方を、一緒に考えていきたいと思います。
自分を受け入れて、それから新しいやり方を見つけてチャレンジする。
すると、どんなにうまくいかなかった人でも、やがては周りの人も、自分を受け入れてくれるかもしれない。
そんなふうに思える日が誰にでも来ると、私は信じています。
小川 のりこ