ふたりだからできること 

先日、ともだちと焼肉を食べに行きました。
そこで彼女は、私に一冊の本をプレゼントしてくれました。
その本は、
『ふたりだからできること』
(文・ほしばゆみこ、絵・くさまなおみ、監修・伊藤守、Discover社)
というタイトルで、まさに脱・ピン芸人のための本です、笑。
ここでちょっと解説しておきましょう。
「脱・ピン芸人」というのは、なんでもかんでも一人で行動してしまう、内向的体育会系な自分から卒業するために立ち上げました、つくいさとこの今年の目標のことです。
それは、ほんの数十ページの絵本なんですが、
「ふたりだからできること」が、たくさん描かれています。
「ふたりだからできること」というのは、裏を返せば、
「ひとりではできないこと」です。
そのプレゼントがすごく嬉しかったので、もらったその場で読みました。
更に帰りの列車の中でも読んで、そうだよなー、って・・・
ともだちも言ってましたが、この本のいいところは
「ひとりを否定していない」ってことです。
ひとりでできることもあるけど、ふたりだからできることもあるよね、って。
パートナーシップの本でもあるんですが、これは、パートナーだけじゃなくて、あらゆる人間関係にもあてはまるなー、って思いながら読みました。
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私ね、昔は人に頼るのが苦手で、なんでもかんでも一人でできるから、一人でやっちゃおうとしてたんですよ。
人のことアテにするより、その方がラクだから、って。
信じて裏切られるより一人でやっちゃう方が、裏切られる心配しなくてもいいから、って。
パートナーシップにしても、ふたりの問題をひとりで抱えて、ひとりで悩んで、相手のこと全然信頼していませんでした。
昔、男ともだちに、
「彼女に信頼されない、ってことは、男にとって本当にきついことだよ」
って言われて、その時はピンとこなかったけれど、今ならわかるんですよね。
私は誰とつきあっている時でも、「きっとこの人は、最終的には自分以外の別の女といっしょになるに違いない」ということを信じて疑わず、彼が私のことを好きで、私といっしょにやって行きたいっていう気持ちは、悲しいくらいに完全否定でした。
「今はそんなこと言ってるけど、どうせ人の気持ちなんて変わるから」って・・・・・・
ま、私が信頼してなかったのは、相手というよりも自分ですね。
当時の私が「信頼」だと思っていたものは、今にして思えば、「信頼」ではなく「期待」ではないかと思います。
この人だったらきっとこうしてくれるだろう、
この人だったらきっとこんなことはしないだろう、
って、自分の頭の中で勝手にその人を決めつけて、その自分の思い込みととちょっとでも違うことをしようものなら、「裏切られた!」「信じていたのに!」って、その人のことを責める・・・
期待して決めつけることは、自分がもうこれ以上傷つかないための防御なのかもしれません。防御すれば望み通り、これ以上傷つかなくて済みます。
だけど、その人との距離が縮まらないので、結局、更なる疑いのスパイラルへと巻き込まれてしまいます。
本当の信頼っていうの は、たぶん、たとえその人がどんなことをしても、自分は傷つかないのではないかと思います。
男女関係でも家族でもともだちでも、一番そばにいる相手に信頼されないって、本当に悲しいことだろうな、って思います。
だって、自分は本当にその人が好きで、その人といっしょに歩んでいくことを望んでいたとしても、相手は自分のことを疑っているわけですから。
一番そばにいるはずなのに、その人の存在が本当に遠く感じてしまうのではないでしょうか。ふたりでいるのにその人が遠くて孤独を感じるなんて、ひとりでいるよりもはるかに悲しいんじゃないでしょうか。
・・・・・・ただね、私思うんですけど、信頼、ってね、「よし、信頼しよう」って思ってするものではないような気がします。
ふたりの関係性の種を土に植えて、
ゆっくりとゆっくりと
ふたりで水をあげて、
ふたりで日の光にあてて、
ふたりですくすくと育てていくものじゃないかな、
って思います。
日照りつづきの日も雨の日も風の日も雪の日も、春も夏も秋も冬も、「ふたりで」「いっしょに」「育てていくもの」なんだろうな、って。
だから、初めから100%完全な形で存在するものではなくて、ふたりの中で色んな形でコミュニケーションをとりながら、「この人とだったら乗り越えていけるんだなあ」っていう経験を何度も何度も何度も何度も繰り返して、結果として、それが強い信頼関係になっているんじゃないかな、って思います。
少なくとも、私に本をプレゼントしてくれたともだちとの信頼関係は、そのようにして育ててきたものだと、私は思っています。
そう、信頼関係を育てることも、「ふたりだからできること」ですね、笑。
みなさんにとっての「ふたりだからできること」は何ですか?

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