●この世から消えたいと思う気持ち

自分で自分を殺す行為。
インターネットを通じてその仲間を募り、そして一緒に自殺する。
こういった事件は後を絶たないですね。
だけど私自身、このまま生きることではなく、「死」を選ぼうとしたことは何度かありました。
私が死を選ぼうとしたとき、それは孤独感を強く感じたときでした。
「誰にも分かってもらえない。。。」
「誰も私を必要としない。。。」
「誰にも愛されない。。。」
それをこれからも感じ続けることは、生きるより苦痛だと思ったからです。
いつ終わるとも思えない暴力の世界。
いつ終わるとも思えないいじめの世界。
たった一瞬の痛みで、この世界がなくなってしまうんだと思ったら、そっちの方が絶対マシだと、本当に何度も何度も何度も考えていました。
父の暴力も学校のいじめも誰にも言えず、ただ黙って耐えるしか方法をしらない。
そんな世界を本当に一瞬にして消してしまいたかった。。。。
「私は何のために生まれたのか。」
「私はどうして生きているのか。」
「人に嫌われるために生まれ、人にいじめられるために生まれたのか。」
ほぼ毎日学校で、家で、声を殺して泣いていたことを覚えています。
私が本気で「死」考えたのは、父の暴力が一番ひどく、学校でいじめが一番激しかった時でした。
修学旅行の話が出て、場所は北海道。皆すごく喜んでいたけれど、私には瞬時にすごい恐怖感が出てきたんです。
修学旅行。グループを組む。私は皆に嫌がられ・・・。そしてその通りに事は進みます。
「げー、誰かこのきしょいのグループに入れたらあ?」
「こっちは絶対パス!! めっちゃおもろない旅行になるやん!!」
「あー、あー、こんなに皆から嫌がられてんのに、よう学校来るわなぁ!!」
「あいつと一緒の旅行なんて最低の旅行やん!」
「修学旅行までに死ね! そしたら全員平和や!! ははは!!」
それから「あんたなんか死んでしまえ」「旅行までに消えろ!」というメモが何度も回ってきました。
その苦しさから学校の行きでも帰りでも声を殺して泣きながら帰っていた毎日。
家に帰ると酔って怒鳴る父。泣きじゃくる母。家出する妹。父と大喧嘩の姉。
あの頃カウンセリングという言葉も知りませんので、私はとにかく誰にも言えず、ただ毎日学校の授業中に、「助けて・・」「死にたい・・・」という言葉を教科書やノートに書いていました。
旅行は、結局じゃんけんで負けたグループに私は入れてもらうことになりましたが、それまでも、ホテルについてからも、そのグループに散々辛い言葉を投げかけられ、途中からは完全無視になりました。
修学旅行1日目の夜。
皆はしゃぎ疲れて眠ってしまった時間に、私一人眠れませんでした。
皆を起こさないように起き出して、窓の扉を開けて、空を仰ぎ見ました。
札幌の夜空はとても綺麗でした。
空気が澄んでて星がたくさん見えたんです。
その時、なんだか今まで苦しかったものがすっと消えて、
「こんな綺麗な夜空を飛んだら、私は気持ちよく死ねるかもしれない・・・。」って。
思いました。
とてもリアルに今でも覚えています。
そして窓に左の足をかけて窓の上に立って・・・・・・けどね。
結局いろいろ考えすぎて出来ませんでした。
だけど旅行から帰ってからも、あの綺麗な星空が忘れられなくて、「死」を選ぶなら、綺麗な夜空の中で飛ぼうと、ずっとずっと考えていました。
それは最後まで思うだけで、実行に移すことはありませんでしたけど。
今思ってもとても追い詰められた状況の中で私は長い間生きていたと思います。
これらの体験は、今でもとても辛くて涙が止まらなくなってしまう思い出です。
忘れることなど出来ない、私の長い長い学生時代の経験です。
だけど私はこの時「死」を選ぶことはありませんでした。

理由なんかなんでもいい。
「怖かった」でも、「寸前でびびった」でも、「情けないけど、それでも生きたいと思った」でも。
それでも私は「死ぬこと」を選ばなかったんです。
こんな辛い状況の中で、私はそれを越えてここまで生きてきました。
それにこれだけ苦しんだからカウンセラーという職業を選び、今までになかった大きなぬくもりを感じながら今は生きています。
父の暴力といじめ。私にとってタブーだったことが、今はなくてはならない私の過去になったんです。
だから思い出は辛いけれど、あの頃私をいじめた人たち、そして父に対しての恨みは今は全くありません。
むしろ今の幸せはこれらがなければ存在しなかったわけだから、感謝しています。
そんな自分を『誇り』に思います。
カウンセラーとなった今、たくさんの方のお話をお聴きする中で、私と同じような体験を持つ方、また同じではなくても、自分を消してしまいたいと本気で考えたことのある人は本当にいっぱいいっぱいいます。
泣きながら語ってくださる方、鳴き声で言葉にならない方、悲しみをこらえて話し続ける方、本当にいっぱい・・。だけどその方たちも、結局自分を消さずに、ここまで頑張って来たんです! 
これってすごいことなんじゃないでしょうか!?
「死」を考えてしまうとき、それって相当追い詰められた状況です。
そしてそれを考えてしまうなら、そこまで必死になって、自分なりに努力をいっぱいいっぱいしてきた証拠だとも思います。
そこまで追い詰められるまでには、きっと辛いこと苦しいことがいっぱいあったはずです。
何度も何度も私と同じように「何のために生きてるの!?」という疑問ももったかもしれません。
だけど、「死」を選ばずに、「生」を選んでここまで頑張って生きてきたんですよ!
真の強さや、ここを乗り越えてやるという意識を持っていなければ出来ません。
こんな苦しいこと、これらの意識なしに乗り越えることなんて出来ないですよ!
今、死を考えてしまうときがある方。
昔何度か考えたことがある方。
助けを求めてください。誰でもいいです。
両親でも友人でも、姉妹でも。。。
「こんなに苦しくて、自分を消してしまいたい気持ちにかられる・・」と、伝えてください。
それでも誰にもいえないならば、私たちカウンセラーに話してください。
あなたの気持ちをわかってくれる人は必ずいます!
皆死にたいんじゃなくて、本当は生きていたいはずです。
私が「死」を選ぼうとしていたときも、生きるのが辛かったから考えてしまいました。
だけど死ねませんでした。
生きていたかったんです。
あなたが諦めず、チャレンジする限りは、必ず楽になる方法は見つかるはずです。
ただし、それを今度は誰かに頼ることで一緒に越えて行くというやり方にしてみてくれませんか?
今までの苦しさは、あなたが悪かったんではありません。あなたの性格とか態度とか、そんなもの全く関係ありません。あなた自身に非はないんです。
ただ、一生懸命だっただけでしょう?
ただ必死にその時その時を、最大限自分の出来る限りの力でやってきたはずです。
 
そんな自分ってすごい力で自分を支えてきたんじゃないですか!
カウンセラーは応援したいんですよ。生きたい、楽しみたい、笑いたいと願う人を!
そして自分が今日まで生きてきたことを、『誇り』に思ってください。
胸を張って生きて欲しいと思います。
私は「人が怖いんです・・・」という一言から、カウンセリングの世界に入りました。
いじめの話もここで始めて話しました。
泣いて泣いて、いっぱい叫んで、苦しんで、自分の中の苦しみを外に出して、それを誰かに受け止めてもらって、ようやく人とのつながりの大切さやあたたかさをこころから知ることが出来ました。
それを身をもって知った私だから、強く伝えたいと思います。
助けを求めてください。
そしてその苦しさを乗り越えて今までやってきたあなた自身を、誰よりも自分が『誇り』に思ってくださ
いね。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。