「星の王子さま」のお話をご存知ですか?
初めてのデートで彼氏にプレゼントされてから、もう何度も読み返しています。
読めば読むほど内容の奥深さに気づくような本です。
中でも一番好きな、王子さまとキツネの場面についてお伝えしますね。
さみしくて悲しくて泣いていた王子さまが1匹のキツネに出会います。
王子さまはキツネに遊んでほしいと頼みました。
キツネは、まだ仲良くなっていないのだから王子さまとは遊べないと言います。
その時のキツネの言葉の意味はこうです。
「ぼくは君にとって、十万ものキツネたちとおなじ、ただの一匹のキツネにすぎない。
でも、君がぼくを飼いならす(ぼくと仲良くなる)なら、ぼくたちはお互いが必要になってくる。
君はぼくにとって、世界中で唯一の存在となる。
ぼくも君にとってかけがえのないものになるんだ。」
仲良くなることは、ある人を特別に思い、時間をかけてかかわっていくことだとキツネは言います。
少しずつ近づいたり、立ち止まって様子を見たりして、一日一日と仲良くなっていくのだそうです。
仲良くなることについて、他にもキツネの考えを王子さまに話しています。
「いつも同じ時間に来てくれるほうがいいんだ。
例えば君が午後の4時に来てくれることになれば、3時には早くもぼくは幸福になり始めるはずだ。
時間がたてばたつほど、ぼくは幸福を感じることになるだろう。
4時になるともうそわそわして、心配になってくる。ぼくは幸福のありがたさを発見するだろう。
でも、もし君がいつでもかまわず会いに来るんだと、ぼくは君をいつ待つ気持ちになったらいいのかわからない。
きまりがいるんだよ。」
「君がぼくを飼いならすなら、君の足音は音楽のようにぼくを巣穴の外に呼び出すだろう。
ぼくはパンを食べないから麦畑なんて役に立たない。でも金色の麦畑は、きみの髪の毛を思い出させるはずだ。
そして、小麦のなかを吹く風の音だって好きになるだろう。」
私と彼氏は長野と大阪に住んでいる遠距離恋愛です。
毎晩同じ時間に電話で話しているので、このキツネの言うことがよくわかります。
いつも同じ時間としてきまりをつくると、普通はそれが単調な毎日になるような気がしますね。
でも、その内容が幸福なものだったら、時間になるまでの間にも幸福感を味わえるのです。
彼はもう、大阪の友人のうちの一人ではなくなりました。
これまで私は、カウンセラー養成コースのセミナーのために東京へ通いました。
朝から晩までセミナー会場にいるので、東京に通ってはいても、それほど東京に詳しくありません。
セミナーの日が近づくと、そこで会える仲間のことを思ってワクワクしてきます。
みんながいるから、詳しくないけど東京が好きなのです。
やがて王子さまとキツネとの間に別れが訪れます。
別れの悲しさを感じるくらいなら、仲良くなんかならなければよかったと王子さまは思います。
それに対しキツネは、二人の関係はむなしく終わるのではなく『麦畑の色』のために意味があるのだと答えるのです。
物語の終わりでは、王子さまが帰ってしまうときにこんなことを言います。
「ぼくは夜空の星のひとつに住んでいて、笑っているんだ。君が夜空を眺めるとき、君にとってはすべての星が笑っていることになるだろう」
9月の半ばに彼のいる大阪へ引っ越すことにしました。
10月からは大阪と長野の担当カウンセラーとなります。
東京に関連するものと接するとき、私はみんなのことを思うでしょう。
同じように、大阪の仲間とこれから出会う人たちを大切に思い、さらに仲良くなりたいと思います。