この展覧会は、印象派好きの私にとって、とても待ち遠しいものでした。
今回もたくさんの美しい絵と出会い、絵の中の風景を楽しんで来ました。
その中からいくつか、特に印象に残った絵について、皆さんにお話したいと思います。
カミーユ・ピサロの「春、朝、曇り、エラニー」は、一面に広がる緑・・・心を照らすような明るい緑に心惹かれます。
春の清々しい朝、という感じです。
タイトルには、「曇り」とありますが、水色の空、浮かんでいる小さな雲を見ていると、晴れているように思えます。
白い花・・・気持ちをすっきりとさせてくれるような・・・をつけた木が左側と中央にあります。
その間には、何か作業をしている人がふたりいます。
左側が女性で、白っぽい長袖のシャツを着ていて、前かがみになっています。
右側は男性で、白いシャツを着ていて、腕まくりをしているようです。
男性は、左手には何か袋のようなものを持っています。
絵の左端にはあぜ道が見えます。
緑の中にたくさんの黄色い花・・・もしかしたら実なのかもしれませんが・・・が見えます。
この黄色は、観ていると和むような黄色をしています。
絵の中央を横に道が伸びています。
この道を通る人がいれば、作業の手を止めて、会話したりするのだろうなあと思いながらこの絵を観ました。
次に、アルフレッド・シスレーの「牧草地の牛」です。
左に高く伸びた大きな木があります。
青々とした力強い緑をした葉をたくさん付けています。
その下では、涼んでいるのでしょうか?
木陰に牛の番をしている人がいます。
牛は3頭いて、1頭は黒と白、もう2頭は茶色と白のまだら模様をしています。
3頭とも草を食べています。
右下には、弓なりに道があります。
どこへ続いているのでしょうか?
気持ちのいい濃い青空、モクモクと広がった雲・・・夏のようです。
この絵を観ながら、ゆっくりと流れていく時間を感じていました。
最後に、エドワード・W・ウェイトの「ひな菊の野の子供たち」です。
右上に雲が広がっていて隙間から青い空が見えます。
雲の下には丘があり、白い動物がたくさん・・・羊でしょうか・・・が見えます。
丘の手前には、川があり、2艘のボートが見えます。
左上には大きな木、その木の下には女の子が2人と少し離れて男の子が1人います。
1人の女の子は、茶色の服にピンクのエプロンのようなものを着て、ベージュの帽子を被っています。
もう1人の女の子は、ブルーの服に白いエプロンのようなものを着て、白い帽子を被っています。
男の子は、白のシャツに茶色のズボン、ベージュの帽子を右手に持っているように見えます。
子供たちの周りには、ひな菊がたくさん咲いています。
3人ともひな菊を摘んでいるようです。
大きな木は、子供たちがそうやって遊んでいるのを見守っているように思えます。
きっと、エドワード・W・ウェイト自身が、優しく見守るような気持ちで子供たちが遊んでいるのを観ていたのでしょうね。
この絵を観ていると、そんな気持ちが伝わって来るようです。
今回は絵を通して、日常の中にある美しさを思いました。
風景だけでなく、そこで生活する人々の精神的なものも含めて、美しさが伝わって来るような気がしました。
今度絵を観に行く時には、私はなにを感じるのでしょうか?
また何かを見つけて、皆さんにお話できるのを楽しみにしています。
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