こんにちは、寺島やすこです。
人とコミュニケーションする時、お互いが体験してきた文化・習慣の違いを
知っておくと、とてもお徳ですよね。同じ黒い目、黒い髪の日本人同士でも、
結構、1人1人で違いがあります。
例をあげればキリもないですが、今日はそのうちの一つ、会社ごとの違いに
ついてのお話です。
心理学を始める前に、私が働いていたところは、外国為替を扱うブローカー
さんの会社でした。
NHKなどのニュース番組で為替相場が動くシーンなど見た
覚えはありますでしょうか?為替が暴落したり、変動すると、社会的に大きな
影響がありますから、為替の動きって結構生活に関わる大事なものなのです。
(経済エッセイみたい(^^;)為替は、円とドル、円とユーロ、つまりは円と、
それ以外の外貨で売り買いをしてるのですが、その売り買いの単位が1本、
100万ドルなんてするのです!!ですから、大きく得がでて儲けた時のケタも、
一瞬で数百万から億単位となりますが、損が出たときは、まさに逆になりま
すから、一瞬で巨額のお金を失うこともあります。
なので、ニュースで映し
出される、為替を売り買いしているおじさんたちが、血相変えて、真剣に怒
鳴りあっていても、無理もないんですね〜。
当時の私は、その怒鳴りあっている現場に直接働いていたのではなく、総務
をしていたのですが、初めて、その会社に面接のために訪問した時は、営業
場の怒鳴り声にかなりびびってしまいました。
その後、働き始めて最初の一
年は、営業場に入るのが、怖くてたまらなかったことを覚えています。
私の
仕事は、部署で一番若手の立場でしたので、営業さんと総務の先輩たちの
メッセンジャーという役割が中心でした。
そして、その中の作業のうち、何
よりイヤだったのは、書類の不備を確認したり、修正してもらうための、お
使いでした。
なぜなら、皆さん、儲かった時は、とてもご機嫌でいい方なのですが、これ
が損した時は、ものすごく怖かったからです・・・(^^;「なに、なんな
の!!」「今、忙しいんだよ!!」とか、怖いリアクションばかり・・・。
『わーん、怖いよぉぉぉ、どうしよう・・・』と、泣きそうになることもし
ばしばありました。
いや、まあ、人間ですから、しょうがないと言えば、
しょうがないんですけどね。
受話器を引きちぎって投げた、椅子を破壊したと、いろいろなエピソードが
あり、ストレスがたまることも多かったようです。
それでも、勤めて1年位
すると、人間どんな状況も慣れるものですね(^^)
ある時、営業場を通りかかって、かなり静かなので、逆に寂しいなと感じて
いる自分に気がつきました。
営業アシスタントの女の子たちとの井戸端会議
でも、「今日は活気ないね〜」「海外がイースターでお休みだから、いない
のよ」「そっかぁー、なんか怒鳴り声がしないと逆にさびしいねぇ」「うん
うん、わいわいしてると、儲かってるぅぅとか、臨場感があるよね〜」なん
て言ってみたり。
ブローカーさんという仕事は、時として為替相場の0.00コンマ単位の変動に
反応する必要があり、それで消耗してしまうので、長く勤め続けることは難
しく、ある年齢以上になると退職されるか、管理職になられたりと、プロス
ポーツ選手の寿命なみのようでした。
天国と地獄を行き来するような感情の
起伏の激しさに、体をついていかせるのが、大変なようで、多くのブロー
カーさんがヘビースモーカーな方だったり、車のスピード狂だったり、とり
わけ、皆さん、お酒が大・大・大好きでしたね(^^; 仕事からくる緊張を緩
ませ、休ませるのに一番の妙薬だったのでしょう。
今は、もうその会社をやめて、IT企業で派遣をしていますが、最初にそこを
勤め始めた時は、あまりの静けさに違和感を感じたのを覚えています。
しか
も、社員さんは、ほとんどの方が穏やかで、感情的になることもなく、受話
器を投げることもない(^^; 逆に静か過ぎて、最初はロボット工場で働いて
るみたいに、薄気味悪く感じてしまったり・・・。でも、数年たったら、そ
れも慣れて、その人たちも以前の会社並みにオーバーアクションではないだ
けで、やっぱり感情があるのだとわかるようになりました。
結局、どっちの
文化が常識とか、標準ということはないと思いますが、会社も、ところ変わ
れば、こんなに雰囲気が違うのだということを知る意味で、転職したこと
は、私にとってかなりいい体験でした。
もちろん、現在の私のカウンセリングにも、転職体験は、かなり役立ってい
ます。
仕事に関する相談は、恋愛相談の次に多い相談ジャンルなのですが、
その中に職場ごとの文化の違いや、ギャップからきているお悩みもあったり
します。
一つの世界観にとらわれてしまいそうになる時、そこだけがすべて
ではなく、いろいろあるってことに、ぜひ気がつけるといいですね。