木村家は、最近テンパっています。
仕事や家の用事などが重なって、二人ともワラワラしているうちに1日が終わってしまう日が少なくありません。
あれもしなきゃこれもしなきゃ… と、それぞれがやることをやりながら、余裕がある時には相手のやることを補いながら、そんなこんなで何とかやり過ごしているのです。
しかしながら、それだけワラワラしているので、やっぱりミスも出てくるんですよね。
やることを忘れていたり、時間がなくて出来なかったり。
そんな時はとてもひどく自分のことを責めてしまいます。
ある時、奥さんが何かをやらかしてしまって、こう言いました。
「しまった… あ〜もう!私のことをアホって言ってー(>_<)」
彼女はそれくらい自分を責めて自分にアホって言っていたんでしょうね。
そんな時には、
「そんなことないよ。失敗することなんて誰にでもあるんだから。だから、大丈夫だよ。そんなに自分のことを責めなくていいよ。」
と言って許すのが、心理学を学んで実践する者のセオリーなのですが、その時少し余裕のあった僕の中に、それとは別のイタズラ心が頭をもたげました。
そして僕は言いました。
「アホ♪」
奥さん、 “カッチーーン!” スイッチ・オンです。
「うわー、アホって言ったー!やっぱり私はアホなんや〜!!」
続けてこう言うのです。
「アホって言う奴がアホなんやー! アホーっ!!」
僕、 “カッチーーン!” スイッチ・オンです。
カウンセラーモードのマインドでは、「あぁ、これが少し前に奥さんが感じていた感情なのか」と冷静に分析し、「余裕がある時にアホって言われてこんな気持ちになるんだから、余裕がなくて自分のことをいっぱい責めている時にアホって言われたら、それは腹が立つだろうし、そんな相手にアホーっ!って言いたくなるよね」と共感と理解をしつつも、こんなことを口走っていました。
「アホって言う奴がアホなんやって言う奴がアホなんやー!」
奥さん(以下、(奥))「アホにアホ言われたないわー!」
僕(以下、(僕))「俺もアホにアホ言われたないわー!」
(奥)「うるさい!アホアホアホ!」
(僕)「アホアホアホアホアホアホ!」
(奥)「アホアホアホアホアホアホアホアホアホ!」
(僕)「アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホ!」
言い合いをしているうちに、必死になって小学生レベルの言い争いをしているのがおかしくなってきてケンカにならなくなり、収束を迎えたのでした。
奥さんに「さっきはごめんね」と謝ると、心理学を学び実践する者のセオリー通りの答えが返ってきました。
「うん、もういいよ」
我ながら素晴らしい奥さんです! …続きの言葉を聞くまでは。
「…おバカちゃん♪」
僕、 “カッチーーン!” スイッチ・オンです。
「誰がバカや!そんなん言う奴がバカなんや! ムムム… そんなん言う奴はもう死ねっ!」
(奥)「死ねっ!言う奴が死ねっ!」
(僕)「死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!イーーーーーっだ!!!」
(奥)「ムキーーーっ!!!」
…(以下略)
(そして二人で)「うわっ!もうこんな時間や!(汗)」
こうして、忙しい中の貴重な時間を浪費してしまっていることに後から気づく、おバカな夫婦なのでした。