春になると日本列島に桜前線が訪れ桜の花が各地で咲き始めます。
日本列島は縦に長いから、このコラムをお届けする頃には、
関東より南の地域では桜は散っているかもしれません。
でも東北や北海道などでは、今から満開を迎えるのでしょうね。
「桜前線」っていい響きだと思いませんか?
寒冷前線や停滞前線などと聞くとちょっと憂鬱な気持ちになりますが
「桜前線」という響きを聞くと、どことなく温かい明るい気持ちになります。
桜の花というのは、直前の冬が寒ければ寒いほどキレイに咲くのだそうです。
そのことを聞いて私の中でカウンセリングと重ねる部分が多いのです。
今、一生懸命お話を聴かせて下さっているお客様がいる。
その方はとても辛そうで今、どん底にいる。
でも例え、どん底にいてもあきらめていない。
その姿勢は、「いつかきっと満開の花を咲かせるのだろうな」...と
「その花はとてもキレイなのだろうなあ」...と
どうして桜はキレイなのでしょうか?
たぶん、ただただ咲こう!そう思っているからではないでしょうか。
例えばソメイヨシノが自分達より先に花を咲かせる河津桜より自分達が劣っているなんて思わないでしょうし
ソメイヨシノより時期的に少し遅れて満開になるシダレザクラに自分達の方が勝っているなどと優越感を感じることもないでしょう(笑)
ただただ自分の花を咲かせよう!
そう思っているから桜はキレイなのだと思います。
私にとって人生の中で冬の時代というのは4、5年前だったと思います。
会社が潰れてしまったり周りにいた人達とも、どことなく疎遠になっていきました。
たくさんの物を失ったような感覚がありました。
しばらくは、その焦燥感に浸っていたのですが、しだいにこんな風に思う様になったのです。
「人生は自分の思う通りにはいかないんだなあ」
「人は自分の思う通りには動いてくれないのだな」 って
「だから、もう諦めよう!」って
それは人生を諦めてくださいとか、どうせ自分の思ったようには、ならないから頑張っても無駄ですよという意味ではなく
周りに惑わされないこと、
自分が主体となることが大切だということで...
諦めたと言うのは今までのやり方を止めて新しいやり方・新しい生き方をするという意味です。
「人生は自分の思う通りにはいかない」
「なら自分が悔いの残らないように一日一日、やれることを一生懸命やっていこう!」って
そして、その直後にカウンセラーになろうと決めました。
反対する人もたくさんいました。
「わざわざサラリーマンを辞めてやることないじゃない」とか
「会社にいれば成功するかしないか分からないカウンセラーの仕事よりも安定しているよ」
そう言って反対する人が、ほとんどでした。
でもサクラは、なぜ美しく咲くか知っていますか?
サクラは例え散ることが分かっていても咲くのをあきらめないのです。
4月下旬、5月には散ることが分かっているのに満開の花を咲かせよう!
ただただ、それだけを思い一生懸命咲こうとするのです。
だから美しくキレイなのですよね。
未来のことは正直分かりません(笑)
でも私は今、幸せです。
カウンセラーとしては、まだまだ大木【たいぼく】には、なれていません。
太い幹は周りの方には見えないかもしれません。
でも、とても強い根が大地に張っているということは
自分自身が一番分かっています。
そして私の周りには大きな太い幹を持った、たくさんのカウンセラーの仲間がいます。
その人たちのいい所を吸収し自分自身でも成長し
いつか大きな太い幹を作って行こうと思っているのです。
そして満開の花を咲かせよう!と思っています。
人生の冬の時代から4、5年が過ぎ、今、私が思っていることは
「もしかしたら一番キレイなのは蕾の時期ではないかな」と言うことです。
満開の花を咲かせようと一生懸命、努力し何かを追い求めているとき、
毎日をコツコツと頑張っているとき、
それはサクラであっても人であっても魅力的なのではないかな...と感じるのです。
毎年、サクラの花が満開になるこの時期、
みなさんが一生懸命、花を咲かせようとしている姿をより鮮明に思い浮かべます。
寒い冬ほど、キレイな花を咲かせることができます。
どんなに長い冬であっても、あきらめなければ必ず花は咲くと信じています。
一緒に満開の花を咲かせていきましょうね。
きっと素敵な花が咲くでしょう!
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