数回しか会ったことがなくても、「なんだか好きな人」っていうのはいるも
のです。
彼女もまた、同じ場で何度か会いながらも、直接 話したことがないのに、
なんとなく 感じのいい人だなぁ という印象の女性でした。
ふとしたことでメールをしたのが始まりで、彼女が書くブログを知り、たま
に見に行っては いい気分をもらったり、感想を伝え合う、というような
お付き合いが始まりました。
外見が派手とか声が大きいから目立つ、というのではない彼女が なんだか
キラキラして見えたその訳が、言葉の交換を続けるうちに、だんだん分かる
ようになっていきました。
彼女は、常に目の前に起こっていることを とっても優しい目で見つめ、や
もすれば 悲しくなってしまいそうなことだって、時にはユーモラスに 温か
く受け止めながら、等身大の世界から 色んなことを学ぼうとしている人。
私はいつも、そんな彼女の言葉に触れるたび、自分が 「ちっちゃいなー
」「硬いなー」 ということを 思い知らされるのです。
誰かに何かを教えようとしているとき、人は、そこからは 学ばないのかも
しれないと思います。
彼女は何も教えようとしないのに、私は彼女から、たくさんのことを学んで
いるから。
そしてそれは、自分が「知っている」 ときに、どんな態度を取ればいいのか
というのを深く考えさせられます。
何ヶ月か前のある日、そんな彼女が ウチに遊びにくることになりました。
少し離れたところに住んでいる彼女は、そうそう頻繁に会える人ではないので
、この機会にぜひ、ということになったのですが、実は、ちゃんと二人で話
すのは、その日が初めて。
ところが、到着予定の時間が過ぎても、いっこうに現れない。
うちのマンション、駅から5分なんだけどなぁ・・・。うーん、駅まで迎え
に行った方がよかったかしら?
と、ちょっと心配になった頃 「ピンポーン」 と、インターホンが鳴る。
「遅かったね?大丈夫?迷った?」 と言う私に 彼女の笑顔からこぼれた
返事は
「ううん、来る途中に公園があったから、ダケちゃんにお土産探してたの」
私:「え?おみやげ? 公園で???」
と、目が点になっている私に彼女が差し出してくれたのは、なんと
『四葉のクローバー』!!!
来る途中の公園で、彼女はそれを 私のために 探してきてくれたのです。
私:「えーーーーーーーーーーーーっ?! あそこの公園で?? うっそーー
、私 いつも通ってるけど そんなの見つけたことないよーーー!!!
てゆうか、見つかるなんて 考えたことなかったわーー!!!」
彼女:「私ね、実は 四葉のクローバーを見つけるの 結構得意なのよ。」
驚きでした。
確かに今まで、真剣に四葉のクローバーを探したことはなかったかもしれな
いけれど、幾度となく チャレンジしたことはあったはずなのに、産まれて
からこの方 私は四葉のクローバーを 一度も見つけたことがないのです。
だから、そんなのめったに見つかるものではない、って信じてました。
それなのに、彼女は 「得意」だと言う。
私:「えーーーーーっ!得意って?!なに?なんで?なんで?」
彼女:「これね、実はコツがあるのよ」
私:「コツ??へーっ、探し方にコツがあるの?」
彼女:「そうなの、探すときにね、自分のために探すと見つからないのよ。
でも、誰かのために探すと 結構すぐ見つかるみたいなの。」
私:「ええぇーーーーーーーーっ・・・!」
あっけらかんと言う彼女に、あまりの感動とショックを受けてしまった私。
そうか・・そういえば、今まで ただの一度も誰かのために四葉のクローバ
ーを探そうなんて 思ったことがなかったわ。
少なくとも、自分が見つけてみたいから、見つかったらラッキーだから、
そんな感じで探していたに違いないんです。
達人が言うなら、ほんとにそうかもしれない、という気がしてきました。
幸せは、「誰かのために探したときの方が、見つかりやすい」 と。
この出来事から、またしても 色んなことを教わった私です。
人は、誰かのためを思うとき、思ってもみない力を発揮することが出来るの
かもしれません。
そして、誰かに幸せをあげたいな、と 思ったときにこそ、その人本人に
ラッキーが訪れようとしている時なんじゃないか、と。
今日出会う人と、小さな幸せを分かち合えるといいですね。
最後まで読んでくださったみなさん、
そして サプライズをくれた シィちゃん、ありがとう。
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3件のコメント
誰かの幸せを願えるって素敵ですね。
自分の事で、いっぱいいっぱいで、そういう気持ちを忘れていました。
私も、他人の幸せを願える人になりたいです。
さとみさん
温かいコメントをくれた さとみさんからも
幸せをひとつ 頂きました。
ありがとうございます。
「数回しかあったことないけどなんだか好き」
そんな感覚好きです。
そんな出会素敵だと思いました。
なんだか・・
「好きだなー」って感覚で読み進めていました。
こんな感覚をありがとうございました。