取り戻した、ような気がする、青春時代

三島桃子です。
いつもコラムを読んでいただいてありがとうございます!
私が心理の勉強を始めたのは30歳の頃です。
20代になった頃、「何か私の心、周りの友だちみたいに元気じゃないぞ」ということに気付きました。
しかしながら、自分の状況をはっきりは把握しないまま30代に。そして、「これはこのままではまずいぞ…」と思いはじめ、最初は自分自身と向き合うために心理の世界に飛び込み、やっているうちにすっかりはまり、今にいたるわけですが…。
自分の気持ちと向かい合う中で思ったことのひとつが、「苦しくて不安定な状態で過ごした青春時代を取り戻したい、でも過ぎた時間は取り戻せない、悔しい…」というものでした。
もし安定した気持ちで過ごせていたら、私の青春時代や20代には、きっと楽しいことがたくさんあっただろうに。苦しいことだって、もっとしっかりした足取りでくぐり抜けただろうに。そう思うと、やりきれない気持ちになったものでした。
今、ご相談を受ける中で、時々そのような思いをお聞きすることがあります。
「もっと幸せな子ども時代を、青春時代を送れたかもしれないのに…、今、いくら心が癒されても、あの時間は取り戻せない、それがやりきれない」と。
自分自身もかつてそういう気持ちを感じていたので、よくわかります。
でも一方で、今現在の私がそういう気持ちを感じているかというと、そうでもないのです。
一時期は、中学生や高校生に戻ってやり直したい、と本気で思ったものでしたが、自分の中の癒しが深まる中で少しずつ気持ちが変化していきました。
「やり直したい」というのは、当時の自分をなかったものにしたい、というようなところもあったと思います。
でも、それでは当時の私がかわいそうではないか、なかったものにされてしまったら、あの頃の私はもっと悲しくなってしまうのではないか、と段々思うようになっていったのです。
それと同時に、「取り戻したい!」というのはなくなっていきました。
感覚的には「取り戻した」感じさえあります。
あのころの自分はかなり苦しかった。そういう自分を否定せず、受け止め、認める。よく乗りきったな、自分、という感覚。自愛の気持ち。愛すべき自分。
そうすると、愛すべき自分のリアルな苦しみと同時に、生き生きとした表情も見える。もしいいコンディションで青春時代を送っていたら、私はとてもいい笑顔をしていただろうな。つらい時は友だちや家族やいろんな人に相談して支えてもらって、成長していっただろうな。それが、ありありと感じられる。なんというか、まるで本当にそうだったように。
これは地に足のつかないファンタジーとは違うのです。
私には、生き生きとした青春時代だってあり得た。それだって私にちゃんとふさわしい、という自信のような感覚なのです。
不思議ですよね。苦しかった自分を全面的に、温かく自分の中に迎え入れ、受け止めた時、何かが起こるのです。
そしてまるで、「永遠に失われ、もう手に入らない」と思っていたものが、手に入ったような感覚。物理的に手に入ったかどうかというより、ただ、そういう感覚。
でもやっぱり、ちょっぴり物足りなさが残っているのか、私は時々ティーンエイジャー向けの小説や、大学生の青春まっさかり小説を読みます。
青春もののテレビドラマや映画も見ます。
そして、言葉にできないいろいろなことを感じ、取り込み、少しずつ何かが満たされていくのを感じます。
というわけで、「青春時代を取り戻したい」という思いのある方にオススメの作品をあげてみたいと思います。
「カラフル」 森絵都・著 (アニメ映画化もされています)
「桐島、部活やめるってよ」「チア男子!」ともに朝井リョウ・著
「フラガール」(映画)
「ローラーガールズダイアリー」(映画)
「Q10(キュート)」(ドラマ・DVD出てます)
他にも、ビバリーヒルズ青春白書シリーズなんかも時々見てます。
まー次から次へといろいろとー(トラブルやら行き違いやら誤解やら…)、と思いつつ、この子たち高校生なんだよね、まだまだ未熟だもんなあ、いろいろやっちゃうよね…と、この頃は少し温かい目で見るようになってきました(笑)。
青春時代を取り戻した感を持ててから以降、自然に年相応の大人になってきたような気がします。
人生のプロセスがちゃんと進んで行く感じです。
この落ち着いた感じ。「自分がしっくりくる生き方」もわかるようになってきました。
気持ちのありようというのは、すべての基盤になるものなんだな、とつくづく思います。

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2件のコメント

  1. いつも楽しみに拝読させてもらっています☆
    私もまさに桃子さんの記事のような感覚を感じています。
    しかも10年遅れで(^_^;)
    今夜不思議なことに”マイラジオデイズ”という通販の音楽をテレビで聴いていて1950,60年代の音楽なのに(まだ生まれてなかったのに)懐かしさを覚えて泣けてきました。
    桃子さんとまたいつか直接ゆっくりとお話ししたいです。

  2. Larissaさん
    いつも読んでいただいてありがとうございます!
    Larissaさんも同じような感覚を感じられているんですね!
    自分の心が意外なものに反応すると不思議ですよね。何かあるんでしょうね!
    お互いさらに心をラクにしていきたいですね。私もゆるゆるとがんばりま~す(^^)