息子と自転車と密かな決意

最近、休日になると息子とサイクリングに出かけています。
息子は、どこに行くにも「自転車で行きたい!!」と言ってくるのです。
「遠いぞ」「今日は途中で雨が降るかもしれないぞ」と言っても、「自転車がいい~」と主張します。
昨年まで、補助輪なしの自転車に乗ることのできなかった息子。友達は自転車で走り回っているのに・・という気持ちはあったのかもしれませんが、「怖いなぁ」「転びそうだなぁ」「上手に乗れる自信がないなぁ」という不安の方が大きかったようで、「練習してみるか?」と声をかけても、なかなか乗り気になりませんでした。
1日で自転車に乗れるように教えてくれるところがあるという話を聞いたわたしは、「また、ええねんっていうかなぁ?言ってもムダかなぁ?」と思いつつも、息子に「1日で自転車に乗れるように教えてくれるところがあるけど、行ってみるか?」と聞いてみました。
予想に反して息子は「行ってみる!!」と即答。自転車練習にチャレンジすることになりました。
今年の1月のことです。
息子は一人では全く自転車に乗れなかったですが、指導員さんのアドバイスに従って練習するうちに、走り始める前に補助があれば、なんとか自転車を走らせることができるようになっていました。
でも、補助が必要なので「合格」はもらえず、再チャレンジしてね、といわれ練習場を後にしました。
合格をもらえずしょんぼりしている息子に「どうする?もう一回来るか?」と尋ねると、息子は「もう一回やる!!」と強い口調で言います。
失敗すると、恥ずかしくって「もうやらない」と言うことが多かった息子の口から、「もう1回やる」という言葉が出てきたこと、正直驚きました。
「あきらめない」という姿勢をはじめてみた気がしました。
2月に再度練習に行くと指導員さんは息子を覚えていてくれて「前回はもう少しやったな、今回で一人で乗れるようになるで!」と声をかけてくれました。
息子はすごく嬉しかったようで、前回以上に練習していました。
そして、最後は隣接している公園内を一人で自転車に乗って1時間ほど指導員とサイクリングに出かけるほどになりました。
もちろん「合格」です。
家に帰ると、今日のできごとを自慢そうに母親に語り続ける姿を見て、よっぽどうれしかったんだなぁと思いました。
自信を生み出すのは「成功体験」です。
でも、何事であっても、最初から「成功」することは難しいです。
息子も、何度も失敗したり、時には転んだり・・を繰り返しました。
指導員さんは、失敗したことよりも、「もっとこうしたらよくなるよ」、「さっきよりいいよ」、「もうちょっとだよ」というように教えてくれていました。
こんなふうに、そばで励ましたり、アドバイスをしたり、成長を認めてもらうことで、わたしたちは「がんばれる」のだなぁと改めて感じました。
また、自転車練習場では、上手に乗れるようになっていく他の子どもたちがいたので、「ボクもああなりたい!!」そんな思いもあったのかもしれません。「ああなりたい!!」と思う姿というのは、言い換えれば「ヴィジョン」ということになると思います。
わかりやすいヴィジョンを持つこと、教えてくれる人がいること、励ましてくれる人がいること・・これって、大人になっても大切なことだなぁって思います。
失敗しても、そこから学べばいいだけなのです。
失敗が多かった分、成功の喜びも大きいのです。
息子をみていて、そんなことを思いました。
2回の練習で自転車に乗れるようになった息子。
鉄は熱いうちに打てとも言います。
息子が乗り方を忘れないうちに自転車を買うことにしました。
息子は赤いマウンテンバイクに一目惚れ。「これがいい!!」と言います。
マウンテンバイクはハンドルバーが一直線になっているのでバランスが取りにくく扱いが難しいので、うちの奥さんは、言葉巧みに他の自転車を薦めようとしましたが、わたしは、息子の「これがいい!!」という気持ちを大切にしたいと思いました。
はじめての自転車、自分の心がウキウキするような「かっこいい」と思えるような自転車に乗らせてやりたい、と思ったのです。
「男」にとって、自分が「かっこいい」と感じるものを手に入れるということは、意外と重要なのです。
かっこいい自分でありたい!!わたしたち男はどこかでそう思っているのです。
お気に入りのマウンテンバイクを手にした息子は、案の上、ハンドル操作とバランスの取り方の違いに苦労はしていましたが、「この自転車に乗って遠くに行きたい」という一心で、暇があれば練習していました。
そして、最近では、今度の休みはどこに行く?と息子の方から話しかけてきます。
1時間近くかけて、USJに行ったり、半日かけて大阪市内をサイクリングしたり・・
休みになると男二人で、あっちこっちにでかけるようになりました。
家に帰ると、疲れ果てて、二人してうたた寝する始末。
これからどんどんたくましくなっていく息子と一緒に走り続けるために、「体力づくり」をしようと密かに誓うわたし・・であります。
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