こんにちは。宮古島から五十嵐かおるです。
なんだかんだとありがたいことに、友達や家族、クライアントさんも含めると、平均して月に1回くらいのペースで誰かが宮古島に訪ねて来てくれています。
来る前は「遠いねー」と言われますが、来てみると「思ったより近い!また来るねー」と実際リピーターになってくれた方、リピート予定も方も多数。
東京からの直行便だと3時間もかからないし、島の中は狭いので観光の移動時間が少なくてゆっくりと楽しめることもいいみたいです。
南の島へ観光に、マリンレジャーに、心を癒しに、現実逃避にと、いろんな理由で来てくれますが、私がここにいることも小さなきっかけの一つになっていることが、とても嬉しくて少し信じられなかったりもします。
飛行機に乗ってはるばる来てくれる友達がいることに「友達少ないかも、嫌われてるかも、」なんて少しでも思っていた自分を叱りたくなります。
愛を受け取ること、どんなにやってもまだまだ足りないくらいありがたいことです。
「宮古島に行く予定だよ」と連絡をもらった時から、上手なチケットのとり方、現地にいないとわからないホテルの情報、ガイドブックには載っていない観光名所、伝えたいことが山ほど出てきます。
何度かのメールのやり取りの後、友達を迎える前の日は「光のきれいな時間にあそこに行って、このポイントで海を見て、空いてる時間に人気のお店でランチして・・・」デート前日のようにウキウキして眠れません。
到着当日、空港で迎える久しぶりの笑顔たちがもう嬉しくて、周りの人が私を見たら、犬がしっぽを全力で振っているみたいに思われるかもしれません。
宮古島の観光といえば「青い海と広い空!」で、逆を言えば「それだけ!」なので(いえ、他にもありますが)、誰が来ても案内して周るのはほとんど同じところ。
でも来てくれる人達、1人ひとり感動のポイントが違うので、案内している私も飽きることがありません。
海の青さにひっくり返ったり、何もしない時間を楽しんだり、南国ならではのグルメやお酒に酔いしれたり、「何か」を感じて癒されたり(笑)、人や植物に興味を持ったり。
初めてのシュノーケルで魚を見て大感動している友達の表情に、私のほうが感動することも多々。
普段生活していると「いつでも行ける」ことであまり観光もしなくなってしまうので、友達が来てくれるのをいいことに一番楽しんでいるのは実は私だったりするんです。
先月は私の地元から可愛らしい女性、Mちゃんが一人で訪ねて来てくれました。
Mちゃんとは10年以上前に、カルチャースクールで出会いました。
3年ほど一緒にレッスンを受けて、その後会ったのは数えるほど。
もちろん仲も良かったし、来てくれるのも大歓迎。
宮古島に興味持ってくれたんだーなんて思っていたんですが、その理由がまたびっくり。
「私の人生のターニングポイントにはかおるちゃんのアドバイスがあったんだ。
今回もかおるちゃんの話がきっかけで前に進めたから、会いに行きたい。」
そう言って、1人で飛行機にも乗ったことがないというのに、自分でチケットの予約をし、慣れない空港で飛行機を乗り継ぎ、ひとり宮古島まで来てくれたのです。
私たちが出会った頃、高校生だったMちゃんは憧れとも言える、大きな夢を持っていました。
同時に、「あくまでもそれは夢だから無理かもしれない」とも思っていたみたいです。
当時の私はというと、まだ心理学を学ぶ前で、勢いだけで生きていたような状態。
根拠もなくカッコいいことを言いたいし、信じたかった20代前半。
その時の私が彼女に言った(らしい)言葉。
「夢はね、思い続ければ叶うんだよ!」
きゃーーーーー、恥ずかしいっ!
まさに青春真っただ中なセリフです。
そこですごいのが、それを信じたMちゃん。
なんと、本当に叶えようと心に決め、真っ直ぐな思いを持って数十倍といわれる倍率を乗り越え、しっかりと夢をつかんだのです。
誰もがチャレンジすることすら諦めてしまうような、狭き門の夢に向かって前進した彼女の勇気に言葉も出ないくらい感動しました。
嬉しそうに報告してくれた彼女の笑顔に、私のほうが夢を見ているような気分でした。
それから数年後、久しぶりに会ったMちゃんはとても大人びて可愛らしくなっていました。
数年前にそこにはなかったお洒落なカフェでランチをとり、お互いの近況の話で盛り上がる楽しい時間。
真っ直ぐな瞳と柔らかい笑顔は以前と変わらないままで、とても魅力的になっていた彼女。
素敵なパートナーもできたんだろうな、と聞いてみるとさっきまで明るかった表情が急に曇り、だいぶ前に失恋をして前に進めないでいるとつらい様子。
真っ直ぐなぶん、一生懸命だった恋愛に大きく傷ついてそれきり進むのをあきらめてしまったように感じて、彼女の笑顔に似合う楽しい時間が戻って来てほしいと思いました。
余計なお世話と思いつつつ、少しでも楽になるきっかけがつかめればと、できるだけ押しつけにならないようにそっとこのカウンセリングサービスのことを少しだけ紹介してその日は別れました。
その後も何度かメールのやりとりはしていたのですが、やはり前に進むことは怖い。
彼とのことが忘れられなくてつらいまま、なかなか抜けられずにいるとの返事。
ただ、カウンセリングサービスのホームページは気に入って読んでいるとの報告に少し安心しました。
そのまま私は宮古島へ来てしまい、しばらく連絡は途絶えたままになっていました。
そして今回も。
Mちゃんはしっかり動いたのです。
なんとか前に進みたいと、苦しい思いを抱えながらもワークショップに参加し、緊張しながらもカウンセリングも受けて、まずは自分と向き合うことにチャレンジすることから始めたそうです。
長い間閉じ込めてきた痛みや苦しみに入るのは相当きつかったはず。
そしていつまでも彼との思い出の中に生きててはいけない、何か変わらないとと思うようになり、彼女はとうとう大きな行動に出ました。
詳しい内容はここでは控えますが、今までの控えめなMちゃんではとても考えられなかったような大胆なやり方で彼との関係に整理をつけようと挑んだのです。
「怖くて怖くて、ガタガタ震えてた。本当に死んじゃうかと思った。」
でも彼女は前に進むために自分の力でそれを乗り越えました。
そして、行動してみたことで彼との関係はもう過去なんだと理解することができたそうです。
なによりも、その怖さを乗り越え、今までの自分では考えられなかった行動に出られたことが大きな自信になったと言っていました。
まだ感情がついてこなくて悲しい気持ちはなくならないけど、大きく変わったことも確か。
これから変わっていくであろう自分も信じられるようになったそうです。
だから今回、さらに新しいチャレンジをするために初めての1人旅に行くこと、それらを私に報告したくて宮古島に来ることを決めたんだと話してくれました。
もちろん私は大歓迎。最近見つけた特別なスポットにも案内することを約束しました。
ひとまわりもふたまわりも大きくなった彼女と話すのはとても楽しく嬉しい時間であっという間。
走り慣れたドライブコースもいつにも増してキラキラと色鮮やかに輝き、いつでも美味しいオリオンビールはよりいっそう喉ごしよく楽しむことができました。
島もそんな彼女を歓迎したのか、雨と曇りだった天気予報は見事にはずれ、宮古島らしい快晴で澄んだ青い海を見せてくれました。
確かにMちゃんの言うとおり、私の言葉は彼女が変わる何かのきっかけになれたのかもしれません。
でも言うのは簡単。たまたまそのタイミングに居合わせたようなもの。
カウンセリングをしていても感じること。
周りは応援することはできても、それを変わってやってあげることはできない。
その言葉を拾って行動に移せるのは本人だけしかできないこと。
夢を叶えたのも、行動を大きく変えたのも、それは「彼女自身」の力なんです。
それによって本人だけではなくて、私を含めそれを見ていた周りの人たちにも大きな勇気とパワーを与えることができる。
はるばる来てくれたMちゃんに心から「ありがとう」と
大きな大きな「おめでとう」を伝えたいと思います。
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