父と夏

7月も中旬になり、学校でも職場でも夏休みが話題になる時期ですね。
みなさんは、夏休みの計画はどんなものでしょうか?
夏と言えば、どんなイメージや思い出がありますか?
私のイメージは、青空、青い海、そして白い雲、が浮かびます。
(ありきたりですね)
そして、日焼けしている父の姿です。
私が育ったのは海がない県。小さい頃から海へ行ったことはほとんどありません。
代わりに夏になると行っていたのが、琵琶湖でした。
 両親が滋賀県の出身で祖母がそこに住んでいました。
だから、夏になるとお墓参りや親戚の家に行き、琵琶湖で泳いだものでした。
子どもの私にとってあの広い湖は、水平線も、波もあり、海と同じものというように思っていたし、家族旅行でした。
夏休みにどこかに家族旅行に行くというがなかった我が家ですが、泊まりで出かける里帰り(お墓参り)を心待ちにしていました。
日帰りも出来る距離だったので、お墓参りの時以外にも、突然「琵琶湖、行くぞ」と言い出すことも多々あったのですが、琵琶湖に行くと、私と妹は浮輪を抱えてずっと水の中。 母は日焼けをしないよう長袖を着てパラソルの下。 父は日焼けをするために、サンオイルを塗りひたすらお日様の下で寝そべっていました。
「ねえ、一緒に来て。一緒に(水の中へ)行こうよ。」と声をかけても、却下されるほうが多かったので、水の中で両親と一緒に遊んだ記憶があまりないんですよね。
だから、楽しい思い出というよりは、どこか「つまんない」とか「寂しい」と言う気持ちも一緒に思い出すような気がします。
でも、それが毎年の風物詩でした。
また父は、日焼けをするためによくプールにも1人で出かけていました。
 やはり泳ぐというよりは体を焼くため。 朝からフラッと近くのプールに出かけては、日に焼いて帰ってきました。
そして、「どうや、黒くなったやろう」と私たちにその日の成果(?)を見せていました。
なぜ父がそんなに肌を焼きたかったのかはわかりませんが、晴れた日には機嫌よくプールに出かけ、満足そうに帰ってきていました。
私が小学校・中学校の頃も、そして20代になっっていた頃も相変わらず同じでした。
当時の私はそんな父に対して、「何やってんの。1人で好き勝手して・・」と呆れ顔だったり、ちょっぴり腹立たしさも感じたりしていました。
でも、父はそんなことは気にすることもなく、毎年夏になるとせっせと体を焼いていたんです。
今思うと、好きなことを自由にやっていた父が楽しそうで羨ましかったのかなとも思います。
暑い暑い8月に父が亡くなって今年で19年目。 
今となっては、それが父の思い出でもあり、私の夏の思い出です。
もしまだ生きていたなら(かなりの年齢になっていますが)、今も体を焼いていたのかもしれませんね。
さあ、これからが夏本番。 みなさま、楽しい夏を満喫してくださいね。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。