とある土曜日。
「冷凍庫にごはんが溜まってきたから夜は、ごはんを解凍してオムライスにしよう~鶏肉も冷蔵庫にあったしな~~」
「あ”~~、でも、ヤツは多分、文句を言うだろうな・・・・・」
“ヤツ”とは、中3の娘である。
このお嬢さんは反抗期真っ只中、というか、もうかれこれ小学校3年生の頃からずっと反抗期らしい。
本人が「私は小3の時に、“もうどうなってもいいわ!好きなようにしたんねん!!”と思った」と言っていた。
彼女が小3の時に、私と元夫は離婚したのである。
それを機に彼女の反骨精神が疼きだしたらしい。
らしい、というのは小学生の時の娘はそれほど手を焼いた記憶が私の中に無いのだ。
いや、上の息子よりは手を焼いただろうが具体的なことは思い出せない。
本格的にややこしくなってきたのは中学生になってから。
なにかと私や学校の先生、時には友達とぶつかるようになってきた。
しかし、中学校生活最後の3年生になり自分以外にぶつけてなんとかやり過ごしてきたものが、自分に向けざるをえなくなりどうにもこうにも苦しんでいる様だ。
難しいお年頃である。
思春期の頃は体の変化も著しく、自分とは何者か?という所謂「アイデンティティの確立」という問題に取り組み、完璧主義に陥りやすい上に、人と自分を比べ劣等感とコンプレックスを感じやすいという、なんともややこしい時期である。
この時期、子供のイライラをまともに受けるのは大体の場合は親、特に母親が引き受けることが多い。
前置きが長くなったが、その日帰宅すると娘が「お腹すいた~」と待っていた。
「今日のご飯ナニ?」
「オムライス♪」
「え”~~~~!!いやや~~~~ なんでオムライスなん?!」
「文句あるなら食べなくてヨシ!」
「お腹すいた~~ オムライスはいやや~~ 2週間前もオムライスやったや~ん」
「そうやった?だから嫌なら食べなくていいって言ってるやん!!」
「なんでよ~ ママのアホ~~ いけずぅ~~~」
この時、かなり本気でゴロゴロ転がりながらこの世の終わりかのように嘆き悲しんでいる。
そして、同じことを繰り返す不毛なやり取りを20分は続けただろうか。
「もうなにも作らん!!好きにしなさい!!」
この時は、私もかなり本気で怒りとうんざりが入り混じっている。
「いやや~~作って~~~~」
どないやねん・・・
オムライスを作っている間にヤツは寝てしまっていた。
にしても、オムライスごときにそこまで労力を使うこともなかろうに。
君は3歳児か。
このお嬢とは今までもかなりやりあってきた。
時には取っ組み合いになったこともある。
それはもう怒り心頭である。
しかし、カウンセラーなどをしていると「相手の問題は自分の問題」という、いや~な言葉が時折頭に浮かんでは消えていた。
いや、消していたのか。
彼女がそうであるように、私も色々な言い訳をして感じないようにしてきた「劣等感とコンプレックス」というやつを受け入れ、認めざるを得なくなり自分と向き合った時から徐々に娘の態度が軟化してきたように思う。
心のつながりやパワーは不思議だ。
まだもう少し反抗期は続くかもしれない。
なるべく摩擦は避けたいと思う。
今度、冷凍ご飯が溜まってきたら、チャーハンにしよう。
似たようなものかしら^m^
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