”良かった”探し

私はどちらかというとポジティブで、決断力があるタイプです。
人からも「決めるの早いよね。」とか「ポジティブだね。」と言われるので、自分でもそういう人間だと思っているのですが、よーく思い出してみると昔は全く違ったようです。
以前、ブログにも書いたことがあるのですが、子供の頃は赤面症がコンプレックスでした。
人前で発言したり、目立つことが何よりも嫌いで、周りの人にどう思われるかがとても気になっていたと思います。
思春期の頃はいわゆる中2病でしたし、自分のことが嫌いで、優柔不断で、とにかく自信が持てない時代があったのです。
そんな話を友人にしたら、「じゃ、どうやってポジティブになったの?」と聞かれました。
自分でも「あれ?なんでだろう?」と不思議に思ったのですが、改めて考えてみて思い出すのは、中学校の同級生とのやりとりです。
思春期真っ只中の頃、悩んだり、辛いことがあるとよく話を聞いてもらっていた友人がいました。
彼女は話を聞いてくれた後、決まって「ねぇ、”良かった探し”しようよ。良かったことは何もないの?」と私に聞くのです。
例えば、週末に友達と一緒に遊びに行くかどうするか、うだうだと悩んでいた時のこと。
 「お金ないしなー。でも、みんなで遊ぶの楽しそうだし、行かなかったら後悔するかも…。
 いや、でも行ったとしても私だけ楽しめなかったりして…だって、あんまり好きな遊びって訳じゃないし…」
こんな具合に、行こうかなー、どうしようかなー、と延々悩んでも答えは出ません。
しかも、ずっと悩んでいると、悩みそのものよりもウジウジしている自分自身が嫌になってきて、最後は「あー!もう、なんで私ってダメなんだろう。こんなことでいつまでも悩んでるし…」ってイライラしてしまいます。
そんな時、友達に「”良かった探し”しよ!」って言われます。
「うーん。そうだなぁ。遊びに誘ってもらったのは嬉しかったから、良かったことかな?」
「他には?」
「普段あんまり喋らないSちゃんも誘われてたから、喋ってみたら楽しくて仲良くなれたかも。それも良かった!」
…こんな感じで、何も出なくなるまで良かったことを探すのです。
最初は難しかった”良かった探し”も慣れてくると、良かったことがたくさん見つかるようになっていきます。
そして、会話の最後はいつも「今こうやってTちゃんに話を聞いてもらえて良かった!話せて良かった!」って言って、笑って会話が終了していました。
こんな会話をしているうちに気分も上がってきて、悩み事が小さく感じられたり、「まぁ、いっか。」って気分になるから不思議です。
高校生になって、その友人と話す頻度は減ったけれど、”良かった探し”はいつの間にか私の習慣になっていました。
辛いことや悲しいことがあっても、その中から良かったことを探せるようになったのは、彼女のおかげだし、この習慣は私の財産になっていると思います。
心理学を学ぶようになって、過去の痛みを乗り越えて前に進むためには、その経験を学びに変えて自分の糧にしていくことが大切なんだと知りました。
”良かった探し”は私達にとって遊びみたいなものでしたが、それはまさに過去から学ぶ知恵が詰まっていたんだなぁ、中学生の彼女は偉大なカウンセラーだったんだなぁ、と、今になって改めて感心しています。
”良かった探し”、とってもオススメです。
みなさんも、是非、小さなことから”良かった”ことを探してみてくださいね。

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