制限と才能は、ココロが織りなす創作物 ~モノの価値は誰が決めるの?~

こんにちは、建部かずのぶです。
少し前のことです。
知人からお誘いをいただいて、【イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ】という映画を夫婦で観ました。
ただ私たちが予め聞いていたのは、アートに関するイベントの一環での上映会ということと、
映画を通して、来場した皆さまと社会について語り合うコンセプトを持っているということ。
実のところ2人とも良く分からないまま、ちょっとした好奇心を感じて参加したんですね。
知人は他の方も誘っていたようで、アートで新しい企画を仕掛けていたり、ニューヨークと日本を往復している話などで盛り上がる中を、ワールドワイドな話について行けない私たち。
さらに、たまたま来られていたお知り合いの絵描きさん、挙げ句は主催者の方までも輪の中に集まって、ますます芸術的な会話で盛り上がっていきます。
という中で、司会の方の挨拶が始まり、そして映画【イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ】がスタートしました。
いきなり街に落書きするシーンが映し出されました。
また警官に追われている場面も。
物語はストリートアートのアーティストたちと、そんな彼らを四六時中カメラを回しながら追いかけ続ける、何でもビデオに撮り続ける癖を持った、カメラオタクの主人公ティエリー。
「一体何が始まるの?」
少々危なっかしい世界観からスタートしたお話は、誰もが想像もしないような方向に展開していきます。
ティエリーの素直で、少年のようにピュアで、コミットメント力がある彼の独特な価値や方法は、今までのアートの世界には皆無だったのかも知れません。
「こんなのアリ!?」と思うような、常識外れのサクセスストーリーでした。
上映後に主催者の方から解説があり、これはどうやら実話らしい、ということでますます不可思議な趣を感じました。
その後に5人程度のグループに分かれて、感想を言い合う時間がありましたが、観た人の感想があまりに違っていてそれも興味深かったです。
さらに主催者の方がグループにマイクを回して意見を聞くと、アーティスト目線に事業家的な目線、学生目線だったり、評論家的な目線だったり、遵法からの目線だったりと、出てくる答えがこの映画の面白さを表していたかのよう。
場が温まったところで、パネルディスカッションもあり、アートなお話が続きます。
知らないだけで、こんな活動をしている方もいるのだなぁと感嘆してました。
その後、お茶に誘っていただきました。
皆さんのアートへの情熱に少々引け目を感じましたが、一度お話の輪に入ってしまうと、こんな場面でも不思議なシンクロが生まれました。
三重から来られた方は、実は私たちの三重の知人とお会いしたばかりでした。
会場に向かう途中で腹ごなしにと、ふと立ち寄ったカレー屋さん。
そこはネパール人の店長さんで、店を出るときに大地震の募金もしたのですが、たまたまお茶で集まった皆さんは実はネパールに関わっていました。
やや場違いなように感じていた空間にもこんなご縁が隠れていて、シンクロに驚いた後は今まで知らなかった世界が一気に広がったのでした。
あの時感じた場違いな感覚って、自分が作った制限だったのですよね。
ちなみに、私が映画から感じたこと。
どこか話全体が、社会の縮図を表しているように思えたんです。
世の中にはさまざまな常識に有名無名、モノの価値や値段があって、そこに人の感情やお金が絡んできます。
自分で見て、自分で決めているようでいて、実のところ何かに踊らされていることもある。
自分では真実だと思っていたことが、自分や誰かが作り上げた幻想であり、誤解でもある。
人にはいろんな観念があって、そのルールで日々を過ごすけれど、「それでいいの?」という問いを観客に突きつけているような内容でした。
リアルとフィクションが交錯する不思議な感覚の映画でしたが、社会の虚構と、またそれを軽々と追い風にしてしまうティエリーに、とんでもない天才性と少しの嫉妬を感じさせられるのです。
ストリートアートも、ただの壁の落書きだったのに、社会の流行によってはオークションで莫大なお金が動いたりする“芸術品”に生まれ変わります。
人の可能性って、本当に分からないものですよね。
私もそんな方々をいっぱい応援したいし、もちろん自分の可能性も追求してみたい!
語ればキリが無いような作品なのですが、最後に、ティエリーが開いた初の個展の名前で締めたく思います。
『LIFE IS BEATIFUL!!』
心からそう言って自分らしく輝いている人たちが、1人でも多い世の中に!
建部かずのぶのプロフィールへ>>>

この記事を書いたカウンセラー

About Author

奥さん大好きの仲良し夫婦のカウンセラー。年々親密さが増し、パートナーシップを進化させている。 育った環境から1人ぼっちも平気だが、垣根が低いフレンドリーさもある。 繊細さや直感力を言語化できるともお客様から評判である。様々な経験に基づいたカウンセリングは、実践向けとも言われている。