みなさんには、今、燃えるものがありますか?
大人になると、なかなかそういうものって、なくなってきますよね。
学生時代、バンド活動をしながら、メジャーデビューを目指していた!
スポーツに毎日明け暮れていた!
ブラスバンドで全国大会を目指していた!
彼や彼女と熱い恋愛をして、青春を謳歌していた!
みなさん、それぞれに、いろいろな青春があったのではないでしょうか?
●意外な過去
今、振り返ってみると、私には「青春」と呼べるものがなかったと思います。
意外に思われるかもしれませんが、私は運動が得意でした。
駆け足もクラスで一番でしたし、市内でも上位に入っていたんですよ。(私の出身地、千葉県北西部は陸上が盛んでレベルも高かったのです)
球技でもリーダーになることが多く、中心的な存在でした(ちょっと、自慢(^^))
だから、中学までは、毎日野球に明け暮れて。朝、誰よりも早く、校庭に行って、ひとりで練習をしたり、数人で夜遅くまで秘密の練習をしたりしていました^^
そんな姿を見て、クラスメイトにも「高校に行ったら、絶対に甲子園行きなよ」「タッちゃんみたいになってね(漫画のタッチの主人公)」と応援してもらい(笑)
私も実力不足は認めながらも、甲子園に行けたらいいなと本気で思っていたのです。
そして、春になり、野球部に入りました。
私が入学した高校は、私が中学3年生の時、千葉県でベスト4に入った強豪校で。県立高校だったのですが、当時は野球に力を入れていました。
近隣の有力選手が集まってきて、本当に甲子園を目指そうという雰囲気が漂っていました。
●いきなり、辞めた
ただ、私は入部して3日で野球部を辞めてしまいました。
理由は正直なところ、ちょっと、遊びたかったんですよね(><)
入部したその日から、22時過ぎまで練習をして。私が通っていた高校は市内でも田舎の地域にあったので、真っ暗なのです。
だから、気持ちが暗くなってしまい、「こんなの3年間も無理、もっと明るい街で過ごしたい」って(笑)
それでも、数日は続けたのですが、やっぱり気持ちが晴れなくて(><)
そして、辞めようという気持ちが決定的になったのは、3日目の練習後、部員の友人3人との帰宅途中、みんなで話していたら、パタッと、ひとりの声も存在も消えてしまったのです。
その時は、びっくりして神隠しにでもあったのかなと怖かったのですが...
何のことはない、あまりにも暗すぎて、田んぼの中に落ちてしまったのです(笑)彼は泥だらけで...
その光景を見たときに、私の心がプツンと切れて、「やっぱり、辞めるわ」って。私の良いところは何にでも、粘り強く、耐えて頑張るところだったのですが、その時は、本当にあっさりと辞めてしまいました。
●同じ夢を何十回も...
それから、数ヶ月が経ち、半年が経ち、1年が経ち。
それでも、チームメートが時々、「また、戻って来いよ」と声をかけてくれました。
彼らは本気で甲子園を目指し、真っ黒に日焼けをして精悍な顔立ちになって。一方の私は、毎日バイトもせず、ただ、ボーっと過ごして。
彼らは高3の春、千葉県大会でベスト4になり、複数の選手がドラフトの候補に挙がるくらいの強豪校になっていました。
ただ、Aシードで迎えた夏の大会は健闘虚しく、甲子園には手が届かなかったのです。
そして、私が退部してから、2年半の月日が経った高校3年生の8月20日過ぎ。私と同級生の球児たちが甲子園で決勝を戦い、ゲームセットを迎えました。
その時になって、「もう、僕は高校野球はできないのだな」って。もの凄く、後悔したのです。
「やっぱり、やっておけば良かったな」って
「どうして、チャレンジしなかったのだろう?」って
それから、何十回と同じ夢を見ました。
それは、「チームメートが、また(野球部に)戻って来いよ。一緒にやろうと誘ってくれる」夢です。
あれから、何度も何度も見ました。
そして、我に返って布団の中からハッと起きて...
ずっと、ずっと、後悔していたのです。
心残りだったのです。
●新たなチャレンジ
ただ、私は、高3の夏の甲子園大会決勝の日から、もう一度、体を動き出し始めました。
それは、野球ではなく、ジョギングだったのですが、すぐに成果が出て、数か月後の全校マラソン大会ではクラスで2番になれるくらいまで、運動能力が回復していました。
そして、その年にソフトボール大会があって。私のクラスは野球部の主力選手がたくさんいたのですが、練習中の私のプレーを見て、その野球部のメンバーから「土肥君のところに飛べば、エラーがないから、安心だよな」って言ってもらえ、私は1番バッターで出場したのですが、運も良かったのか、満塁ホームランを打ったのです。
その時にクラスみんなが喜んでくれて、野球部のメンバーにも「やっぱり、一緒に野球、やりたかったな」って。
今でも、あの時の感触、ボールがバットに当たった時の衝撃(感覚)を覚えています。
でも、私にとって、それはほろ苦い思い出で。
本当は、そんな思いを高校3年間で、もっともっと感じたかったのです。
でも、時(とき)は戻らないんですよね(><)
●今が青春
それからの私は、燃えられるものを見つけ、海外を彷徨ったり、いろいろなことをしました。
そして、やっと見つけたのが、カウンセラーとして生きることで。これなら、一生、情熱を捧げると思ったのです。
クライアントの方々が本気で私達、カウンセラーに思いを伝えてくれて、それに私達、カウンセラーが本気で応えて。
生きているなって、思えるのです。
今でも、時々、同じ夢を見ます。
「チームメートが、また戻って来いよ」って。
でも、今の私には戻る場所があります。
それは、カウンセリングの現場だったり、講演や講座の場だったり、セミナー会場であったり。共に情熱を捧げるカウンセラーの仲間や、ひたむきに変わろうとしているクライアントの方々、そのようなチームメートがいます。
高校野球を辞めてしまった。その後悔があるからこそ、あの時の悔しさがバネとなり、今を頑張れているのだと思います。
私にとっては、「今が青春」
これから、もっともっと、燃えていきたいと思っています。
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