~こころの癒しをもたらす不思議な魂のチカラ~
東日本大震災から6年経った今なお
語り継がれている一つの話があります。
それは、震災で亡くなった方の霊が現れては
各地での目撃情報があったというものです。
震災後すぐの頃は霊が現れるなんて不謹慎だと言われて
なかなか大っぴらにされることもなかったようですが、
数年前にはテレビでも取り上げられたり
現在ではインターネット上でも話題になったりしています。
亡くなった方の霊が現れるのかどうか本当のところはさておき、
復興にあたる地元の人にとってこの「心霊体験」は
心のわだかまりが解(ほど)けていく出来事でもあったようです。
一般的には、幽霊をみる体験は怖がられたり
タブー視されがちだったりするものです。
ところが、亡くなった方の霊の話は地元で語り継がれており、
霊でもいいから会いたい、魂は生きていることが感じられる、
などと言われて全く怖がることがなかったようなのです。
まるで、今も生きているかのごとく彷徨う霊の姿は
いつもと変わらない様子で地元の人に会いに来てくれたように
ごく自然と現れているのかもしれません。
ある日突然、失われてしまった命に対して
人は現実を受け止めることが難しくなってしまいます。
昨日までいつもと変わらず会っていた人がいなくなること。
数時間前まで話をしていた人がいなくなること。
今日まで暮らしていた自宅がなくなっていること。
なぜそうなってしまったのか・・・
納得できる理由はどこにも見つからず
本当に亡くなってしまったのかさえも信じることができません。
身近な人が亡くなってしまった事実を受け止めるのには
癒やしの時間を充分にとることが必要になります。
また、同じように身近な人を亡くしてしまった人同士で
その後の生活や時間を共有すること、
あるいは気持ちを分かち合う機会をもつことは
非常に重要なことであります。
避難生活や地域の復興にかける時間のなかで
霊をみた話が仲間との共通の話題となり
亡くなった方々とこころを通わせることで
生き残ってしまったという罪悪感が癒やされ
亡くなった方の魂とともにこの先
生きていく力をもらっているのかもしれません。
こころの癒やしをもたらす不思議なチカラは
これから先の復興にも多大なる恩恵を
もたらしてくれるかもしれませんね。
一日でも早く被災地の復興が進みますよう
応援しています。
私も一緒にがんばりますね!
仁和(庭野)智美のプロフィールへ>>>