○忙しさをつくり出す心理
私たちは、心の中の嫌な感情にふれることを避けるために、忙しさを、
つくり出すことが多くあります。
忙しさの目的は、物事を処理することであるはずが、実は、嫌な感情に、
ふれることを避けることが目的であったために、忙しくしていたけれど、
後で改めて考えると、何でこんなことに、力を注いでいたのだろう?
という気持ちになることがあるんです。
この手の忙しさのやっかいなところは、無意識的にそれを、
してしまうところです。そこで、忙しさをつくり出そうとしている自分に、
気づけるようになろうというのが、今回のエクササイズの目的です。
一般的なクセもそうですが、気づかずにやっている間は、直しようが、
ありませんが、気づいていれば、繰り返してしまっていても、いずれ、
直すことができるようになりますから、「気づく」ということはとても、
大切なのです。
では、一般的にこの嫌な感情とは、どんなものがあるかというと、
・私には価値がない
・私は悪い人間だ
・私は怠け者だ
・私はダメだ
これらの感情です。こうした感情や思い込みは、多くの方がもっている、
ものですが、これがあるとき、
・私には価値がある
・私は正しい人間だ
・私は勤勉だ
・私は優秀だ
という自分を証明しようと、躍起になり、忙しさをつくり出そうとします。
寂しい気持ちを感じてしまうのが嫌なので、スケジュールを過剰に、
詰め込んでしまった。
ただがむしゃらに一生懸命、仕事に、打ち込んだが、忙しいわりに、
成果が上がらない。得られるのは疲労感ばかりだ。
休日に、何もしないで部屋にいると、なんとなく、居心地が悪く、とにかく、
外出をするのだけど、さして用事もなく、帰宅すると疲れただけだった。
こんな例は、みなさん、心当たりがあるかもしれません。
○では、どうしたらよいのか
あなたの生活の中で、次の場面に実際に直面したとき、
・ネットを使い始めるとき、
・携帯メールを確認し始めるとき
・友達に電話をしようとするとき
・間食をしようとするとき
・アルコールを飲もうとするとき
・タバコに火をつけようとするとき
・テレビをつけるとき
・新聞を読み始めるとき
こう自分に問いかけてみてください。
「私は、本当に、それをやりたいと思っているだろうか?」
問い直して、イエスなら、続けて実行してよいですし、ノーだとしたら
そのまま、一息ついて、心をおちつけてから、
「本当にやりたいことは何か?」
と自分に問いかけて心の声に耳を傾けてみてください。
その後は、何か他のやりたいことが見つかればそれをしてOKですし、何も、
わからなければ、やろうとしていたことを続けて実行してもOKです。
先にもお伝えしましたが、自動的に反応して、無意識的に、忙しさを、
つくりだしている自分に、気づくことさえできれば、気づいた上で忙しさを、
繰り返してしまっても、いずれ、自分の意思で他の行動を選びなおすことが、
できるようになってきます。
注意点としては、深く考えすぎると、かえって心や体によくなかったり、
生活のペースを崩してしまう場合がありますから、完璧を求めすぎないよう
にしてください。
忙しい時期に入りますが、心と体の健康に気をつけて、乗り切って、
くださいね。
from 清水 三季央