私達は同じ心理的距離を保ち続けると安心したり、安定したりする一方で、
刺激が薄れるために関係性が滞るようになります。
マンネリや退屈、面倒臭さ、倦怠感など、ちょっと腰が重たい感じがするの
は、その証拠かもしれません。
そして、それは人に対してだけでなく、仕事や趣味などモノに対しても同じ
で、「つまらないなあ」「将来が見えないなあ」「このままは嫌だなあ」な
どという気持ち(=心のサイン)として、感じるものです。
もし、あなたがそんな滞った感覚から抜け出したかったり、あるいは新しい
刺激や新鮮味が欲しいと思ったら、ぜひ、試して欲しいエクササイズです。
距離感が滞っているということは、同じものを同じ距離、角度からずっと
見続けてる状態で、ちょうど毎日代わり映えしない風景を同じ窓から見続ける
ようなものです。
ですから、それが当たり前になってしまい、そのものに対してほとんど感情が
動かなくなるんですね。
(楽しくもないけど不安でもないし、まあ、こんなものかな、などと思って
いる)
ですから、改めてその関係性に意識を向けるのは実はとても勇気がいること
で、あまり気乗りがしないものかもしれません。
でも、そういう状態が続くと、その麻痺した感覚はどんどん心を浸食し、
やがては何に対しても何も感じない(=人生に退屈してしまっている)状態を
作り出します。
もし、あなたがここまで読んでこられて、もしそういう関係性にある人やモ
ノを思いついたら、それをメモするなり、頭にしっかりと思い浮かべるなり
して、意識を向けてみましょう。
面倒な感じや重たい感覚がするとすれば、それはとてもいい対象を見つけたと
言う証拠かもしれません。
(今回はその対象が「人」として話を進めさせていただきます。仕事や家な
どのモノが対象の場合は適宜読み替えてくださいね)
では、その人に対して、言えてない「ありがとう」あるいは「ごめんなさい」
を探してみてください。
「○○してくれてありがとう」
「○○でごめんなさい」
どちらでも構いませんが、できればそれぞれ10個ずつ、あるいは片方を20
個くらい探すつもりの方がいいでしょう。
滞ってしまうくらいの関係性ですから、きっと長い付き合い、深い付き合いが
ある相手のはず。
本当ならば10個や20個では足りないくらいの「ありがとう」「ごめんなさ
い」があると思うんです。
そして、それを探すときにすごく重たい感じがしたり、怒りがでてきたり、
寂しさや悲しみ、色んな感情が出てくるようになったら、それはとても上手に
エクササイズが進んでいる証拠です。
滞った関係性が動き始めるとき、そんなネガティブな感情が出てくることが
とても多いんですね。
そのままで大丈夫ですから、他に感謝すること、謝罪することがないか?、
探し続けてみましょう。
もちろん、深い愛情や信頼など温かい気持ちが溢れてきて、爽やかな解放感に
心が満たされることもあります。
そうなると最高ですね。
もし、周りに人がいない状況だとしたら、実際小さい声にでも出して言ってみ
るとさらに効果はアップします。
また手紙のように表現することで、より深く心に染み入ってくるかもしれませ
ん。
本人に直接伝えられなくても、こうして自分の内面で向き合ってみるだけで、
心は動き始めますから、自然とその人に対するイメージや感覚・感情が変化
し、やがては関係性を変えていくこともできるようになります。
(例えば、もう諦めかけていたパートナーとの信頼関係を作り変えたり、
辞めようと思っていた仕事にもう一度情熱を感じたり、ケンカ別れした友達と
もう一度会ってみようと思えたり)。
なかなか自身の感情と向き合うには勇気が要りますが、退屈や倦怠感から
抜け出すアプローチとして、ぜひご活用下さい!
from 根本 裕幸