私たちの意識は問題が起きて不安になればなるほど「今」を離れ、「未来」と「過去」に飛んでしまいます。その結果、ふわふわと浮いたような状態になって状況や感情に振り回されるのです。
今できることを探して実践していくとその不安な感情は知らないうちに去っています。私がたくさん宿題を出すのもそのためなのです。
(3)今できることをする
私たちの意識はよく「過去」と「未来」を行き来しており、「今、ここ」にいないことが良くあるのです。
そういう時は地に足が着かずにふわふわしている状態で、感情に振り回されやすく、自分を見失いやすくなります。
自分を見失う、ということは心との繋がりが切れてしまっている状態です。
その時点で何かを選択しても、行動しても、心と繋がっていませんから、やがては後悔する確率が高くなるんですね。
そういう状況において「今できること」に意識を向けることは、「今」に意識を戻してくれると同時に、地に足を着けてくれるのです。
「今できること」ってそんな特別なことではありません。
以前、こんな話を聞いたことがあります。ある高校野球のメンタルコーチを務めてる方がおっしゃってたんですね。
「ピンチになったら不安で自分を見失うから、あらかじめ『今できること』を決めておこう」と。
ある選手は「大声を出してみんなを励ます」、またある選手は「帽子を取って空を仰ぐ」、またある選手は「ピッチャーのところに駆け寄って声をかける」と。
そうすることでピンチになっても自分を見失わずに済むようになるそうです。
私も不安や怖れが強い状況で「今の気持ちをノートに書き出す」とか「とりあえず席を離れてトイレに行って鏡を見る」などの提案をすることがあります。
これらもまた「今できること」なんです。
もちろん、問題に向けても今できることっていっぱいあります。
よく「お手紙を書く」宿題を出すんですね。それは私にとっては「今の自分、今の気持ちと向き合うレッスン」として意味付けています。
実際その手紙を出さなくても、例えばパートナーに、上司に、取引先に、両親に手紙を書く時間を作ることでその思いから脱することができると思うのです。
問題を解決する上でもできることっていっぱいあります。
カウンセリングやセミナーを受けて自分を見つめる、癒す、成長させる、というのももちろんその一つ!(笑)
問題が起きたことがきっかけで友達や家族との仲がより深まった方もたくさんいます。今まで自分の悩みを話したことがない人ならば、一気に周りとの親密感が高まることだって珍しくありません。
悩むことだって、解決方法を試行錯誤することだって今できることです。
私も時に「人生の大きな分岐点ですよね。胃に穴が開くくらい悩んでもいいんですよ」なんてアドバイスすることもあります。
でも、そうして「今」に向き合い続けていくと、必ず今ある苦しい状況からは抜け出せます。
正確には苦しいという「心境」から抜け出すことができるんです。
状況は変わらない、あるいはもっと悪くなっていくように感じる、しかし、気持ちは平穏で、堂々としていて、そして、『なんとかなるんじゃないか?』って希望まで持てている・・・そんな状態になれるんですね。
そう、「自信」が付いているのです。
きっと自分は何とかできるだろう・・・
何が起きても自分は大丈夫・・・
そんな状態になれるんです。
私のカウンセリングを受けて下さってる方はいつも出される大量の宿題に面食らうことも多いと思いますが、実は次に会うまでの「今できることリスト」が宿題なんです。
今の不安を乗り越えるために、自分を見失わないためのものなんですね。
今、と向き合い続けるだけなんです。
Q1.今の気持ち、今の感情を感じて見ます。どんな感情が出てきてもOK。ただ、それを感じ続けてみましょう。いい気分になるまで止めないでくださいね。
Q2.今の問題を解決するために今の自分ができることを100個以上探してみましょう。どんなことでも構いません!100個という数字にこだわってみましょう。