なぜかいつも怒っている。そんな人が時々います。そんなに腹を立てるようなことじゃないでしょ?と思うことや、まったく理解できない理由で怒っている人を見るともしかしてただ怒りたいだけなんじゃないか?とさえ思ってしまいます。
また、怒りというのは私たちが感じる感情の中でもとりわけ強いエネルギー。しかもそれは放射線状にあたり一面に広がる特性があって、直接ぶつけられてはいなくても、周りにいるだけ、人伝いに聞くだけで負のエネルギーを感じてしまいます。
もしも今、あなたの職場に理不尽な怒りをまき散らす上司や同僚がいたら?怒りのエネルギーに私たちのハートは徐々にすり減って、正直仕事どころではなくなってしまうかも。
私たちの心は、私たちが思っている以上に周りの人たちからの影響を受けているのです。傷つきやすく繊細なハートを持ちながら、多くの人たちとの関わり合いのなかで生きている私たち。理不尽な怒りの感情からハート守るにはどうすればいいのでしょうか?
◎リクエストを頂きました◎
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職場の同僚についての相談です。
自分が直接言われたわけではないので、詳しいことはわかりませんが、朝、職場で「おはようございます。」と言う時に笑顔を添えただけで、「女を出すな!」と怒鳴る年配の男性社員がいます。
言われたのは女性社員(既婚者)で、普通に社会人としての礼儀の範囲内の笑顔しかしていないそうです。仕事中、その人に笑顔を出さないようにと気を使うため、とても疲れるそうです。
嫌われる理由も原因もわからないそうです。私は彼女に、あなたは悪くないよ。男性社員が悪いんだよ。というのが精一杯でした。でも、そんな言葉がけをしても、現状はかわらないし。
何をどう言ってあげたら、よりよかったのかと疑問に思います。彼女が一発で気分が晴れる魔法の言葉はないでしょうか?(※一部編集させていただきました)
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笑顔を見せるなと怒る男性の心理
笑顔で挨拶をすると怒る同僚。いかにも理不尽で困りものな様子が浮かびあがってきますが、そんな態度をとってしまう男性にはどんな心理が働いているのでしょう?
いくつか理由が考えられます。
まず、「笑うこと」を職場に似つかわしくないものと考える心理傾向。
こういうタイプの男性は、厳格で真面目。仕事はできるけどややユーモアに欠け、批評家的な態度を取りやすい傾向もあるようです。
オリンピックやスポーツ観戦をしながら、「負けて笑うんじゃない!」なんてテレビに向かって怒っている人に近い心理かもしれません。
それから、向けられた笑顔をネガティブでマイナスなものと捉えているケース。
普通、笑顔といえば好意的な感情を表すものです。ところが劣等感やコンプレックスを通して見る場合、そんな笑顔も自分への攻撃のように感じられることもあるのです。
ご相談のケースは、どちらかといえばこちらに近いのかもしれません。
同僚の女性に「女を出すな」と怒る男性は、向けられた「笑顔」に「女」を感じているわけですが、問題は女を感じることで何故、彼は怒るのか?ということです。
そこには未知なるものを怖れる心理が隠れているのかもしれません。
未知なるものを怖れる心理
予期せぬ危険から身を守るため私たちにプログラムされているのが未知なるものを怖れるという感情です。
怖いという感情があるから私たちは、無闇に危険を侵すことなく生きながらえることができたのです。
「未知なるもの」を警戒するのは、それが安全なものか危険なものか経験を通して判断することができないから。
そして、私たち男性にとって異性である女性というのは、どこか神秘的で不可思議な存在、「未知なる存在」ともいえます。
とりわけ、女性らしい豊かな感情表現というのは馴染みのないもので、「女の涙に弱い」と感じる男性が多いのはそれをどう受け止めていいのか分からないからです。
「女を出すな!」と理不尽な怒りをぶつけてくる背景には、そういった女性的な感情エネルギーを警戒する男性特有の心理が隠れているのかもしれません。
怒りは戸惑いや不安を覆い隠してくれる強いエネルギーですから、怒っている間は戸惑いや不安、未知なるものへの怖れを隠すことができる、というわけです。また、適度な怒りには警戒すべき相手を遠ざける効果もあるので、不要な衝突を避けることもできます。
「何で怒ってるの?」
女性から見てちょっと近づきにくいと感じるタイプの男性というのは、本当は怒っているのではなく、女性とのコミュニケーションがただ苦手なだけなのかも知れません。
理不尽な怒りからハートを守る
威圧的で怒りっぽい。そんな態度の背景にたとえどんな心理が隠れていようと、笑顔で挨拶するだけで理不尽に怒られるのはたまったものではありません。
対人関係のストレスは、個人間の問題だけでなく仕事に向き合うモチベーションにまで影響するので早めに手を打っておきたいところ。そんな時、大切なのは近づきすぎず離れない、適度な距離感を保つことです。
ポイントは「理不尽な態度を取るのは彼の問題で、私の問題ではない」と、一線を引いて考えること。
ところが気遣いのできる優しい人ほど、そうしたそんな適度な距離感を保つのが苦手。理不尽な怒りを正面から受け止めて、自分が悪いように感じてしまう。
でもそれは間違いです。
無闇に怒りをぶつけられる、ネガティブな感情の標的にされる、そんな時には、自分と相手との間に見えない透明な盾をイメージします。
「バ~リア」
子供の頃によくやった、アレです。
人との関わり合いの中で生きる私たちは、たとえそれが嫌な相手、苦手な相手であっても関係を絶ってしまうわけにはいきません。それが職場の同僚であればなおのこと。だからといって、すべての人と等しく同じような態度で向き合う必要はないのです。
苦手な人との間には線を引くし、バリアも張る。それで健やかに毎日をすごせるなら問題なんてありません。
幸せな人生を生きるためには、心のゆとりは欠かすことができません。
繊細なハートを対人関係のストレスから守ることで、気持ちに余裕が生まれるなら、たとえそれが子供じみたおまじないであっても試してみる価値がある。
ネガティブな感情からハートを守る「見えない盾」。是非、試してみてください。
(完)