彼に一人になる時間を与えてあげるほど、あなたは彼を愛していますか?
こんにちは 平です。
子育てに関するご相談をいただいたとき、よくお話しすることに、「子どもが小さいときはたくさん愛してあげるべきだけれども、思春期になったら上手に手放してあげなければいけない」ということがあります。
子どもが小さいときは、親のほうからできるだけ子どもに近づき、愛してあげる必要があります。
子どもたちもだっこを求めてくるなど、いつもパパやママにまとわりついてきますよね。
ところが、自立が進み、小学校の高学年から中学生ぐらいの年齢になると、子どもたちは大人になるために親から離れていきます。心理学では“パーソナル・スペース”と呼ぶのですが、このぐらいの時期から、子どもたちはだれにも犯されない自分の領域をもちたがります。自分の部屋を欲しがったり、パパやママには秘密の内緒ごとをもったりすることもどんどん増えてきます。
そのとき、親はできるだけ上手に手放してやることで、子どもの自立をサポートできるのです。
恋愛も同じです。恋愛初期の二人はラブラブで、いつもくっついていていたいものですよね。実際、ロマンスの時代には、ロマンスを楽しむことがとても大事です。
しかし、この恋愛初期、私たちは心のどこかに「嫌われてしまったらどうしよう」という恐れをもっています。その恐れを回避するかように、いつも愛の確認作業をすることが必要となるのです。
そのため、この時代は、嫌われたり、ふられたりしないように、相手にとても気を使いますし、文句を言っているようにとられないようにしながら、どう自分をアピールしていくかということがとても大事になってくるのです。
しかし、二人の関係性が深まるにつれて、ケンカをしたり、文句を言ったりできるような次のステージがやってきます。一見、ラブラブではなくなったように見えるのですが、恐くてケンカできなかった恋愛初期とは違い、「少々のケンカぐらいでは二人の絆が切れることがない」という安心感があるため、ようやく不満や自己表現ができるようになってくるのです。
子どもに対し、親はムキになり、平気で怒ったりします。その一方で、親たちは大人たちの世界では、たぶん、みなさんもそうでしょうが、できるだけ人にいやがられないように、できるだけ人に迷惑をかけないようにと気を使いながら、自分を殺して生きています。
では、なぜ、子どもには、ふだん人には見せないようないやな自分を平気で見せられるのかというと、「どれだけ怒っても、この子は私を嫌いになるはずがない」と、心のどこかでわが子の愛情を感じているからです。
昔、私は新婚旅行から帰ってきたときに、先輩であるセラピストの夫婦にごあいさつの電話をしました。そのとき、奥さまが「いいわねぇ、新婚さんは、うちなんか、今朝、ケンカして、だんなさんにコーヒーぶっかけちゃったわよ」とおっしゃって、私はとてもうらやましく感じたものです。「この夫婦はそんなケンカができるぐらい絆が強いんだなぁ」と。
その当時の私は、そんなケンカはできませんでした。もし、そんなことをしたら、奥さまが必ず実家に帰ってしまうという自信があったからです。
先輩夫婦のその強い絆がうらやましかったのです。
“籠の鳥”という表現がありますが、みなさんは鳥を飼うときは必ず、鳥かごに鳥を入れられることでしょう。それはなぜかというと、鳥が逃げてしまうと思うからですよね。
でも、もし、鳥かごから出しても、夜になると必ずわが家に帰ってくる鳥がいたとしたら、それは「あなたが鳥に選ばれた」、「あなたは鳥に愛されている」ということになりますよね。
そうしたら、だれもそんな鳥を鳥かごに入れようとは思いません。
恋愛の場合も、愛されているという自信がないと、私たちは彼や彼女を鳥かごに入れるようにしてしまいがちです。そのような状態で、パートナーがあなたに忠誠を誓ってくれたとしても、あなたはパートナーに愛されているとは感じられないでしょう。
ただ、そうするしかないから、そうしているんだろう、と思ってしまうでしょう。
あなたがパートナーを自由にしたときに、そのパートナーがあなたを選び続けてくれてはじめて、あなたは選ばれたと感じられますし、愛されていると感じることができます。
「彼に一人になる時間を与えてあげるほど、あなたは彼を愛していますか?」
もちろん、ずっと彼を一人にしなさいと言っているわけではありません。あなたの時間や彼の時間、そういう時間が二人にあるだけ、一緒にいる時間がとても楽しく、貴いものになるのです。
さて、お読み頂いている「恋愛心理学」で扱っているパートナーシップの秘訣や心の力学は、耳で聞いて頂くことも可能です。
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では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!