カウンセリングでお母さんとの関係を振り返って話してくださるクライアントさんから、「今思えばお母さんがある時期から怒りっぽくなったのは更年期障害だったんじゃないかなぁと思うんですよね・・・そう思うとお母さんへのわだかまりもちょっと楽な視点で見られるかも」というようなお話をしてくださることがあります。
全ての方にあてはまることではありませんが、その視点で過去を振り返ることで過去をちょっと楽な視点でみるきっかけになれることがあります。
更年期障害という視点でお母さんとの関係を見なおしてみる
カウンセリングをしているとクライアントさんが「カウンセリングを受けてお母さんへの怒りや、悲しみをはき出すことができて感情のおりがとれて冷静に過去を見直せる今だからこそ思えることなんですけど、今思えばお母さんがある時期から怒りっぽくなったのは更年期障害だったんじゃないかなぁと思うんですよね・・・そう思うとお母さんへのわだかまりもちょっと楽な視点で見られるかも」というようなお話をされることがあります。
お父さんとの関係についてのお話をお聞きする時にクライアントさんから更年期という視点でお父さんのことを理解するお話はお聞きしたことはないのですが、お母さんとのお話をお聞きする時はこのような視点のお話を時々お聞きするんですよね。(男性にも更年期障害はあるらしいですが)
それだけ女性には身近な言葉なのかも知れませんね。
全ての方にあてはまることではありませんが『更年期障害の影響で当時のお母さんはあんな風だったかも』という視点は冒頭のクライアントさんのように過去をちょっと楽な視点でみるきっかけになるかもしれません。
40代を超えると特に女性は身近な言葉として聞く更年期障害という言葉。
ホルモンの減少によりイライラ、憂鬱、不安、不眠、ほてりと様々な症状がでると聞きます。
大人になりある年齢になると身近になってくる更年期という言葉を耳にしますが若かりし頃はまだ縁遠いこととして意識しないものかと思います。
ましてや子ども時代はかなり縁遠いものです。更年期障害とは何かということを知らない子どもは多いのではないのでしょうか?
そういう更年期障害というものがあることを知らない頃に、ある時期をさかいに更年期障害の影響で優しかったお母さんが自分に対して怒ることが増えたり、話しかけたことに関しての反応や興味を示すことが薄くなってしまったことが起こると、その起こったこといる現象はお母さんが自分を好きじゃないからなのだと解釈してしまうことがあります。
当時その知識がなかったばかりにそういう解釈にいたってしまうことがあるわけです。
『お母さんが私にあたるのはホルモンのせいなんだ』『お母さんが私の話に興味を示さないのは更年期障害で憂鬱感が強くなっている時期だからなんだ』という視点が無い為に『お母さんが私にあたるのは私のことを嫌いだからだ』『お母さんが私の話に興味を示さないのは私に興味がないからだ』と解釈してしまい心を大きく痛めてしまいます。
当時更年期障害のせいだからだという視点を持てていたら心を痛めなかったか?というとそうではないかもしれません。
お母さんが最近怒るのは更年期障害だからと理解していてもイライラされることに嫌な思いをしたり、そんなお母さんに腹がたったりすることはあると思います。
お母さんが私の話に興味を示さないのは更年期障害で憂鬱感が強くなっている時期だからだと理解していても興味を示さないことに悲しい思いをすることはあると思います。
理解できていてもイライラされるのはやはりつらいし、興味をしめされないのもやはりつらいです。
心が痛むことはあると思います。
しかしホルモンのせいでこうなっているのね・・・という視点が無かったばかりに『私のことを嫌いなんだ』とか『私に興味がないからだ』という誤解が生じそれが真実のように思ってしまうと心をより痛めてしまいます。
その解釈によって自分は愛される価値がない人間なんだという誤解まで作られる方もいます。
それはとても悲しいことです。
この話を書いているのは、更年期障害が起こっていたからお母さんがあなたにしたことは仕方が無いことだと言いたい訳ではありません。
ホルモンのせいだからお母さんを許してあげましょうとお勧めしたいわけではありません。
そういう視点がなかったばかりにもしあなたが心を“より”痛めていたとしたら、とても悲しく思うのです。
イライラされてつらかったことは事実、興味をしめされなかったことでつらかったことも事実、しかしあなたのことを嫌いであり興味がなかったわけではないのかもしれません。
もしこの話が冒頭のクライアントさんのように、今まで見てこなかった視点で見ることでちょっと違う気持ちになれたり、心の傷がやわらぐきっかけになれば幸いです。