自分嫌いを直したいと思っているのにうまくいかない理由の一つ。それは「嫌いでいることのメリット」があるから。意外に思われるかもしれませんが、私たちは復讐心、罪悪感、防衛、調和、抑圧といった目的で自分嫌いでいることをどこかで“正当化”しているのかもしれません。
そのことに気付くと一つブロックが外れます。さて、自分を振り返って、どんな理由があるのか、ちょっと痛いところを見て行きます。
さて、自分嫌いを直すためには、どうしても避けて通れない話題があります。
それはちょっと意外に感じるんだけど重要なこと。
「あなたが自分のことが嫌いで得られるメリットって何でしょう?」
心理学では起きてることはすべて必然であり、自分が嫌い、というのも自ら望んで作り出しているものと考えます。
自分のことが嫌いなのは、それなりのメリットがあるからなんです。
1.自分を嫌うことで自分を愛する人に復讐をしている。
2.自分に罰を与えている(罪悪感)。
3.自分がこれ以上傷つかないように守っている(防衛)。
4.周りから浮かなくて済む。(調和)
5.今の苦しい環境を我慢することができる。(抑圧)
ちょっと意外に感じられるかもしれません。
一つずつ簡単に説明してみたいと思います。
1についてはピンと来にくいかもしれませんね。
あなたが自分のことを嫌うことを、あなたを愛する人が知ったら辛いですよね?
例えば、あなたのパートナーから見れば、あなたが自分を嫌って責めているのはとても苦しいことです。好きな人が自分自身を傷つけているわけですから。
しかし、そのパートナーに対して、あなたが怒りがあり、復讐心があるとすれば、自分を傷つけることで、その目的を果たしているのです。
実際はこの「あなたを愛する人」というのは、両親を筆頭とした身近な家族のことを指すことが多いでしょう。
「あなたたちがちゃんと私を愛してくれなかったから、私は自分のことが嫌いで、今も自分を責め続けている」と両親にアピールしているようなものなのです。
2については逆のパターンで、愛する人を傷つけてしまった、という罪悪感から自分を嫌っているのです。
これは理解しやすいですね。
自分はそれだけひどいことをしたんだ、と自分を責め続けたいわけですから、自分を好きになるなんてもってのほかなんです。
そんな資格はない、と感じるでしょう。
自分を許すこと、がテーマになります。
3については、そもそも自己嫌悪の一つの目的はこんな心理があります。
「皆さん、私のことは私が十分嫌って責めていますから、どうか、皆さん、私を責めないでください。」
周りから責められないように、自分で自分を責めているイメージです。
これも理解しやすい一つではないでしょうか?
4については、日本人の習慣と言うのですが、あなたの周りの人もやはり自分のことが嫌いで、それを真似た、という背景があります。
自分のことを嫌いな人たちの中にいて、自分も自分のことを嫌いになれば周りから浮かずに済みます。
一緒に悪口も言えるし、一人ぼっちにはなりません。
こうした理由からも私たちは自分をきらっているんです。
5については実際、ピンと来る方も多いのでは?
「自分はこんなにひどい人なんだから、こういう目に合うのは当然」と今の苦境を自己嫌悪をその理由として受け止めようとするイメージです。
本当はそんなことないんですけど、それだけ今が辛い状況にあるのかもしれませんね。
皆さんが抱える「自分を嫌いな理由とそのメリット」。
他にもあるかもしれませんが、たいていはこの5つに集約されるかな、と思います。
今まで自分嫌いを直そうとあれこれ頑張って来たんだけどうまくいかなかったとすると、案外、こうしたマイナスの理由が足を引っ張っていたのかもしれません。
そうした理由を見つめて行くことで、また一つブロックが外れ、自分のことが好きになりやすくなるでしょう。
さて、次回はいよいよ、自分嫌いを直すための方法について具体的に紹介させて頂きます。