他の人を好きになってしまうワケ~理由探しからの脱却、ただただ氣持ちを肯定する~

私たちは心理学に親しめば親しむほど、何か問題が起こったとき、【理由探し】をするという罠・ループにハマりやすくなります。実は、【理由探し】自体は、私たちの人生にとって、さほど重要ではなく、その先が大切だというお話をさせて頂きます。

また、私たちは、日常的にいろんな場面で、自分を否定することに慣れすぎているきらいがあります。日本には“謙遜”という、自己否定の要素を多分に含んだ文化がありますが、自己否定してイイことはありません。

今回は恋愛を例えに、“自己肯定する”とはどういうことなのか、説明させて頂きます。私たちが幸せな人生・豊かな人生を生きるためには、恋愛以外の人間関係・仕事・自己実現・夢の成就などなど、人生のあらゆるジャンル・場面において、“どんな自分にもOKを出していくこと(自己肯定)”が重要な鍵となってきます。自分にOKを出すということは、どんな自分も認め、どんな自分もゆるしていくということです。

◎リクエストを頂きました◎
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いつも勉強させていただいてます。
恋愛についてリクエストさせてください。

私は、男性に少しでも優しくされたりすると、
『この人のこと好きなのかな?』って すぐに思ってしまいます。
かっこいい男性じゃなくても、話してて なんとなく楽しいと、
付き合ってみたくなってしまいます。

結婚してからも同じような感情にすぐになってしまうので、困っています。
夫のことは大好きなのですが、
優しくされると 他の人とも関係を持ちたくなってしまうのです。

こういうのには 何か理由があるのでしょうか?
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リクエストありがとうございます。

最初に、私がなぜ、今回このリクエストを選ばせて頂いたのか、その理由や想いを書きます。

私たちの多くは、心理学を学べば学ぶほど、「何か理由があるのでしょうか?」というところにハマりやすくなります。
ところが、多くの問題において、【理由探し】は、あまり重要ではありません。理由が分かったからといって、それだけでは、“問題が解決するわけでも、現状がいいふうに変わるわけでもない”からです。

たとえば今回のリクエスト、
「好きになってしまう」「付き合ってみたくなる」「関係を持ちたくなってしまう」、その理由を知って、だからどうだというのでしょうか。
理由は、あらゆる角度から見出せますし、誤解を怖れずに書かせて頂くと、理由なんていくらでも“生み出す”ことができます。本当に重要なのは、理由を知ったその先、『どうしたいか』なのです。

たとえば仮に、今回のリクエストをくださった方が、夫以外の男性とも関係を持ちたくなってしまうのを止めたい、と思ってらっしゃるとします。そのために今回リクエストくださったとすると、ここでは“質問そのものを変える”ことが必要で、重要なポイントになってきます。
『優しくされると、他の人とも関係を持ちたくなってしまうのですが、それをやめたいと思っています。私の何

が問題で、何から取り組んでいったらいいのでしょうか?』と。
今回のリクエストでは、“あなたはどうしたいのか”、ということが抜け落ちているのです。

純粋に学問的な根拠を知りたいだけ、知識欲を満たしたいだけなら今回のリクエストのような質問で問題ないのですが、私は、心理学は【私たちの人生をよりよくするため】にあり、【よりよく生きるためにある】と考えています。
理由を探し、知っただけでは、そのどちらにも繋がっていかないため、あえて最初にこういったことを書かせて頂きました。

以上を踏まえまして、

あなたは、“そんなこと感じてはいけない”と思っていませんか?

そもそも、人を好きになったり、関係を持ちたくなってしまったり、相手にそれほどの魅力を感じることに関して、理由なんてなくていいですし、理論・理屈だけでその氣持ちを止めることは、とても難しいことです。表面上は止めたようでも、それは抑圧しているだけ、ということがほとんどです。

あなたは、“これ好き!”と感じるとき、すぐに明確な理由など浮かびますか?
たとえば、子どもたちが大好きなアンパンマン。それが好きな理由を聞いても、年齢の小さい子ほど、「すきー!」としか、言いません(明確な理由など言いませんし、大人もそれ以上聴こうとは、あまりしないでしょう)。

どうして私たちは、いつからか、“好きになるにも理由が必要”と感じるようになってしまったのでしょうか。

『ただただ、好き。』

「すき」という氣持ちに、素直になりましょう。
「すき」という氣持ち自体に、“良いも悪いもない”のですから。

たとえば、今回のリクエストくださった方は、優しくされると好きになりやすいし、付き合ってみたくなる、関係を持ちたくなってしまうという性質をお持ちです。実はここまでなら、何も問題はありません。
実際に付き合ってしまったり、関係を持ってしまったら、「浮気」や「不倫」という問題が、一時的に生じる可能性はありますが。

想うことに関して、私たちは自由です。

それを「禁止」する=“想ってはならない”と氣持ちを抑えてしまうと、それは実は、問題解決には【逆効果】なのです。
なぜなら私たちは、禁止を破りたくなる生き物であり、禁止を冒したくなる生き物だからです。

今回の例でいえば、“そんなことを感じてはいけない”と思えば思うほど、そう感じる氣持ちを抑えられなくなるでしょう。
でしたらもう、そういう氣持ちを持っていることを、ハナから認めてしまいましょう。ゆるしてしまいましょう。すると不思議と氣持ちが楽になり、落ち着き、実際の行動に移す可能性もなくなっていきます。

他の男性との間に感じる「それ」を、パートナーとの間で再現する。

今回のリクエストでいえば、
あなたは、その男性からもらった優しさを、今のパートナーからもらうことを諦めていませんか?
他の男性と話してて感じる楽しさを、今のパートナーとの間で再現することは、なんとなく無理…だと感じていませんか?

関係を持ちたくなってしまうような他の男性との間に流れる雰囲気(ムード)や親密感、ドキドキ感などを、『今のパートナーと創る(今のパートナーとの間で再現する)』ことに注力してみましょう。

実は、他の男性に感じる魅力(優しさ、楽しませてくれる感じなど)は、“それがあなたとパートナーとの間にあると、ふたりの関係がもっと豊かに、親密になれますよ♪”というサインなのです。

(完)

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