結婚前に話し合って起きたいこと~お互いの家族のことについて~

なかなか話し辛いテーマの最後は「家族」との付き合いについて。結婚することで二人だけでなくお互いの家族を含めた関係になるんですね。そうすると結婚式をどうするか?から始まり、同居/別居、将来の介護など、ちょっと結婚前には気が重たくなるようなテーマが出てくることもあります。

お互いの家族のことについて

「結婚って二人だけのものじゃないんだ」と強く感じるのは結婚話が浮上してからではないでしょうか。
恋愛のときは2人の世界。周りの友達が絡むことはあったとしても、なかなか「親」というのはまだ遠いところにあるものです。
もちろん、友達みたいに仲がいい親の場合は別ですけれど。

それが結婚を意識するようになれば、たいていはまず「親への挨拶」を考えますよね。
誰もが初めて親御さんと顔を合わせるときは緊張するもので、できるだけ気に入られたいですし、交際や結婚に反対されることは避けたいものです。

しかし、そこで嫌な反応を返されたり、明らかに「自分と合わないタイプ」の親だとしたら、先々のことが思いやられます。

結婚に関してもそれぞれの親の考え方が出てきます。

きちんと結納を上げることを望む家もあれば、「もう二人のものだから好きにしなさい」と任せてくれる親もいます。

意見が食い違ったらどう解決していくのか?結婚した後も続く関係ですから無下にはできないし・・・実はこのジャンルでのご相談もとてもよく頂きます。

2人でよく相談して、2人がどうしたいのか?をはっきりさせること。
それを元に両親に説明していくことを大抵の場合はお勧めします。

もし、そこに家族・親族、あるいは式場の担当の方など協力してくれる方がいれば、積極的にお願いしていきます。
そうして、結婚式をどうするのか?を二人で話し合い、乗り越えて行くこともまた二人の絆を深めますし、同時に新しい親との絆を深めるきっかけになります。

結婚後もお互いの親とどう付き合っていくのかも自分一人の問題ではないですよね。二人の問題として考える必要があります。

「彼が親に会いたくないからと年始の挨拶もしていなかったら、どうやらお義母さんが『嫁が実家に行かせないようにしている』とご近所さんに触れ回っていたみたい。ええっ???って目が点になったわ」

という話を聞いたことがあります。
自分の息子を悪く言いたくないお義母さんが“嫁が悪い”と思い込んだのかもしれません。
距離が空いているから問題ないと思えたらそれでいいのかもしれませんが、今後の付き合いを考えるとちょっと悩んでしまいますよね。

このケースでは義理のお姉さんの協力を得て、お義母さんの誤解を解くことができ、仲良くとまでは行かないまでもそれなりにいい関係を築いていけました。

皆さんはどんな関係をお互いの両親と築いていきたいでしょうか。
実家との付き合いはできるだけ避けたいと思っているのか、それともやはり礼儀だから形式だけでも盆暮れの付け届けや賀状、年始の挨拶くらいはしておきたいのか、それともやはり新しい家族として仲良く付き合っていきたいと思っているのか。

この話も結構し辛いものがあるんですよね。
彼の親との関係は彼が主導し、彼女の親との関係は彼女が主導し、ということを期待するかもしれませんが、実はその方が難しいことも少なからずあるんです。

例えば「彼はお母さんに頭が上がらなくて何でも言いなりになっちゃうんですね。だから、はっきりNoと言わなきゃいけないところも言ってくれないんです。」という場合。彼をあてにしたい気持ちは分かりますが、もし、必要とあれば、嫁になる自分が出ていってもいいんです。結婚すればきっとそんな場面はたくさんでてきますから。

それから将来のことを話し合うのも大切なことですね。

親と同居になる可能性があるのであれば、「先のことだから」と思わずに話をしておくことが大切ですし、家の問題(住む場所、家を建てるのか賃貸にするのかなど)や介護の問題なども視野に入れておく必要があります。

あるカウンセリングで、「たぶん、同居になるんだろうと思う。彼、本家の長男だし」という彼女に、はっきりそういう打診があったの?と聞くと「いや、雰囲気的に。お義母さんも離れを改築したらいい、っておっしゃってましたし」とのこと。

しかし、実際お義母さんと話してみたら「そんなの好きにしたらいいのよ。私たちは老後に厄介になろうなんて思ってないから。離れも使ってないから、そのほうが良ければ住んでいいわよ」とのことでした。

また、最近は奥さんの実家に住むマスオさんスタイルも多くなってきました。
そうするとご主人の実家との距離は少し遠くなるかと思います。
その際の実家との付き合いをどうするか?なども大切な話題の一つですね。

こうした少し気の重い話がたくさん出てくるのですが、事前にきちんとしておくことはお互いの信頼関係を強めるだけでなく、これから結婚していくことへの揺るぎない覚悟を示すことになります。

ある方のお話なのですが、結婚してすぐにご主人の実家に入ることに抵抗を示していました。
夫婦二人で住む期間が欲しいとも思っていたのですが、ご主人の実家は都心にあり、彼はもちろん、彼女にとっても通勤も生活もしやすい環境。

しかし、そうした課題がかえって彼女の思いを強くして行きました。本当に自分が彼と結婚したいのか?彼のことをそこまで愛せるのか?子どもを産み、この家族と共にやっていくのか?重々悩み抜いていたんですね。

しかも、彼女、自分の両親(特にお母さん)とはずっと折り合いが悪く、それで年上の女性との関係を築くのに自信が持てなかったんですね。それも同居に二の足を踏む理由の一つでした。
悩み抜いた結果、彼女は彼と結婚することを決めました。

一度腹が括ればすーっと楽になるものですよね。
元々彼の実家にはよく遊びに行っていたのですが、彼女が覚悟を決めてから、義理のご両親との関係がますます良好になり、「本当の娘みたい!」とお義母さんには喜ばれるようになり、実のお母さんとは築けなかった良好な関係を築けたのです。

これから結婚される皆さんへ。

幸せな結婚生活を送るために、ぜひ、事前に今回挙げたテーマについて二人で、あるいは、カウンセラーを交えながら話し合ってみてください。

難しい課題にぶつかればまた二人の絆が深まります。
一つクリアするたびに、お互いの信頼関係が強まります。
そうして、結婚式を迎えることができたとしたら、どれくらい晴れやかな気分でしょう。
ぜひ、参考にして頂ければ幸いです。

そして、すでに結婚されてる方へ。
もし、今回のシリーズで漏れているところがあれば、今からでも遅くありません。
ぜひ、2人でコミュニケーションを持つ時間を作ってみてください。
それが二人の新たな関係性を築くことになると思いますよ。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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