罪悪感という感情は『自分が悪いんだ』『自分が良くなかったんだ』というふうに自分が悪いと感じてしまう感情です。
この感情を持つと「自分が悪いんだ」と思い攻撃が内(自分)に向かっていく人と、「自分は悪くないんだ」と思い外に向かって攻撃的になる人とがいます。一見すると全く逆の態度なのですが、心理的に見ていくとどちらも罪悪感を感じているんですね。そんな罪悪感を持ったときの心の動きを解説していきます。
罪悪感を持っているということが分かりにく時がある
カウンセリングではしばしば罪悪感と言う感情を癒すことをテーマにすることがあります。
罪悪感という感情は『自分が悪いんだ』『自分が良くなかったんだ』というふうに自分が悪いと感じてしまう感情です。
この罪悪感と言う感情はややこしいところがあって、罪悪感を持っているからといって一概に『自分が悪いんだ』というふうには感じないことがあります。
誰しも『自分が悪いんだ』というふうに感じるというのは嫌なものです。
すると『自分が悪いんだ』という感情を防衛するために、『自分は悪くない、相手が悪いんだ』と言う感情を新たに作っていき、もともとの罪悪感を感じないように新たに作った感情で蓋をしてしまうことがあります。
カウンセリングでよくお聞きするケースとして、パートナーの浮気が発覚したのですが「パートナーの言い訳を聞いていると、浮気をしたのは私のせいだとか言い出すんですよ。反省の色がみられないんですが罪悪感とかはないんですかね?」というお話をお聞きすることがあります。
例えば浮気がばれてパートナーから「裏切り者!」と言われたとします。
すると裏切っていたという罪悪感を思いっきり刺激されるので、この罪悪感を感じないようにするために“自分は悪くない相手が悪いんだという理屈”を作りだしてしまったりするんです。
「君は子どものことばかりで僕のことは見てなかっただろ。夫婦関係がこうなったのは君のせいなんだよ」的な理屈を作って、罪悪感から身を守ろうしたりするんです。
そのような発言をする本人としては意識的には罪悪感から我が身を守るために作っている理屈とは思っておらず、本当にそのように思ってしまっているのですが、でも実は深層心理的に罪悪感を感じてるからこそ、このような防衛的な態度をとってしまうのですね。
「自分が悪いんだ」と思い攻撃が内(自分)に向かっていく人と、「自分は悪くないんだ」と思い外に向かって攻撃的になる人と一見すると全く逆の態度なのですが、心理的に見ていくとどちらも罪悪感を感じているんですね。
罪悪感と言う感情はややこしいものですね。
一旦撤退してから話し合ってみると良いときもある
「自分は悪くないんだ」と攻撃的になっている人に対して、「いやいやあなたが悪いんでしょ?」ということを相手に分からせようとすると、罪悪感を防衛しようとする心理がますます強まり、余計に攻撃的なって、ひどく攻撃をされることがあります。
逆切れをおこされたりするんです。
「いやいやあなたが悪いんでしょ?」と分からせようとすればする程、相手が感情的にヒートアップしていき攻撃的になってくる時は、その場は一旦引いて相手の感情が落ち着つくのを待ってみたほうが良いときがあります。
「いやいやあなたが悪いんでしょ?」と分からせるのを一時中止して、一旦引かなきゃ行けないのは悔し気持ちになったりすることもありますが、そうすることで相手の攻撃的な態度で感情的に傷つけられることから身を守れたりしますし、相手が落ち着くのを待った方が話し合いが上手くいきやすかったりするんです。
自分の罪悪感に気付きにくい時がある
罪悪感の心理というしくみを知っていると、「自分は悪くないんだ」と言い外に向かって攻撃的になっている人を見て『ああ、あの人は本当は罪悪感持ってるんだろうな・・・』と見抜くのはできたりするのですが、自分が「自分は悪くないんだ」と言っている立場になっている時は、自分が罪悪感を持っていることに気付きにくいものです。
自分が「自分は悪くないんだ」と拘っていて外に向かって攻撃的になっている時は、『もしかしたら本当は罪悪感があるからこんな風に自分は悪くないに拘っているのかな?攻撃的になっているのかな?』と振り替えってみるといいかもしれません。
もし罪悪感があったことを発見できて『罪悪感があったから自分が悪くない相手が悪いというふうな気持ちに私はなってたんだなぁ』と自分をわかってあげると心が落ち着き、楽な気持ちになれることがあったりしますので。
心って自分の気持ちをわかってあげると楽になっていくことがあるんですね。