お金と豊かさの心理学~豊かさは“感じる”もの~

収入が増えれば安心感や自信がついてくるかというと必ずしもそうではないようです。今の収入に不安や不足感を感じていると、仮に収入が増えたとしても、その感覚はなぜかくっ付いてきてしまうのです。

豊かさは現実の収入の多寡ではなく心が感じるもの、というところがポイントです。
形ではなく、心で感じられるようになるために、まずは、今の自分が感じている気持ちに素直になってみましょう。

豊かさは心が決めるもの。

お金をカウンセリングや心理学を通じてみていくことは、あなたが何億ものお金を稼ぐことを目標としているのではありません。
あなたの心の状態を良いものにして行けば、収入の多寡に限らず豊かさを感じ、喜びや感謝を感じられるようになります。

例えば、無理して頑張って稼いだとしても、その無理した分のストレスはどこかで解放しなければいけません。それがお金を使うことで解消される場合もあれば、病気や人間関係などの問題を通じて解消しようとすることもあります。

あなたが心のバランスを整え、状態と素直に向き合うことができれば、適切な収入を手に入れられるようになるのです。
その結果、今の何倍もの収入を得られる方もいらっしゃいますし、今よりも年収は減ったものの、気持ちの上では何倍もの豊かさを感じられる方もいらっしゃいます。

私のクライアントさんの中には年収が何千万、何億というすごい方もいらっしゃいます。しかし、彼らがみんな、豊かさを感じ、幸せなのかというとそうではありません。

実際、何億って金融資産のある方の「お金を失うことが怖い」という感情を複数回に渡りカウンセリングしたこともあります。
その方の中からは、どれだけお金があっても満たされない心があり、それだけお金を持っていながらも豊かさを受け取れない状態にあったのです。

一方で、真逆の方も何人も知っています。
彼らが不幸かというと必ずしもそうではなく、自給自足に近い形でお金は少なくても幸せな豊かな生活をしている方もいます。
彼らにとってお金は社会との接点の一つで、自然の中で、また、近所づきあいの中で十分な生活を送ることができているのです。

そうすると、収入が必ずしも幸福を保証してくれるわけではないことが分かってきます。
あなたの心のありようが豊かさを感じ、幸せを感じさせてくれるのです。

また、こんな話をしてくださる方にも実によくお会いします。
「以前、月給が30万だったとき、本当にお金が足りなくてヒーヒー言いながら生活していたんです。それで頑張って月収を50万にしたのですがまだ足りなくて、もっと頑張らなきゃってやってきたんです。でも、お陰様で月収が100万になったのですが、でも、なぜか足りないんです。これ以上頑張れというのは難しいんですが・・・。」

この方のケースは典型的なお金に対するパターンが現れていると思います。

「お金が足りない」と感じているとしたら、それはあなたの心が感じていることですよね?

その不足感がどこから来るのか?きちんとそこを見極める必要があるのです。

お金が足りなければ稼げばいいじゃないか!と頑張っても、「不足感」という感情を抱えているまま収入を増やしたとしても、そのプラスの分はその不足感を埋めるために充当されます。
しかし、そもそも不足感を満たすために仕事を頑張ったりすることは、それ自体がストレスとなり、より稼いだ分はそのストレスの解消にも使われることになるのです。

例えば、頑張って稼いでるからいいじゃないか、と、会社の100円のコーヒーではなく、スターバックスでコーヒーを飲む機会が増えるかもしれませんし、電車やバスで帰るのが面倒になり、タクシーを利用する回数が増えるかもしれません。
収入が増えた分ストレスが感じてマッサージ代がかさむかもしれないし、「自分へのご褒美」と称したケーキやお酒がランクアップするかもしれません。

そうすると、結果的に収入が増えたとしても「不足感」は変わらなくなり、「十分な収入があるはずなのに足りない」という理性的には理解し辛い現象が生まれるのです。

「不足感」は「豊かさ」の対極にある感情です。
もし、あなたが「足りない」と感じているとしたら、「豊かさ」を受け取れる(許せる)状態にないということ。
だから、その感情を癒していく必要があると思うんですね。

では、そうした感覚はどこからやってくるものなのでしょうか?
様々な事例を見ていくと、そこにはやはり幼少期からあなたの心に刷り込まれている感覚が影響しているようなのです。
次回はその感覚を見ていきたいと思うのです。

【今日のエクササイズ】

1.あなたは今の収入や資産にどれくらい満足感を感じていますか?給料日や賞与支給日に「ありがとう」と声に出して言う習慣を付けてみてください。

2.あなたが今ストレス解消のために使っているお金について意識を向けてみませんか?(それに気付いてもそれをやめる必要はありません。)

この記事を書いたカウンセラー

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