男性にモテないわけではない。男友達はいて、アプローチしてくれる人もいるのに、自分が踏み出せずに恋愛関係がうまく作れない。そんなことがくりかえされると自分は人を愛することができないのではないかと不安になるものです。
よく女性にとって父親との関係性が恋愛に影響すると言われますが、セクシャリティへの怖れや親密感への怖れには母子関係が影響していることがあります。
父親に愛されてしまっては母親との関係が不安定になるのではないかという潜在意識下の怖れが、男性からの愛情を受け取りにくくする、あるいは「子供」であることに固執して大人の女性としてのセクシャリティを表現しづらくすることがあります。幸せな母親のイメージをもてることが、男性女性にかかわらず、大人としての自分を受け容れ、親密感を楽しみたいと素直に思える安心感をつくるようです。
◎リクエストを頂きました◎
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前の彼と別れて2年たち、その間10人以上の方に愛を告白されました。その中には知り合って間もない人もいれば、古くからの友人や同僚もいました。友人の時は、「この人とつきあったら幸せだろうなぁ」とか「この人のこんなところはすごくステキ!」と思うのですが、いざ告白されると「この人とキスするの?」とか「毎週会うのかしら?」と思うと気持ちがどんよりしてきて、結局お断りするということを繰り返してしまいました。
人として好きになっても、自分から誰かに恋をするということもありません。よく言われる父親との関係は悪くなく、母も私も父を尊敬しています。最近では、またこのパターンになるのではないかと想い、あまり男性と連絡をとっていません。このようになってしまう原因や対処法はありますでしょうか。
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リクエストをありがとうございました。
せっかくあなたのことを「ステキ!」と思って近づいてきてくれる男性がいるのに、自分の方が乗り気になれずにおつきあいできないことが続くと「私は一生誰も愛せないのではないかしら?」と不安にかられます。「自分には人を愛する心がないのでは?」と絶望的な想いを抱える方もいらっしゃるでしょう。
多くの場合、そんなことはありません。むしろ、とても優しい、愛情深い方が多いように思います。では、なぜそうなってしまうのでしょうか?
お父さんもお母さんも大好き
「自分はお父さんに愛されている」という感覚のある女性は、男性に対して過度な警戒心や敵対心が無いので、男性の方も近づきやすく愛しやすいと感じるようで、一般的にモテると言われます。モテるならパートナーシップも簡単に手に入りそうですが、なかなかそうもいかないことがあります。
いくつかのパターンがありますが、よくあるのが「自分はお母さんよりもお父さんに愛されてしまっていいのだろうか」という無意識レベルでの「怖れ」を抱えている場合です。自分はお父さんもお母さんも大好きなのに、お父さんに愛されてしまうとお母さんに疎まれてしまうのではないかという怖れから、愛を受け取れないというパターンが創られると言われています。
無意識の世界で、まるで白雪姫が「自分が一番じゃないとイヤ!」と怒る王妃さまを逃れて奥深い森で「小人」たちと暮らすという物語が展開するかのように、美しい「大人の女性」としての自分をかくすような行動をとってしまいます。
大人の女性としての「自分」を愛せていますか?
このような「怖れ」を無意識に抱えていると、大好きなお父さんとお母さんの両方に愛されるために「子供」という役割に執着することがあります。大人の女性としてあって自然なセクシャリティを必要以上に「恥ずかしく」「気持ちの悪い」ものに感じます。
「自分は子供だからこそ愛される」という誤解が、おとうさんとおかあさんと「子供」の自分という関係性が変化することに不安をつくるので、大人の女性としてパートナーシップを受け取りにくいようです。もっと「大人の女性」である「自分」を好きになれるといいのですが。
親密感が怖い
また、何らかの理由でお母さんに対する遠慮があると親密感そのものが「怖い」場合もあります。お友達のうちはいいのですが、二人の距離感が近くなると居心地が悪くなってきます。男性女性にかかわらず、私たちにとって母子関係は親密感の原型になりますので、母親に対して嫌悪感やそこまでいかなくても遠慮があると、親密になって相手に自分のすべてを知られてしまうことに不安を抱くことがあります。
自分にとってあてはまりそうな心の「罠」がどれであっても、じんわりと効くイメージワークを一つご紹介します。軽く目を閉じて心を落ち着かせてください。そこへお父さんとお母さん、それぞれの笑顔を思い浮かべてみてください。最初は怒っていたり、悲しそうな顔であっても笑顔に変わってほしいと願いながら見つめます。
「二人が笑顔になれるように」と願う気持ちを大事にしてください。寝る前のほんの数分、そんな自分の想いを大切にすることをくりかえすことで、人(パートナー)と向き合う自信や安心感を育むことができます。
(完)