自分は役に立っているという気持ちは職場Lifeを楽しく、充実して過ごす上で大切な感情です。職場の人たちにあなたが「あなたは役にたっていますよ」と感じさせることができると職場の雰囲気はよくなるのではないでしょうか?
それは巡り巡ってあなたが過ごしやすい環境ができるという形であなたに還元されたり、職場の生産力がアップするという形であなたへの恩恵として返ってくるかもしれません。
リンゲルマン効果
リンゲルマン効果という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
リンゲルマン効果は、日本語では「社会的手抜き」という用語で表すようです。
なんか生々しい言葉ですよね。
リンゲルマン効果を簡単に説明すると、集団で作業を行うと人は単独の時よりもパフォーマンスが落ちるという効果です。
例えば、ある書類のデーターを、コンピュータに打ち込まなければいけない仕事があった
とします。
担当者が一人で作業すると、期日までの残り10日間で、10%を仕上げるのが精一杯の模様。
そこで社長は考えました!「だったら10人で作業すればなんとかなるはず!」そう計算して、バイトを雇い人海戦術で期日に間に合わす作戦をたてました。
そして5日目あたりに中間チェックしてみたところ『あれ?予定よりも作業がすすんでいない、このままではどうも期日までには間に合いそうにない・・・計算では、ばっちりだったはず。なぜ・・・・?(–;)』
このような一人で作業するときよりも集団で作業をした時に一人一人のパフォーマンスの低下がおきていることをいいます。
これは私がそんなに頑張らなくても誰か頑張ってくれるだろうという心理が働いて単独で作業をする時よりも集団で作業をする時にパフォーマンスが落ちてしまうようです。
また、他の人たちがあまり頑張っていない時に、自分だけが頑張らず、その他の人たちの努力度合いにあわせようとする心理が働くのもリンゲルマン効果が起きる要因だと言われます。
これは『自分だけ頑張るのもなぁ・・・』という感じでしょうか。気持ちはわかる気がします。
おかげさま作戦
なぜ、集団で作業を行うと、人は単独の時よりもパフォーマンスが落ちるのでしょう?
それは仕事に対する責任の所在がはっきりしなくなるからと言われています。
自分が集団の中で、どれだけ貢献できているかがあいまいになり、それがモチベーションを下げてしまいその結果パフォーマンスも落ちてしまうそうです。
その対策として自分がどれだけ集団の中で貢献できているかをわかりやすくする為に誰が何件作業したとか、何件売り上げたとかをグラフにして張り出している職場もあるようです。
これからみると自分は役に立っているという気持ちはモチベーションに大きな影響を与えているといえそうです。
カウンセリングで仕事を辞めようかと考えいているというご相談をいただくと仕事の内容が嫌で辞めたいというよりも、職場で感じる感情が嫌で辞めたいという内容が多いです。その職場で感じる嫌な感情の一つとして自分は役に立っていたっていないと感情が辛くて辞めたいというお話を聞かせていただくことがあります。
自分は役に立っているという気持ちは職場Lifeを楽しく、充実して過ごす上で大切な感情なようです。
またリンゲルマン効果の視点でいうとモチベーション維持や、パフォーマンス維持的にも大切なようです。
あなたの所属しているグループの人たちと「◯◯さんのお陰で助かりましたよ」「◯◯さんがいてくれて助かります」「◯◯さんが段取りを素早く組んでくれるおかげで作業がはかどるよ」などとお互いがあなたは役に立ってますよということを声を懸け合ってみるのも自分は役に立っているという感情の維持、向上に役立つんじゃないかと思います。
私はこれを“おかげさま作戦”とつけています。
お互いがあなたは役に立っています、貢献していますというのをフォローをしあえたら理想的かもしれませんが、そのような雰囲気が今はない場合は、まずはあなたが起点となって始めてみてもいいかもしれませんね。
カウンセリングで「自分が欲しいものはまずは自分から与えていくといいですよー」とお話をさせていただくことがあります。与えると何らかの形で良いものがはいってくることが多いからです。
あなたが「あなたは役に立ってますよ」と職場の人に与えたものが職場の雰囲気の良さだったり、あなたへの評価だったり、「あなたのおかげで・・・」をあなたに言ってくれる形だったり、職場の生産力がアップという形や(残業時間が減ったり、上司の方でしたら評価があがるという恩恵にもつながるかもしれませんね)、何らかの形で与えたものが帰ってくるかもしれません。