宣言効果とは、自分の目標を言葉にして周囲に伝えるとその目標が達成しやすくなるという効果です。
自分の目標を自分の中だけで持つのではなく、
「私は次のテストで100点をとる」
「私は○○の資格を取る」
などと宣言すると、周囲の目もあって自分自身にプレッシャーがかかり、やすやすと挫折することなく頑張れるというわけですね。
また、「そうか、頑張れよ」と周囲の人も様々な形で応援してくれて、目標達成をしやすくなるという側面もあるでしょう。
ところが、目標を宣言したとしても、自分がその目標を達成できると信じていないケースもありますね。また、逆に、信じていないからこそ宣言をするというケースもあります。
「取りあえず、言ってみた」とか、「言わされた」とか、宣言することで安心感を得たいといったケースです。
このような場合には、宣言効果は有効に働かないことがとても多いのです。
宣言効果は、そもそも私たちの心の中にある、目標達成を妨害しようとする心の力を弱めるため、あるいはそれに打ち勝つためのサポート力なのです。
ここで、私たちの目標達成を妨害しようとする心とは、例えば「そんなことやっても無駄」とか「どうせ上手くいかない」といった目標達成に向かう気持ちを否定しようとするような囁きです。
この囁きは、自分の心の中だけでなく、時に人の言葉を借りて強化されることもあります。
たとえば誰かから「上手くいくわけないよ」と言われると、そう思っている自分の心がそれに反応して「上手くいかないかもしれない」という気持ちが強化されますね。
この目標達成を妨害する気持ちの根本は“怖れ”からきています。
怖れには様々な原因がありますが、例えば心理の深い部分では“成功することに対する怖れ”などというものもあります。
目標達成を妨害する気持ちが出てきたら、「自分は一体何を怖れているのだろう」と自分の深層心理に入ってみられるのもいいのではないかと思います。
意外な気持ちに出会えるかもしれませんし、それが分かってしまえば恐れずに足らずということが理解できるかもしれません。
宣言効果を有効に働かせるためには、目標を達成するという“決意”が必要になります。そしてこの決意は、“自分がそれを選択する”という意識によって強化されます。
しかし、私たちは必ずしも100%の力で決意できるというわけではありません。
迷いながら、考えながら決めることも多いのではないのでしょうか。
決意はその力が大きいほど効果的なのですが、必ずしも100%でなくても構いません。極端な話、51%の決意でも構いません。
そこに宣言効果が大きくサポートしてくれるので、目標を達成できる確率はぐんと高まるに違いないでしょう。