人の粗探しをしてしまう心理

人と親しくなっていくにつれて、相手の人の様々な面を知ることが増えてきます。

そんな中で目につくようになってくる粗の部分。関係が悪いわけでもないし、その人のことが嫌いなわけでもないのに、ついつい粗の部分に目がいったり、それを探してしまう背景には、どんな心の動きがあるのでしょうか?

いただいたリクエストをもとに、粗を探してしまう心理とその心理的背景、粗探しから抜け出すヒントをご紹介いたします。

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私は、特に親しくなった友人や恋人の粗を探してしまいます。少し距離が
ある時には良いところばかり目について いい関係なのですが、、、
自分の心理がわかりません。

メルマガの講座でご回答いただけると助かります。よろしくお願いします。

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心理学講座にこのようなリクエストをいただきました。ありがとうございます。

友人や恋人といった、心理的距離が近い状態になると、いつの間にかその人の粗の部分に目が向いてしまう…

相手の人のことが嫌いなわけでもないし、関係が悪いわけでもないのに、どうしてなのでしょう?

●どうして粗探しをしてしまうの?

では、まずは相手のいいところが目についている時、どんな感情や感覚を感じているのか?というところから見てみましょう。

相手のいいところを見つける度に、「素敵だな~」「いいな~」と感じて、相手に好意を持ち、心理的な距離が近づいていきます。

ちょっと想像してみていただきたいのですが、とっても魅力的で素敵な人に好意を持ちながら、心理的な距離を近づけていく時というのは、どんな気分になるでしょう?

「うれしい!」といった純粋な喜びの他に、近づくことに抵抗を感じることがあります。

その抵抗の正体は、恥ずかしさや不安といった感情であることが多いようです。

「うれしい!」けど恥ずかしい… 「うれしい!」けど不安… 複雑な気持ちですよね。

魅力的で素敵なな人と近づくことで、何が恥ずかしかったり、何が不安だったりするのでしょう?

それは、「自分自身」です。

魅力的で素敵な人と自分自身を比べた時に、自分自身のことを恥ずかしいと感じたり、魅力的で素敵な人と自分とのつり合いが取れているのだろうか?というのが不安に感じたりするのです。

自分に価値や魅力を感じられない時に感じる感情や感覚を、無価値感と呼びますが、この無価値感が、恥ずかしさや不安をもたらします。

価値や魅力をたくさん持った素敵な相手と、価値や魅力を持っていない自分とを比べた時、位置関係でいうと、魅力的で素敵な人が上で、自分が下の位置にいる状態です。

この位置関係から相手に近づこうとすると、「こんな私ごときの者があなた様のお側にお近づきになるなんて、畏れ多いことでございまする…」といった心境になってしまいます。

このように、下の位置から相手の人を見上げる状態になると、自分の無価値感が刺激されるのです。

自分に価値や魅力がないというのを感じるのは、決していい気分ではありませんよね。
その嫌な気分を感じないようにするために、相手の人の”粗”が必要になってくるのです。

相手の魅力的でない部分を見つけることによって、相手の魅力や価値を減点していき、自分との位置関係を対等なものにしようとするのです。

●どうすれば粗探しをしなくなるの?

人の粗探しをしてしまうのは、自分の持つ無価値感を感じないようにするために相手の減点ポイントを探しているという心の動きをご紹介しましたが、粗探しをしなくなるためには、その無価値感を癒していくことが役に立ちます。

無価値感を持つ人の多くは、相手の粗探しをして減点法で評価していくのと同じように、自分自身に関しても、減点法で評価して(それもとても厳しく!)、「自分には価値や魅力がない」と思い込んでいることがあります。

まずは、自分を見る時、減点法で評価していないかな?というのをチェックしてみましょう。
そして、加点法を使って自分を見てみるということにチャレンジしてみることをお勧めします。

「自分にいいところや素敵な魅力的なところなんて見つからないよ…」と、なかなか見つけることができない場合には、ご両親や友人やパートナーといった、心理的な距離の近い人に、代わりに探してもらって教えてもらうといいかもしれません。

「あなたにはこんな素敵なところがあるよ」と言われても、「ほんとに!?」「どうせお世辞でしょ?!」といった気持ちになることがあるかもしれません。

そんな時には、一度に全てを完璧に受け取る必要はありませんので、まずは、「そんなふうに見える人もいるんだな」と、相手の人を尊重してあげるところから始めてみてはいかがでしょうか?

無価値感と向き合うというのは、痛みの感情と向き合うことになりますので、嫌な気分になったり苦しくなったりすることも出てきます。

しかし、本当に向き合う必要があるのは、無価値感の先にある「自分自身の本当の価値や魅力」の部分です。

自分自身の本当の価値や魅力を受け取ることで、粗探しをしなくなることはもちろん、大切な人の価値や魅力をそのまま見てあげることができるようになりますよ。

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