二兎追うもの

相談者名
さーこ
はじめまして、30歳近くの女性です。私は現在大学院の博士課程に在籍して研究をしています。一方で、ボランティアでNPO活動にも従事しています。今年で博士課程最後の年で、来年以降のことを考えると研究とNPOのどちらを軸に活動していこうか悩む日々を送っています。

私のおこなっている研究はまだまだ発展途上ですが、今後必要となってくるものだと信じて続けています。しかし最近研究に対する情熱が失われつつあることが感じられ、そんな自分が無責任に思えてイヤになることがあります。それは単純に目の前に立ちはだかる課題に対して動きが止まってしまっているからだけなのかもしれません。今までの経験からそれを乗り越えられたら一気に進むのですが、立ち止まっている期間が長く、人の意見にも影響されやすいので、ずっと一人で悩み続けている状態です。しかしずっと続けてきた研究を、学位を取った後でも手放したくないと思っている自分もいます。

一方NPOの活動は10年近く続けており、やりがいをもって活動しています。以前は学位を取って専門家として活動を続けようと思っていましたが、「生活していく」ことを考えると現実的ではないとも思っています。
かといって研究者の道も不安定ですし、いずれも茨の道ではあります(今のところ結婚の予定もありません)。

研究者として研究機関に所属し、NPOの活動もおこなうことが理想的ではありますが、二兎追うもの一兎も得ずでいずれも中途半端で無責任になるような気がしてなりません。いろいろ考えすぎて立ち止まっているだけなのかもしれませんが、ご助言いただけますとうれしく思います。

カウンセラー
嶽きよみ
さーこさん、はじめまして。
今回 回答させていただきます、嶽きよみ と申します。今、さーこさんにとって、大事な2つの道があって、どちらに進むべきか悩んでいらっしゃるのですね。

下さったメールだけでは、実際に 何の研究をされているのか、また、NPOの活動自体の内容がわからないので 無責任になってしまうかもしれず恐縮なのですが、ご相談内容をお読みして、「本当にそれは二兎なのかな?」という思いが浮かんできました。

今、さーこさんにとって、それらは 別々の道に見えているかもしれませんが、もしかしたらその2つの重なった部分が、さーこさんにしか歩めない道なのではないかと思ったんです。

スティーブ・ジョブズの有名なスピーチの中で、点と点がつながって線になる、という言葉がありましたが、さーこさんにはまだ その「線」が見えていないため、どちらに進むべきかという目の前のことだけで迷ってしまうのかもしれません。

でも、最終的には、今どちらを手放したとしても、そのどちらの経験や想いも、さーこさんの人生の成功に活かされることになるはずです。

なので、安心して、 今のさーこさんが情熱を注げるものを選んでほしいと思います。

ただ、そうは言っても・・という思いがおありかもしれませんね。

今回のさーこさんの悩みには、たぶん いろんな要素が絡んでいると思うんですね。

経済的なことや、将来性、今の課題やモチベーションの低下など、いろんなことに対して不安が出てくるうちに、純粋な情熱が不必要なところに使われてしまい、迷いがどんどん深くなっているのではないでしょうか。

心理学では、「前に進めない」と見えている時、実は、「前に進みたくない」という、不安や怖れがあって、それが「進まなくていい理由」を創りだす、という風に考えたりします。

怖れや不安は、いろんなものを、まるでそれが現実かのように私たちに見せてきますから、私たちは、どんどん自分が無力な気がしたり、自信がなくなってきたりするんですね。

そして、その状態で選択をするのは、実はとてもむずかしいことなんです。

何に対しての不安が強いのか? 何故 不安が出てくるのか? など、それぞれの事情を加味しながら選択のお手伝いをさせていただくには、もう少し詳しくお話をお聞きする必要があると思うのですが、まずは 自分で出来るワークをお教えしますので、もしよかったら少し考えてみてくださいね。

ひとつは、

もしも必要なお金が全部用意されて、絶対に成功するとしたら どちらを選びますか?

という質問。
これは、自分の中に制限があるとしたら、それを外してみるワークです。

もうひとつは、

AかBか。もしも、Aが全くない人生と、Bが全くない人生だとしたら、あなたはどちらを選びますか?

Aさんに二度と会えない人生と、Bさんに二度と会えない人生と とか
Aが一生食べられない人生と、Bが一生食べられない人生と(笑)みたいな感じです。

それを、「NPO」と「研究」で考えてみてください。
こちらのほうが、ちょっと厳しい質問になるので、どうしても答えが出せないとしたら、一生ではなくてこれから10年は、と考えてみてもいいかもしれません。

本当の答えは、さーこさんがすでに知っているはずです。

もし これがさーこさんが選択するためのヒントになればうれしいですが、こういう質問は、意外と自分一人でやると上手くいかない場合も少なくありません。

なので、誰か、「自分の意見を押し付けない」お友だちや周りの人に質問してもらうといいかもしれません。
その方が、自分で考えるよりも潜在意識の部分が働きやすいからです。

そのほかにも、両方の要素を細かく分解して、さーこさんがそれらの何に惹かれたのか、目的は何なのか、などを、この機会に洗い出して行くのもいいかもしれません。
初回無料などでご連絡いただければ、それらも 一緒に考えていきますので、よかったらご利用くださいね。

ご相談 ありがとうございました。

嶽きよみ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。