夢中になれる仕事を見つけたいが…

相談者名
くらこんぶ
「仕事楽しい!」と仕事に夢中になりたいと思い転職を決意したのですが、
その夢中になれることがわかりません。「ものづくりに関わりたい」という理由から、
初めに内定をいただいたWEB制作会社でWEBディレクター3.5年をしていました。
現在も別のサービス企業でWEBディレクターを3年やっていますが、
サイトができあがっても達成感ややりがいを感じたことはありません。

就職の際は「好きを仕事にするとツライ」と言われ別の道に進みましたが、
今回は年齢も年齢なので、「好きなこと」を仕事にし、
自分を表現するツールの1つにしたいと思っています。

しかし、自分の中でも何が「仕事につながる好きなこと」なのか見いだせないうえに
「好きな仕事をするならある程度の我慢はいるかも」と頭にあるものの、
職種・雇用形態・給料など色々と考えすぎてしまいます。

過去の記事などを読み、「自分が楽しい!」と感じることを書き出したりしているのですが、なかなか職業に繋がりそうな共通点などが発見できずにいます。
「好き」だけで突き動かしてしまえば職業もあるのでしょうが、
前述の通り色々と考えてしまうため二進も三進も行きません…。

「若者は適職ややりがいを求めすぎ」などの記事を読んだことがありますが、
一生の大部分を占める仕事です。
そこで楽しみや達成感を味わおうとするのは至極当然のことだと思うので、
どうしたら自分の輝ける仕事を見つけることができるのか、
きっかけだけでもご教授いただけましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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※ 1社目をやめた理由
1. 制約が多い上に激務で、職場や業務の自由度が皆無だった。
2. WEBサイトを制作してもクライアントのサイトなので効果測定を行えず、
作ったら作りっぱなしでクライアントやエンドユーザーの反応を知ることができなかった。

カウンセラー
大塚亘
くらこんぶさん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

私も以前は、自分のしたい仕事がみつからずに、悩んだ時期がありました。ですから、くらこんぶさんの今のお気持ちは、分かる気がします。

くらこんぶさんは、悩みながらもWEBディレクターを7年以上も続けていることが素晴らしいなと思いました。なぜなら、私が社会人7年目くらいのときは、既に2回転職し、しかも職種も転々としていて、なんの専門性もなかったからです。

当時私は30歳くらいで、自分自身では、もう年齢的に後がないと思っていましたが、44歳になった今から考えると、とても若くて、これから前途洋洋なだけだったんだなと客観的に思えます。

もっといえば、あくまでも自分次第ですが、何歳からでも、自分が納得できる働き方をみつけることはできると思っています。

30歳の頃、私は無職で、しかも、いままで私がしてきた仕事はしたくない、という思いが強くて、いったいどうすればいいのか分からない状態でした。

ただ、いままで「好きではない」仕事をしてきたので、今度は「好きなこと」を仕事にしようと思いました。

そして、考えた結果、

「自分は、人とかかわるのが好きだから、人に関する仕事をしよう」

と思い立ちました。

でも、「人とかかわる仕事」が好きだといっても、あまりにも漠然としていて、やはりどうしていいか分からないわけです。

ただ、当時私は一人暮らしをしていて、お金が必要でしたので、早くお金を稼ぐ必要がありました。当時は意識をしていませんいでしたが、このお金の必要性に迫られたことは、私にとって良かったことだと思っています。

どういうことかというと、仮に、

「一生続けられる天職を見つけてから働き始める」

という選択肢を取ったとしたら、多分一生見つからなかったからです。

仕事は、一人で完結するものではなく、お客様とか、上司とか同僚など、必ず自分以外の誰かと接点があります。

会社に所属しないで、例えば、画家で生きていくと決めたとしたら、上司も同僚もいませんが、絵が売れなければ生活できないわけですから、お客様のことを考えないわけにはいかないわけです。

つまり、本当に自分が好きなことだけをして働くということは、私はあり得ないことだと思っています。

私は、30歳で無職の時、「人とかかわる仕事がしたい」と思ったわけですが、だからといって、すぐにお金を稼がなければならないので、やはり会社に就職するしかないと思いました。

そして、私は、会社で人とかかわる仕事は、「人事」かもしれないと思いました。「人事」という職種で働いた経験はなかったので、未経験で就職するのは難しいと思いましたが、採用試験に落ち続けたとしても、少なくとも100社はがんばるぞと思い、就職活動をはじめました。そうしたら、意外とすぐに再就職することができました。

その会社で人事職で働いているうちに、さらに人事の専門性を高めたいと思い、あまり有名な資格ではないですが、国家資格で独立も可能な社会保険労務士という資格を在職中に取りました。

資格を取った時は、独立するつもりはなかったのですが、当時の上司との折り合いが悪く、また、この会社にいても自分の幸せな未来を思い描けなかったので、私は思い切って、社会保険労務士で独立開業することにしました。

独立開業してしばらくは、貯金が減るばかりで不安な時期もありましたが、頑張って営業活動をした結果、2、3年で事業は軌道に乗ってきて、それから10年以上収入を伸ばし続けて、経済的にはとても安定しています。

社会保険労務士は労働関係の法律に関する仕事で、「人が働くことに関する仕事」ですので、まさに、「人にかかわる仕事」ができていると実感しています。

また、今私は再婚して幸せなのですが、初婚の時は夫婦関係がとても悪くて、それをきっかけに私自身がカウンセリングをしばらく受けていました。

そして、カウンセリングを受けていたときに心理学に興味がでてきて、いつのまにか、私自身がカウンセラーになっていました。カウンセラーは、まさに「人とかかわる仕事」ですよね。

気づいていただきたいポイントは、私は、

はじめから「社会保険労務士」や「カウンセラー」を目指したわけではない

ということです。私がしたことは、「人にかかわる仕事がしたい」という思いを持ち続けたことと、現実的、金銭的な面を考えて、ある会社の人事職に就職したということです。

「社会保険労務士」や「カウンセラー」は、「人にかかわる仕事がしたい」という思いを持ち続けつつも、流れに身を任せていたら、

向こうからチャンスが勝手にやってきた

という感覚なのです。

カウンセリングサービスのカウンセリングのベースとなっているビジョン心理学では、「天職」のことを「calling」といいます。「call」は、「呼ばれる、招かれる」という感じの意味ですね。つまり、天職は自らつかみとるものではなく、自分なりに動いた結果、そこに呼ばれるものということです。

大事なことは、自分の「好き」を大切にしつつも、金銭面などの現実的なこともおろそかにしないことです。つまり、バランス感覚が大事ということです。

そして、もうひとつは、「好きという思いを持ちながら、自ら動く」ことです。「好き」を持つのはいいことですが、持っているだけで動かなかったら、何も始まりません。

いきなり天職をつかむということではなく、「好き」の要素がある程度あるなら、それは現時点での正解の仕事だと私は思います。そして、その分野で少しずつ自分のしたいことを広げていってほしいのです。

ただ、自ら広げるというよりは、「好き」の要素を持ちながら仕事をしていると、勝手に向こうからチャンスがやってきます。そして、そのチャンスを逃さずにつかみとってほしいのです。

私は結局転職し、独立開業もしましたが、それが正解といっているわけではなく、私の場合は、たまたまそうなったというだけです。

くらこんぶさんの今の仕事に、「好き」という要素がもしあるなら、今の仕事を引き続き続けることが正解なのかもしれません。また、もし「好き」の要素が全くないのなら、転職することが正解なのかもしれません。

いずれにしても、仕事に対して、そしてご自身に対しても素直で真摯な、くらこんぶさんなら、いつか天職に「呼ばれる」日が来ると思います。それまで、ご自身の「好き」を持ち続けて、かつ現実的なことも考えながら進んでいってほしいと思います。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー