罪悪感が作る問題として攻撃をされていると誤解してしまう、もしくは攻撃される怖れを作るという問題が生じることがあります。
それは悪いことをした自分は罰せられるという心理を外に投影し、外の人を罰する人にしてしまうようです。
ある人(H・ヒロキさん(仮名))の体験談を用いて説明させていただきます。
罪悪感と攻撃される怖れ
罪悪感が作る問題として攻撃をされていると誤解してしまう、もしくは攻撃される怖れを作るという問題が生じることがあります。
ある人の体験談を用いて説明させていただきますね。
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H・ヒロキさん(仮名)の体験談
ある日のこと、ヒロキさん(仮名)が娘であるイロちゃん(仮名)と食事をしておりました。
イロちゃんが食事中に椅子から床におりてウロウロ歩きだしました。遊び出したのです。
「あれぇ?ご飯中に歩いてて良かったのかなぁ?」と茶化しながら注意をするヒロキさん。
すると、「パパなんか嫌い」と強い口調で攻撃的に言いいだすではありませんか!
しかも「パパ嫌い、もうパパなんかしらないからね」と連発!!!
予想外の反応にダメージをうけ、めまいがし始め、倒れそうになるのを踏ん張りながらヒロキさんは考えました。
『そう言えば、心理学では自分を責めていると他人から責められているように感じると言ってたな・・・』
そこでヒロキさんは、あることを試みてみました。
「イロちゃんは、怒られたと思ったの?」とヒロキさん。
コクリとうなずき、泣き出すイロちゃん。
「パパは怒ってないよ。ごめんね。怖かったんだね」
コクリとうなずくイロちゃん。
「でも、本当はイロちゃんはご飯中に歩いてちゃいけないと知ってたんだよね?」
「うん」と言うイロちゃん。
「だから怒られると思ってパパのこと怖くなったんじゃないの?」
「うん」と再び涙が目にいっぱいになるイロちゃん。
「パパが怒っていると思ってパパ嫌いって言ったんだね。パパは怒ってないよ」
「うわぁあああ・・・・、ご、ごめんなさい」とパパが怒っていないとわかり安心して大号泣。
どうやら悪いことをした自分は罰せられると思い、パパが怖くなってしまってたようでした。
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罪悪感があると悪いことをした自分は罰せられると思ってしまいます。
すると、相手が本当のところどう思っているのかはわからないはずなのですが、罪悪感を持っている当人は相手が怒っているように感じたり、責めているように感じがちになります。
それは別の言い方をすると悪いことをした自分は罰せられるという心理を外に投影し、外の人をあなたを罰する人にしたててしまうんですね。
「罪悪感があるから責められているように感じるのであって、本当はそう思ってないかもしれない」という見方ができると責められる怖れから抜け出す糸口として役立つんじゃないかと思います。
『相手=自分を責めている』が『相手=自分を責めているかもしれないし、そうではないかもしれない』に変わると心の緊張はちがってくるんじゃないかと思います。
もちろんより責められていると感じるのがなくなるのは、罪悪感があることに気づき自分を許すことができると更にベターであります。
次回は、罪悪感が作る溝についてです。
>>>『罪悪感が作る問題(3)~罪悪感とファイティングポーズ~』につづく