カウンセリングでは、話を聞くことを大切にしています。
言い方を変えるとクライエントさんに話してもらうことを大切にしています。
それは話すことで心の浄化作用がおこるからです。
心の浄化作用や、大切な人を亡くされた方へのサポートなどについてピックアップしています。
●話を聞く効果
カウンセリングでは、話を聞くことを大切にしているんですね。
言い方を変えるとクライエントさんに話してもらうことを大切にしています。
なぜ話を聞くことを大切にしているかといいますと、話をしてくれることが心の浄化になるからなんです。
一般的な話で、職場でストレスがたまった時に、会社帰りに同僚とご飯を食べに行き、同僚に愚痴をこぼすような話ってよく聞きます。
「課長ったら部長の前では、僕の前で言ってたことと違うこと言うんだよね。
そりゃないよーって感じがするんだよ」なんて同僚に聞いてもらうんです。
「うん、うん、わかるよ、お前の気持ち。お前の立場だったら、そりゃないでしょうという気持ちになるようなぁー」なんかを言ってもらいながら、じっくり話を聞いてもらうんです。
じっくり話を聞いてもらうと、状況が変わったわけではないのにも関わらず、心が軽くなったり、「しょうがない、あのことは水に流して明日からも頑張るか!」などと違う考え方ができたりしたというような話を聞きます。
これは話すことによって、心の浄化作用が行われているからなんですね。
このことをカタルシス効果という言葉を使ったりします。
あなたにも経験がありませんか、嫌なことがあった時に、誰かに話をしたときに心が軽くなったような経験です。
それは話すことによって心の浄化作用がおきていると言えます。
つらいことが起きた時、つらい気持ちがある時は励ましの声をかけることが心のケアーになることもあれば、話をじっくり聞くこと(相手に話をじっくりしてもらうこと)が心のケアーになることもあるんですね。
●大切な対象を失った人をサポート
大切な人が死ぬということがあります。
病気や、事故で大切な人を亡くされることもありますし、寿命ということで亡くされることもあります。
愛する人、大事な人を亡くされるということはとってもつらいことですね。
愛する人、大切な人を失う体験のことを対象喪失といいます。
人によっては、この対象が人ではなく飼っていた犬の場合もあるでしょうし、猫の場合もあると思います。
人、動物ともに、その方が愛していた対象を失うというのはとてもつらいことだと思います。
大切な対象を失い、そこから乗り越えていくプロセスでは亡き人を慕う気持ちや、悲しみや、怒り、後悔、再会の念、空虚感いろんな気持ちがでてきます。
それを乗り越えていく、このプロセスをモーニングワークと言います。
大切な対象を失った人を日常生活でサポートする時は、話をじっくりと聞く聞き役になり、このプロセスでおこってくる悲しみや、怒りなどの気持ちを聞くということがサポートの一つになるかと思うのです。
話を聞くことで(相手が話ができますよね)心の浄化作用(カタルシス効果)がおこるお手伝いになるかと思います。
ただ、相手の方が話したくない時には、話すことが心の浄化作用になるからと言っても無理に話させようとしないことが大切です。
話す心の準備ができた時に聞いてあげるてくださいね。
大切な対象を失うわれたわけですから、そこで感じる気持ちも深く、大きいです。
受け入れ、乗り越えていくには時間がかかるものです。
何回会っても、何度話を聞いても同じ話を聞くことになることもあるかと思うのです。それぐらい対象を失ったことを乗り越えていくことは大変なことだと思います。
何ヶ月も、何年もかかることもあります。
サポートする側は「同じことを言ってずに前を向いて・・・」と無理に前向きにせようとせずに、それぐらい大変なことというのを理解して接していきたいものですね。
悲しいことを悲しいと表現でき、怒りを怒りとして表現できることは大切なことと思います。
それが表現できる場所がないことはつらいことじゃないかと思うのです。
それを表現できる場所になろうとするのも、サポートの一つなのかなぁと思います。
知り合いが大切な対象を亡くさせれた時になにかしてあげたいと思われた方の中には、「私は話を聞くことぐらいしかできないな・・・」と無力感を感じられている方もいらしゃるようです。
しかし、話を聞くことは心にとってのサポートになれているんですね。
話を聞くというのは日常生活で使えるサポートの方法の一つだと思います。
心の浄化のお手伝いができるといいですね。
>>>『カウンセリング講座(3)~受容と共感~』につづく