人に騙される場合には、何らかの形で自分に自信が持てないところを刺激されています。
騙されるのは、自信の無い私ゆえにその状況が妥当な状況なのか否かを正当に判断できない状態になっているのです。
では、自信を育むにはどのようにすればいいでしょうか?
人間には誰しも「できている部分」と「できていない部分」があります。
私達は自分ができている部分は当たり前と考え、人と比較する場合は、人ができている部分と私ができていない部分を比較します。
これでは私達は自分の事を駄目な奴だと思って自信が無くなってしまいますね。
この「評価の歪み」を是正する為には、私達ができている部分にも光を当て、自分自身の価値を正当に評価し、それを受け容れることです。
自分が「騙される存在」という認識は、自信の無さが「騙される存在」を作り出し、それを強化しているのですから、自信を育めば騙されない存在になり人を信じることができるようになります。
◎リクエストを頂きました◎
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いつも…参考にさせてもらってます。
ありがとうございます。
『なんども信じては…裏切られを繰り返しています』
人間不信や信じた自分を許せなくなっています。
また、もう傷つきたくなくて信じないことを選択しています。
心のエネルギーが湧いてきません。
どうすれば人,自分を信じられる様になれるでしょうか?
何か良いアドバイスをお願い致します。
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1.騙される心理
先ずはよく耳にする投資話に騙される事について考えてみましょう。
(1)有利な見返りが期待できる
(2)権威を持った団体や個人のお墨付きがある
(3)儲かった実例で投資の有効性があたかも証明されている
(4)最終募集とか、選ばれた方だけという限定的な要素がある
などの要素を組み合わせて勧誘しているケースが殆どです。
これらの要素が、実は私達の持っている自信の無さをくすぐるのです。
例えば、預金が100億円あったとします。そうすると、普通は将来に不安もなく一生安泰に暮らせるので、特に有利な投資を考えなくても問題はありませんね。
しかし、預金が300万円しかなくて、年金で細々と生活をしていると将来に不安を抱く事になります。そこで手持ちの300万円を活かして将来に備えようと考え、預金をはたいて投資話に乗る事になります。つまり、将来に対する不安=将来に対する自信の無さがあり、このままでは自分が描いている暗い未来がやってくるに違いないと心のどこかで思っている訳です。
しかし、有利な投資にはきっと裏があるのではないか、と不安になるのが一般的です。それを、社会的に権威を持った団体や個人、例えば元○○大臣の秘書が推薦しているとか、歌手の○○さんも投資して儲けたとかいった形で、お墨付きを付けたり、実際に儲かった例を挙げてこの不安を打ち消すのです。
社会的権威に対して弱い人は、自分は社会から認められていないから素晴らしい人間ではなく信頼できないが、認められている人は素晴らしい人だから信頼できると心のどこかで捉えているのです。
また、投資話の実例については、私一人では自信が無く不安になるところを、有名人が儲けているとか、多くの人が儲けているといった事で集団の一部に自分を埋没させる事により、自分の自信の無さからくる不安を解消できるのです。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という心理ですね。
そして、「最終募集」とか、「選ばれた方」というのは、私達の焦りや優越感を刺激します。
焦りは「のろまな私」を感じている裏返しであり、優越感を持ちたいのは、自分は優れていないという自信の無さの裏返しなのです。
このように騙される場合は、何らかの形で私達の自信の持てない部分を刺激されているのです。
言い換えれば、騙されるのは、自信の無い私ゆえにその状況が妥当な状況なのか否かを正当に判断できない状態になっているのですね。
2.自信を育てる方法
人間には誰しも「できている部分」と「できていない部分」があります。
私達は自分ができている部分は当たり前と考えがちで、人と比較する場合は、人ができている部分と私ができていない部分を比較します。
これでは私達は自分の事を駄目な奴だと思って自信が無くなってしまいますね。
この「評価の歪み」を是正する為には、私達ができている部分にもちゃんと光を当て、自分自身の価値を正当に評価し、それを受け容れることです。
その為のエクササイズとしては、自分のよいところ(自分の価値)を自身で考え、あるいは人に尋ねて20個ほど紙に書き出し、毎日鏡に向かって自分の目を見ながらそれを口に出して言う方法や、毎日、今日一日自分がよくやったこと一つを取り上げて、自分を自分で褒めるという方法などがあります。
例えば、自分のよいところでは「髪が綺麗」とか「我慢強い」とか何でも構いませんし、今日一日の自分がよくやったことでは「仕事をしたくなかったけどした」というような事でも構いません。
このようなエクササイズを行うと、自分のできていなかった部分に着目する癖が徐々に是正されてきて、自分を正当に評価する事ができるようになります。
最初は恥ずかしい感じがしたり、怖い感じがするかもしれませんが、自信を育てる方法の一つとして試みていただければと思います。
3.人を信じる方法
私達が見ている世界は、全て投影の法則が支配しています。投影の法則とは、自分自身の心のフィルターを通して、自分なりの解釈をしているという意味です。
例えば、平原を歩いていると「ここは地雷原」という看板が出ていたとします。そうすると、私達は地雷原だと思って、土が少し脹らんでいる部分や、土が新しい部分に地雷があるのではないかと考えてしまいます。でも、その看板がイタズラだったとしたら、地雷なんて無いわけですから私達はそこに幻の地雷を見ている事になります。
これと同じように、「私は騙される存在」と感じていたら、周囲には「騙す存在」がいるように思えてしまいます。
自分が「騙される存在」という認識は、1で書きましたように自信の無さが「騙される存在」を作り出し、それを強化しているのですから、自信を育めば騙されない存在になって人を信じることができるようになります。
自信は自分の内側の世界、他信(他人を信じる)は自分の外の世界、全て自分の心が外に映し出される投影の世界なのですね。