自分を後回しにしていませんか?~無価値感を手放して心地よいコミュニケーションを~

いつも聞き役にまわり、相手の話が長くてもがまんしてきいてしまう。

また、自分が話す時は長くなってはいけないと遠慮して短くすませてしまう。これではあまり気持ちのいいコミュニケーションになっていないですよね。いつも相手に気を使ってしまうので疲れてしまい、そのうち人間関係そのものがわずらわしくなってしまいがちです。

どうしてこういう行動をとってしまうのでしょう?そこには「自分を後回しにしてしまう心理」が働いていることが多いのです。そしてこの心理の陰には、自分にはたいした価値はないという「無価値感」が隠れていることがよくあります。

「無価値感」があるとどうして自分を後回しにしてしまうのか、そもそもどうして「無価値感」を持つようになるのかということや、自分を後回しにせず、気持ちの良いコミュニケーションを取るためにはどうしたらいいのかということなどをお伝えします。

◎リクエストを頂きました◎
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人と話をする時、聞き役になることが多いのです。
相手の話が長くて、聞き続けるのに疲れてしまっても話の途中でさえぎるのが悪くて、ついついそのまま聞き続けてしまいさらに疲れてしまうことが多いです。

自分の話をする時は、「長く話しすぎていないだろうか」と心配になり、いつも自分の話は短めに切り上げて他の人に話を振ってしまいます。なぜ、自分が話す事を遠慮して、人の話ばかり聞いてしまうのでしょうか?
(一部、頂いた内容を編集させていただきました)
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リクエストをいただきありがとうございます。

いつも聞き役にまわり、相手の話が長くてもがまんしてきいてしまう。また、自分が話す時は長くなってはいけないと遠慮して短くすませてしまう。

こういったことでストレスを感じているというお話は時々お聞きします。人の話を聞くにしても疲れない程度にしておけばいいのに、とか、そんなに遠慮せずに自分もゆっくり話せばいいのに、と頭では思っても、なかなかできないものです。こういう状態が続くのは精神的にしんどいもので、対人関係がわずらわしくなったりもします。

□心理面で起こっていること

聞き役にまわってしまう、疲れても聞き続けてしまう、というのは、自分よりも相手を優先している様子が感じられます。また、遠慮して自分の話は短く切り上げてしまう、というのも、自分の都合よりも相手の都合を優先してあげているような感じです。そこには、「自分を後回しにしてしまう」という心理がありそうです。

こういう場合、よく考えてみると、人と話をする時だけではなく、いろんな場面で「自分を後回し」にしていることが多いものです。ちょっとした約束の日時を無理して相手に合わせてしまったり、いろいろな場面でこちらの都合を伝えることをためらって、結局自分の方が何かと我慢してしまっていたりします。いつも自分のことを後回しにしてしまうんですね。

なぜ自分を後回しにしてしまうのでしょうか?

ついつい自分を後回しにしてしまう人は、心のどこかに「こんな自分には人間としてたいした価値はない」というような『無価値感』を抱えていることが多いようです。そして、自分以外の人はみんな自分よりは価値のある人間だ、というように感じていたりします。もちろん頭で考えているわけではありません。無意識にそう感じてしまうのです。

相手が自分より価値がある人だと感じたら、「相手を優先しなければいけない」ように感じてしまうのも無理はありません。私には価値がない、そんな私は後回しになって当然だ、そんな感覚を持ってしまうのですね。そして、自ら自分を後回しにしてしまうのです。

□どうして『無価値感』を持つようになるのか?

「自分には価値がない」と感じるようになるきっかけは、子ども時代にあることが多いと言われています。

経済的なことや仕事のことで親の気持ちに余裕がなくて、親の都合に合わしてばかりだった子ども時代に、「なんか私を大事にしてもらえないな、私は大事にする価値のない子なのかな」と感じてしまう人もいます。また、両親が離婚した時に、「私のことが大事だったらパパとママは別れないはず、私なんて価値のない子どもなんだ」と感じることもあります。あるいは、自分のお父さんやお母さんが無価値感を持っていた場合に、知らず知らずその感覚を譲り受けていることもあります。

□無価値感を手放していくために

自分が無価値感を持っているとしたら、そこにはそれなりの事情があるのだと思ってください。そしてその事情の中でたくさんの我慢をしたりつらい気持ちを抱えてがんばってきたはずですから、まずは自分をねぎらってあげてください。「今日までよくやってきたね」と。

そして、もしできれば自分の気持ちと向かい合ってみて、自分が経験した事情がどんなものだったか思い起こしてみましょう。紙などに書いてみてもいいでしょう。ああそうか、こんなことがあったな、あの頃から無価値感を持つようになったのかもしれないな、というようなことを確認してみてください。つらい気持ちが出てくるときもありますから、一人でやる時はあまり無理をしない範囲でやってみた方がいいかもしれません。

また、無価値感を手放していこう、と自分で決めてみましょう。無価値感は、実は自分自身の思い込みであり自分に対する誤解です。ですから、この思い込み、誤解に対して働きかけることができるのは自分自身なのです(といっても、一人きりでがんばらないといけないというわけではありません、必要な時は誰かの助けを借りながらトライしてみてください)。

「私には無価値感は必要ありません。だから手放します」と、一日に何度か声に出して言ってみてください。急にそんなふうには思えない、という方もいると思いますが、まずは形から入ってみることも意外に効果がありますので、試していただけたらと思います。

すぐに100%手放すことはできないかもしれませんが、少しずつ手放していくものだと考えてもらうといいと思います。そして手放した度合いだけ自分を後回しにしてしまうことも減っていき、気持ちのいいコミュニケーションがとれるようになります。

無価値感にアプローチする方法は他にもいろいろありますので、心理学講座の他の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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