真理を追い求める気持ち~意識変容のプロセスと心の罠~

リクエストにお応えして「真理を追い求める気持ち」についてご紹介します。

私たちが何かにしがみついてしまうとき、そのしがみつく対象は、人やお金やモノだけではありません。知識や価値観、想念のような思考の分野でも起こります。

一見、ポジティブな取り組みの中にも心理的な抵抗や罠が隠れていることがあり、感情を抑圧するために思考を優位に働かせてしまうということがあるのです。
そこで今回は、私たちの意識変容のプロセスの中で起こる見えないこころの世界の謎についてお伝えします

◎リクエストを頂きました◎
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いつも楽しく、そして感心しながら読ませていただいています。
ちょっと分野が違う気もするのですが、他にどこで相談できるのかよくわからないのでこちらにリクエストさせていただきました。

どうも私は色々なことにおいて真理を追い求めてしまうようなのです。自分の携わっている仕事はよりプロフェッショナルになるということでいいのですが、人間関係においても求めてしまうので、大抵の人とはテンションが違う感じで上手く折り合いがつかない感じですし、色々なことを気軽に楽しむこともできません。

違う価値観を取り入れようと、メルマガに書かれているようなことも色々試してみたのですが、真理には一旦触れると離れられない魅力というか魔力があるようで、結局は元のところに戻ってきてしまいます。
何か頂けるアドヴァイスなどありますでしょうか?
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私たちは通常、自分の考え方や価値観に基づいた一定の判断や行動を意識的にも無意識的にも行っています。

そして、何らかの変化や刺激があったとき、より自分らしく進化・成長するために学びたい衝動や欲求に駆られるのではないかと思います。

また、私たちが何かを学ぶ時の目的というのは、「知らなことを知ること」それによって「真実を知り」「正しく予測し、これからの対処法を知ること」のいずれかにあてはまるのではないでしょうか。

リクエストによる「真理を追い求める気持ち」というのも、最初は何らかの変化や刺激に伴う不安があり、いずれかの目的に沿って始めたことではないかと思われます。

もしかすると、学びを進めているうちに知的好奇心が刺激され、夢中でのめり込んでしまったのかもしれませんね。

●意識変容のプロセス

私たちの信念・信条・価値観は、成長とともに変化しています。

その成長過程で、古くて非効率になった価値観は、より効率的な新しいものに入れ替えていく必要が出てきます。

自然な成長や経験にともなう、より良い考え方や新たな価値観は、思考・感情への変化をもたらし、やがて知性や感性レベルでの変化となります。

それは一種の質的な変化とも言えるもので、思考や感情は自分の中で折り合いをつけるようなものではなく、不要になった思い込みの代わりに、腑に落ちるような気づきや答えに出会うのです。

この一連の変容・統合が完了すると、私たちは、より深いレベルでの一体感(自己一致)がわかるようになります。余分な思い込みが剥がれ、シンプルで自然体になっていくんですね。

このように私たちは、意識変容に合わせて考え方や価値観だけでなく、物事の見方や感じ方という感性のレベルでの変化も繰り返し体験しているのです。

そして、この質的変化は、私たちの生き方や在り方にも変化をもたらします。

●真理を追求したくなる欲求

誰かの指示に従って動かされていた依存の段階から、自主自立的に動き、自らが何かを創り出す存在へと変わっていく段階は、私たちが自分の人生に責任を取りはじめるときであると言ってもいいでしょう。

自分の人生を選択する上での結果責任は、全て自分にかかってくるものですから、何かをはじめたり取り組むことに慎重になってしまうということもありますよね。

損得勘定や合理性を超えて、常識や感性だけに左右されない直感力が育まれる成長プロセス。その、より自分らしく、より良心的に生きようとするプロセス中で、私たちは段階的に真理を追求したくなる欲求に駆られることがあるのではないかと思います。

●自意識

一方で、私たちがどこか慎重になってしまう背景には、傷つきたくない、失敗したくない、というような怖れが関係しています。

そこで出てくるのが「自意識」という感覚です。

自意識は、私たちを必要以上に用心深く、過剰なまでに厳しく見張るようなパーソナリティから生じるものです。その結果、恐れていた失敗を招いてしまうことも少なくありません。何かを気軽に楽しめないというのも、この怖れや自意識が影響しているのかもしれませんね。

また、自意識の大部分は、私たちの持つ複数の観念や思い込みと密接につながっています。そのため表面意識では、より良い選択というようなポジティブな目的を持ちつつも、本来向き合うべきところから、私たちの関心を間違ったところへ引き付けてしまう傾向があるのです。

心のどこか別のところに、変化への怖れや不安、自分に対する疑いが隠れているので、それが前に進まないための隠れた目的となって、悪循環が起こってしまうことがあるんです。これは自分ではなかなか気づきにくいものかもしれません(汗)

いずれの場合も心理的な罠にハマっているのかどうかを見極めるための目安は、それが“分離”に向かっているかどうかでわかるのではないかと思います。

●バランス感覚を取り戻す

私たちが自分にとって必要な気づきや腑に落ちるような体験をしたときには、思考と感情を統合し、感性レベルでの質的変化が起こるということをお話しさせていただきました。

その一連のプロセスを別の側面から見てみると、私たちがこのような変容を遂げるプロセスには、外に向かって開く、閉じるのサイクルがあるように思います。

心を開く、閉じるというように、知識を外から受け入れる段階とその知識を自分の中で受け入れ、自分なりの仮説を持って、実際の体験を通して身につけるといったようなプロセスやサイクルがあるんですね。

このようなことからも、思考や感情など、私たち自身の中で起こる、この見えない世界での学びには、自分自身あるいは内と外のつながりを見失わずに、バランス感覚を保ちながら、のめり込まない、浸りこまないように気をつけることがとても大切です。

自分が学び、知り得た知識や仮説を質的レベルまで高めるためには、実際に自分の外にあるものに関心を注ぎ、関わりの体験を持つことが必要なんですね。

そうすることで、自意識やしがみついていた考えを手放し、感情というサインでバランスを取りながら、本来のリアルな自分に立ち戻ることができるのではないかと思います。

自分とは異なるものに触れる楽しさ、不思議さ、面白さを体験し、味わうことのなかに発見できる真実や真理は、何よりも私たちを活き活きとさせてくれるのではないでしょうか。以上、参考にしてみてくださいね。

 

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。