目的地にもっと近づきたくなる~目的達成の心理学~

誰だって、「貫き通したい気持ち」や「やり遂げたい気持ち」、「叶えたい」思いを持つことはあるもの。

しかし、それらの思いがあるのは確かなのに、周りの人から否定的ことを言われたり、反対意見をいわれたりすると、何故かモチベーションが一転して、すごく落ち込んだり、自信のなさや不安な気持ちがひょっこり顔を出すことがありませんか?

そんな場面に出てくる気持ちは、周りから言われたから出てきた感情というよりは、普段は私たちがあまり意識していない心の中にある私たちの感情であるということが出来ます。この自信のなさや不安が顔を出すと、やり遂げることが困難のように感じてしまいます。今回は、やり遂げたい思いを持ったときに出てきやすい感情とその心のメカニズムから、やり遂げたい気持ちを達成に向けてのヒントをお届けします。

◎リクエストを頂きました◎
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私は、夢でも恋愛でも、自分で決めた事を貫き通す事ができません。
自分の心の中では、「貫き通したい」という意思はあるのですが、周りの人に「やめておいた方がいい」と反対されると自信がなくなってしまうのです。

結局、自分の意思で「やめよう」と決めた事ではないので、自信のなさから諦めてしまった事に後悔してしまいます。
今度こそ、自分の意思を貫き通し、後悔しない選択をしたいと思うので、自分の決断に自信が持てる方法や、人に流されない為の方法など、教えていただけたら幸いです。
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リクエストを頂き、ありがとうございます。
今回は、リクエストを元に私たちのやり遂げたい気持ちの達成についての心理学をお届けします。

「貫き通したいもの」「やり遂げたいもの」「叶えたいもの」は、私たちにとって大切なものですよね。
それに対して、
「やめておいた方がいい」
「本当にやれるの??」
などと、自分以外の親や周りの人から言われると、落ち込んだり、不安や自信のなさがひょっこりと顔をだしたりします。
そして、
「せっかく、やる気になっていたのに何でそんな水を差すようなこと言うのよー(怒)」
と言いたくなることありませんか?

「やり遂げたいもの」が、大切だと感じれば感じるほど、その思いの影となるように不安な気持ちや自信のなさが浮き彫りになります。
それは、周りから言われたから感じたものというよりは、私たちの心の中に元々あった不安や自信のない気持ちが周りに映しだされた(投影された)ものということが出来ます。

出来れば、このような不安や自信のなさは感じたくないものですし、感じない方がやり遂げたいものに達成しやすいような気がします。

では、この不安や自信のなさはどこからくるのでしょうか?

■私たちが信頼しているもの

不安や自信のなさを感じるルーツは人それぞれです。
しかし、私たちが不安や自信のなさを感じるとき、共通して言えることは、

「失敗するかもしれない。」
「悪いことがおこるかもしれない。」
「この夢(恋人)を失ってしまったら、どうしよう。」

などといった、ネガティブな未来を「信頼」しているということなんです。
良いことが起こるかもしれないし、悪いことが起こるかもしれない、どちらが起こるか分からないにも関わらず、私たちは悪いことが起こることに信頼をおきがちです。
何故なら、「やり遂げたいもの」は、私たちにとって、大切なものであり、その大きなミッションが失敗してしまったら、立ち直れないくらいに傷ついてしまうからなんです。
ネガティブなことが起こることを想定しておけば、ダメージは想定内の扱いとなり、ダメージを最小限にとどめておくことが出来るのです。
ですから、ネガティブなことが起こることに信頼をおくというのは、私たちが傷つかない為の防衛反応の一つなのです。

■達成することを決める。

ネガティブなことに信頼をおいておくとダメージを想定できるというメリットはありますが、「やり遂げたいもの」を達成することにはなりにくいです。
ネガティブなことに信頼をおいているとき、私たちは、やり遂げたい思いを達成したときのことに意識が向いていません。
これでは、出口の見えないトンネルを歩き続けるようなものですから、モチベーションを持ち続けることが難しくなってしまいます。

ここで、“やり遂げたい思いを達成することを決める”ことが大切です。

これを決めておくと、周りの意見が気になったとしても、目的に戻りやすいですし、仮に、途中で困難と感じることがあったとしても、それは失敗ではなく課題となり、目的達成への一歩として捉えることができます。

■アカウンタビリティ

心理学では、アカウンタビリティという言葉があります。
これは、「自分が体験することは、全て自分の責任(選択した結果)である」という考え方のことです。

この考え方を意識していくと、目の前に起こっている状況が“私自身の選択”によって成り立っているということを認識することができますから、

「周りの意見に振り回される」とか
「私は無力である」

という感覚から脱出しやすくなります。
自分が選択するということに対して意識が高まると、より自分の気持ちに沿った選択をすることも出来始めます。
そして、自分の選択が現状を作るということを意識できるので、自分に現状に変化をもたらすだけの力があることを受け取ることができます。それが、目的達成への自信に繋がっていきます。

■達成したものとしてイメージする。

私たちがやり遂げたいもの、それはポジティブなものですよね。
しかし、やり遂げたいものは、私たちにとって未知なものです。
心は、インプットされたものがいいものであれば、「これが欲しい」と感じて、それに近づきたくなりますから、目的に近づきやすくなります。
この作用を使って、「やり遂げたいもの」を達成したものとして、イメージしてみましょう。

ここでのポイントは出来るだけ、リアルに具体的に。
やり遂げたいものを達成したとき、どんな気持ちでしょうか?
あなたの周りの人たちは、どんな表情であなたを見てくれるでしょうか?
あなたの周りの人たちは、あなたにどんな言葉をかけるでしょうか?
あなたは、どんな表情をしているでしょうか?

やり遂げたいものを達成したときのことをイメージすると、今までより一層、目的の場所へ行きたくなりませんか。
心の力を味方に、目的達成に加速をつけましょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。