お金に対するコンプレックスの解消~深層心理に働きかけるコツ~

お金がほしい、豊かさがほしい、そう思っているのに、よくよく自分の心の内側をのぞいてみると、どうもお金に対して複雑な思いがあるようだ、ということは、案外よくあります。

お金そのものは良いも悪いもない、中立的なものですが、過去の経験からお金に対してネガティブなイメージを持ってしまっているわけです。
特に多いケースは、子ども時代に経済的に苦しい家庭で育ち、お金がないことでつらい思いをしたり、がまんしたことが多い場合に、「お金のせいで苦しんだ、お金は人を不幸にする悪いものだ」と思ってしまう、というものです。
「お金は人を不幸にする悪いもの」と思っていると、無意識に自分からお金を遠ざけてしまい、結果的に、経済的な豊かさがなかなか手に入らないこともあります。
お金に対する複雑な思い―コンプレックス―を手放して、お金と仲直りし、経済的な豊かさを自分に許可していくためのイメージワークを紹介します。

◎リクエストを頂きました◎
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私の親友と親しいAさんは、私にさりげなく意地悪をします。

数ヶ月前、私は夫の仕事の関係で引越し、Aさんと会う事もないのですが、新しい土地で知り合った人がたまたまAさんと仲がいいとわかり、Aさんから離れられないように感じて落ち込みました。でも、このことには何か意味があるのではないかと考えてみました。
Aさんはお金持ちで、旦那さんと子供二人と裕福に暮らしています。考えているうちに、私にはお金に対するコ

ンプレックスがあることに気がつきました。私の両親は、父の借金が原因で離婚し、経済的に苦しい中で母は私と姉を育てました。高校卒業後は、経済的理由から進学を諦めて就職しました。現在、私は結婚10年目、一児の母です。夫は高収入ではなく、お金に余裕はありません。

私にとってお金は「家族を苦しめたもの」「自分の進学や夢を制限するもの」と認識されているのでしょうね。この思いを改善するにはどうしたらいいのでしょうか。無意識や深層心理に働きかけるコツを教えていただければ幸いです。
(一部編集させていただきました)
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私たちの人生には、時々嫌なことや困ったことが起きます。

けれども、この出来事は自分にとって何か意味があるのではないか、と考えてみた時、今まで見えていなかった自分の課題に気付くことがあります。

リクエストの方も、Aさんのことと向かい合ってみると、どうも自分にはお金に対するコンプレックスがある、ということに気付かれたようです。「気付くこと」はとても大きなことで、気付いた時点ですでに問題解決の流れができています。

この流れに乗って、お金に対するコンプレックスを解消するにはどうしたらいいのか、ということを考えていきたいと思います。

「お金」とは何でしょうか?シンプルに考えれば、物やサービスなど欲しいものと交換するためのもの、ということになるかと思います。

「お金」はとても便利な「交換の手段」なのです。ただそれだけのことであって、良いも悪いもなく、いたって中立的なものなんですね。けれども、私たちは自分の経験から、お金に対していろいろな思い込みを持つようになります。

リクエストの方もお金に対して、「家族を苦しめたもの」「自分の進学や夢を制限するもの」という思いを持たれているようです。これは、「お金は私を不幸にするもの」という感覚だといえるでしょう。こういう感覚を持っていると、無意識にお金を自分から遠ざけます。「自分を不幸にするもの」に近づきたいとは思いませんから。そうすると、「経済的に豊か」という状態はなかなか手に入りません。

この、「お金は私を不幸にするもの」という感覚を変えていくにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは、お金がないためにがまんをして、つらい思いをしていたころの自分の気持ちと向かい合ってみます。人間、つらい気持ちは感じたくないので、自分の中で抑圧してしまい、なかったことのように扱いがちです。「だって仕方ないし」「お母さんだって大変なのに文句言っちゃいけない」などと自分に言い聞かせ、つらい気持ちを感じないようにしてしまうのです。

けれども、抑圧された感情は、心の奥底に残ります。「お金がなくてつらいよ、悲しいよ~」「お金さえあればこんな思いをしなくてすむのに…」、そんな気持ちが心の奥に残り、それがベースになって、「お金は私を不幸にするもの」という感覚が心にこびりつきます。

ところが、感情というものはしっかり感じてあげるとすうっと抜けていきます。

しっかり感じる、というのは、「そうだね、仕方がなかったかもしれない、文句言っちゃいけないという気持ちもわかる、でも、やっぱりつらかったよね、つらかったと思っていいんだよ、よくがまんしたね」と、その頃の自分を全面的に受け入れて、ねぎらって、しっかりと抱きしめてあげる、そんなイメージです。

それができると、心がすっきりとして、悪い夢から覚めたような感じになります。そして、「あの当時は子どもで、どうすることもできなかったからそう感じていたけど、お金が悪いんじゃないんだな」と素直に思うことができます。

ここまでが第一段階です。

第二段階は、「自分がお金の面で豊かになることを許可する」ということです。

お金がどれだけあるかに関わらず、一人ひとりの人間は、誰でも豊かで幸せになることができます。

「豊かである」ということはお金だけの問題ではありません。健康や才能なども「豊かさ」です。どんな状況でも笑って切り抜けていける心の余裕も「豊かさ」です。もちろん「お金が十分にある」というのも「豊かさ」です。

あらゆる種類の豊かさを自分に許可していいのですが、ここではお金に関する豊かさについてフォーカスしてみましょう。

自分にとって、お金があって豊かであるというのはどういうイメージなのか思い浮かべてみます。リクエストの方であれば、Aさんの豊かな暮らしがイメージされるかもしれません。

イメージができたら、そのイメージに自分が近づいていって、最後にはそのイメージと自分がひとつになる、というふうにイメージワークを進めます。今まで自分に許可してこなかったものとの統合です。

この統合がうまくいくと、自然と「お金が十分にある豊かさ」が自分にとって身近なものになり、「いつもお金が足りないような焦燥感」が小さくなります。実際の経済状況が変わらなくても、気分的にとてもラクになりますし、お金がある人に対する嫉妬がなくなったりもします。また、お金の面で豊かになるような行動を自然に起こしやすくなるので、実際に豊かになっていく可能性も大きくなります。

今回は無意識や深層心理に働きかけるコツということで、イメージを使う方法をご紹介しました。ただし、こういったイメージワークを進める中で強い抵抗感が出てきたり、何も感情を感じられず立ち往生してしまうことがあります。そういう場合はカウンセリングをご利用していただくのもひとつの方法です。

(完)

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