ブラコンの心理(4)~脱・ブラコン~

お兄さんと適切な距離感を持ち、幸せなパートナーシップ、あるいは、人生を歩んでいくために、ブラコンを手放していきましょう。

ただ、この問題の難しいのは「なんでいけないの?」という疑問が付きまとうこと。だから、まずは、ブラコンであることを意識しながら日常生活で問題意識を持って行きます。そして、恋愛へのヴィジョン、性的な目標などのプロセスを経て、心理的な距離を取る、手放しへと進んでいくのです。

脱・ブラコン・プロセス

さて、皆さん。どんな問題でもかまいませんが、その問題を解決するために一番大切なことって何か分かりますか?

腕のいいカウンセラー/アドバイザーにめぐり合うこと?
問題を解決したいって強い意欲を持つこと?

そのどちらも大切なものですが、一番大切なことは「問題意識を持つこと」なんですね。
問題意識が無ければコミットメントもできませんし、アドバイザーの協力もフイにしてしまいます。

このブラコンの問題をカウンセリングしていて一番難しいのはこの点なんですね。

「お兄ちゃんと仲が良くてなんでいけないの?」という疑問が拭えないわけです。
頭では分かったとしてもね。

もし、心の中でお兄ちゃんを恋人として捉えているとしたら、カウンセラーが「ブラコンを卒業して、お兄ちゃんを手放しましょう」という提案は、「今の恋人と一緒にいてもうまく行かないから別れて、他の人と付き合おうよ」と言ってるに等しいわけです。

そりゃあ、難しいと思いません?

だから、カウンセリングの中でも、まずは“ブラコン”に気付き、それを意識してもらうところを第一段階としてるんです。

「そっか、あたし、ブラコンなんだ」と意識していただいて、日常生活を送ると、様々なところで、「なるほど」という点が出てくると思うんです。
仕事の中で、人間関係の中で、彼氏との関係で、家族や当のお兄ちゃんとの関係で。

そうすると「確かにかなり兄に影響されてるわ。依存とまではいかないけれど、かなり優先してしまってるかも」という気付きにつながることが多いんですね。

そうすると、問題意識を持つことができますよね。

同時に、彼氏がいてもいなくても、結婚していてもいなくても、パートナーシップについて、意識を向けていきます。

どんな恋愛がしたいのか?
どんな結婚がしたいのか?
パートナーに求める条件は?
パートナーにしてあげたいことは?
パートナーにお願いしたいことは?

などなど、様々なことを考えていくわけです。

そして、ポイントの一つが“性”に関する部分。
お兄ちゃんに性的欲求やセックス願望を持つ方も珍しいわけではありませんが、実際に、性的関係まで至るケースはあまりないと思います。

だから、「どういうセックスをしたいのか?」などに意識を向けていくことで、「恋人と兄は別」という感覚を作ることもできるんです。

実際、カウンセリングの中でお会いする方は、「セックスがあまり好きではない」という方か、「セックスと恋愛は別」のように捉えている方が多いように感じるんですね。

それは「兄が恋人だとしたら・・・」と想定したら理解できる心理だと思うのです。

また、感覚的には、兄と少し距離を置きつつ、パートナーとの距離を縮める方向でセラピーを作っていったりもします。

そこでは少し寂しさも現れます。
独りぼっちになるような感覚と言いますか、それは、お兄さんへの依存が切れるからこそ生まれる感覚なので、その部分をパートナーに向けていければブラコンは卒業となります。

そうして、お兄ちゃんとの適切な距離感を心の中に築いて行くことができるわけですね。

元々異性への壁が低く、親しみ易い内面を持っているので、お兄さんが「恋人の席」を降りて、「兄の席」に戻ってくれたとしたら、驚くほどに早く問題が解決します。

信頼できる相談相手(=兄)がいて、自分のことをわかってくれる相手(=兄)もいて、その上に、愛する人、幸せになりたいと思える人(=パートナー)がいるというのは、ものすごく幸せなことですよね?

思い当たる方、そんな最高の幸せのために、ぜひ、参考にしていただければ、と思っています。
お役に立てましたら幸甚です。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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