思春期の子供は、親に反抗的な態度をとって、親から自立していこうとします。
その反抗の程度は、子供によって様々ですので、一概にこれぐらい反抗したらOKなんて言えるものではありません。
ですが、もしもあまりにも親に気を使っているようであれば、親側に何らかの問題があり、子供が安心して反抗できない状態なのかもしれません。
あまりに反抗が激しく、泣かされてしまうのもつらいですが、まったく反抗する気配すらなく、従順すぎるのであれば、それは反抗すらできない状態だからかもしれません。
子供の性格にもよりますので、一概には言えない問題ではありますが、ご自身やご自身の子供さんはどうなのか?を、考えてみる機会にしてみてくださいね。
◎リクエストを頂きました◎
===================================
私の息子、中学2年生、は幼い頃から母親(私)思いの優しい子で自分が病気で辛いときでも、私が具合が悪そうにしていると、”ママ、大丈夫??”と心配して声をかけるような子でした。今でもそうです。
息子はそんな優しい子だったにも関わらす、まだ若かった私は自分の感情のまま叱ってしまったり罵声をあびさせたりして。それでも反抗することなく、私の怒りや悲しみを必死で受け止めていました。
今、それなりに思春期を迎えましたが(不機嫌になったり、口数が少ない)やはり私に気を遣うというか、私に反抗的な態度を取りません。もし、ちょっとでも強い口調で私に話してしまうと”しまった!”みたいな顔をします。
昔からですが、私に学校であったことをけっこう何でも話してくれています。(良いこと、悪いこと、色々)
思春期に反抗的になるべきなのに、私に気を遣って反抗心を押さえ込んでいるのではないかと心配しています。
(一部を編集させていただいています。)
===================================
思春期の子供さんが、親に反抗的になるのは、何故かについて、まずお話しさせていただきますね。
子供は親が大好きです。
それがどんな親であったとしても、子供は親のことが大好きなのです。
ですが、自分が成長して、どんどん身体が大人になってきたときに、そのまま親のことが好きだったとしたら、困ったことが起こります。
親から自立できない。
親と離れるのが辛すぎる。
そうすると、大人になっても自分の家庭を築いていくこともできなくなってしまいます。
親と離れることができないわけですから、いつまでも親の保護の元にいることになってしまうのです。
これは、困ったことになってしまいますよね。
ですから、大好きな親を嫌い、親から離れることで、自立していこうとするのです。
好きなままで離れるのは、辛すぎますから、親のことを否定したり、反抗したりして、嫌う努力をしているのです。
もちろん、意識的にしているわけではありませんが、大人になっていくプロセスとして、反抗期というのがあるのです。
ところが中には、反抗期もなく成長するという人もいます。
良い例は、子供が親を嫌って自立していくプロセスを、親が「子離れ」という形で、上手に自分から距離をとっていってあげた場合です。
思春期になった子供に対して親が、大人として認めていくことで、お互いが独立した大人同士として、適切な距離を保てるようになり、子供がわざわざ反抗して、親と距離をとる必要がなくなるのです。
しかし、なかなかこれは難しいことなんですね。
思春期と言っても、親から見ればまだまだ子供です。
心配なこともたくさんあるわけです。
しかし、大人として扱うということは、「自分で解決できるよね」「自分で乗り越えていけるよね」と、信頼して任せていくことですから、親としては、とても勇気が必要なんです。
実際に、やらせてみたところ失敗することもありますから、「ほら、まだまだあなたは子供なのよ」と、つい手を出してしまったりしてしまいます。
親から見た子離れは、親の人生と、子供の人生を切り離して見ていくことなのです。
それは、とても寂しいことでもあり、子供の成長を喜べる瞬間でもあります。
さて、反抗期がない良くない例は、子供が親を嫌うことができない状態であるということです。
子供が親に反抗できるのは、自分が反抗しても「親は愛してくれる」という絶対的な自信があることと、子供が反抗しても、親は幸せに生きられるという状態かどうかなのです。
もしも、親自身が辛くて苦しくて、しんどい生き方をしていたとしたら、親のことが大好きな子供は「僕が(私が)反抗して、親を 嫌ってしまったら、もっと不幸になるだろう」と思ってしまいます。
そうすると、反抗すらできなくなってしまうのです。
反抗できないだけならいいのですが、親の顔色をうかがうあまり、自分の人生を生きられなくなってしまうこともあります。
よく、子供の頃に反抗期がなかった人が、大人になってから反抗期がくると言ったりしますが、それは、親を嫌わないように、親を悲しませないように、我慢に我慢を重ねた人が、我慢の限界にきて、親の人生よりも、自分の人生を優先しだすことなんです。
長年、抑圧した後の行動ですから、抑圧した分が爆発してしまいます。
親にずっと気を使ってきたとしたら、少し距離をとるだけでもずいぶん違うのですが、抑圧がきつい分、親と一切口をきかなくなったり、その後一切、親と会おうとしなくなったりしてしまいます。
抑圧がきつければきついほど、その反抗のやり方が極端になってしまうのです。
また、親には反抗せずに、「俺は(私は)やりたいようにやる」と、パートナーや、人生に対して、反抗してしまうこともあります。
こうやって見ていくと、子供は必ず親に反抗するものというよりも、親から安心して自立して、自分というものを確立していく為に、反抗期があるというのが、見えてくるかと思います。
一概に反抗期がないから変というものではないのです。
反抗できないのか、反抗しなくても自立できるのかで大きく違うのです。
問題になってくるのは、反抗できないという状態です。
先程も書かせていただきましたが、親がもしも幸せでなかったとしたら、子供は反抗すらできません。
親の顔色を見て行動してしまうことになります。
また、親に愛されているという自信がないと、反抗して嫌われてしまうのが怖すぎて、反抗できなくなります。
「反抗期なのに、反抗すらしない」と思ったら、もしかしたらうまく子離れができているのかもしれません。
でも、もしもそうでないのであれば、「反抗できない状態って?」と考えてみることも必要かもしれません。
「お母さんなんて大嫌い!」「親父のバカ野郎!」なんて言えるのは、信頼があってこそです。
赤の他人にそんなことを言ってしまったら、その関係は終わってしまいます。
それを言っても壊れない関係性であると感じているからこそ、言える言葉なんです。
親に反抗して、めちゃくちゃなことをやれるのは、自分がそれをしても、親は幸せに生きていけると思っているからなのです。
それはある意味、親を信頼しているということでもあります。
もしも、自分のやることで、親が今よりももっと不幸になってしまうのであれば、子供は親の人生を自分の背中に背負って、親がこれ以上不幸にならないように、良い子になって生きていこうとします。
「子供に反抗期がない=変だ」ではなく、子供が大人へと成長していくプロセスに、何か問題はないか?と見ていくといいかもしれませんね。
変な話しですが、子供が安心して反抗できる。
そんな家庭とは、どんな家庭なのか?を考えてみるのも、ひとつの方法かと思います。
もしも、そこに何らかの問題があるのであれば、(例えば夫婦の問題、お金の問題、嫁姑の問題など)その問題を解決してあげることが、大切です。
子供が、親に気をつかっているのであれば、気を使わなくてもいい親になってあげることです。
ちなみに我が家の場合は、息子はあまり激しい反抗期はありませんでした。
娘は、それはそれは、激しい反抗期がありました。
子供の性格的な部分もあろうかと思いますので、反抗の仕方によって、問題がある、問題なしと一概に言えることではありません。
まずは親が、自分自信が問題を抱えていないかをチェックし、問題があれば、それをクリアにしてあげることが大切なのかもしれませんね。