欠点は直すものではなく受け入れるもの(3)~欠点は人を遠ざけない~

私たちは「欠点」があるから嫌われる、と思いがちですが、実は「欠点をどう扱っているか?」で人の評価が別れるって知っていましたか?

欠点があっても、それを受け入れ、オープンにしていると、その欠点があってもあなたは嫌われないし、むしろ、愛されるようになるんです。そして、その結果、最早欠点は欠点ではなくなり、気がつけば直ってしまうことも少なくないのです。
そんなメカニズムを例え話を中心にお届けしたいと思います。

●「欠点」そのものが人を遠ざけるわけではない。

だから、欠点は嫌う必要はないんです。それはすごくむつかしいことですが。もう、どうしようもない、って開き直ってもいいくらい。

以前、こんなカウンセリングをしたことがあるんです。あるお母さんからのご相談で、
「最近、うちの中学3年になる娘が学校で友だちとうまく行ってないようなんです。明るくていい子なんですが、どうもコミュニケーションが苦手みたいで。実は私も人付き合いがあまり上手じゃなくて、それが娘に遺伝しちゃったんじゃないかと思って不安で、申し訳なくて」
とおっしゃるんです。

そのお母さんって、すごくいいお母さんなんだろうな、と思いながら、私はこう答えたんです。

「娘さん、もう大人になり始めてますよね。そろそろ、自分の問題は自分で向き合って乗り越えていくことを学んでいく時期かもしれません。お母さんとしては、そのことで凄く悩んでしまうかもしれませんが、むしろ、娘さんにこう伝えてみて欲しいんです。『お母さんな、あんたに何でも教えてあげたいと思うねんけど、あたしも人付き合いが苦手で、よう分からへんからな、人間関係についてはあんたに教えてあげられへんねん。ごめんな。そこは自分で頑張って自分で学んでな』って。それが娘さんを大人に成長させてくれるかもしれませんよ」

実は、欠点そのものでは人はあなたのことを必ずしも嫌いにならないんです。細かい話しですが、「欠点をあなたがどう扱っているか?」で、人があなたを嫌うことはあるんです。

例えば、あなたがいつも遅刻をしてしまうと思ってください。
人を待たせて悪いなあ、きっと怒られるだろうな、気分害しちゃっただろうな、と思いました。
だから、素直に「ごめん」と言えずに、「ちゃんと時間通りに出たんだけどさ。途中の信号がなかなか変わらなくて・・・(うだうだ)」と誰かのせいにする言い訳をしたり、あるいは、「しょうがねーだろ」と強がったり、罪悪感が強すぎて何も言えなかったりしてしまったとします。

遅刻してきたことよりも、その態度に人はムカッて来るって分かります?
そりゃあ、遅刻されるのは嫌なんだけど、そこで素直に「ごめーん。ほんとごめん。待った?」って言ってくれたら、「しょうがないなあ」って許せるところもあるんです。

でも、何かその言い訳する姿、無理に強がってる姿、何も言わずに無かったことにしようとする姿が人は嫌なんです。

因みに、そうやって遅刻したときに感じた罪悪感を、その場で処理しきれずに溜め込んでしまうと、次、すごくプレッシャーがかかるの分かります?そして、「絶対次は遅刻してはいけない」と思うんですが、そう思えば思うほど、遅刻してしまうんです。

でも、遅刻そのものについても、本人がそれを責めていないと相手も悪意を感じないんですね。そういう場面では素直に「謝る」ということができるわけです。

「ごめんごめん。待ったよね~。ほんとごめんね」と自分の非を受け入れて、謝罪することができます。

そのとき、自分を守ること(言い訳や強がること)に終始していないので、相手の態度がちゃんと分かります。怒っていることも分かるので、そのフォローをすることができます。

「やっぱいつも待たせちゃったら申し訳ないよね。お詫びにケーキおごるからさあ」と明るく振舞えます。

もちろん、相手もケーキが欲しいわけではないけれど、その「謝罪」の気持ちを素直に受け入れられるので、結局許してしまうんです。

因みに、こうして「許される」と遅刻がかえって増えるんじゃないか?と思うかもしれませんが、現実派、まったく逆です。

自分が遅刻して、それを快く許してくれたとしたら、遅刻したあなたは感謝の気持ちを相手に持ちますよね。
そうすると「じゃあ、次は遅れないようにしよう」って前向きに決めることができます。
もちろん、なかなか1回では遅刻癖は直りません。
でも、「ごめーん。5分遅れそう!今日こそはって頑張ったんだけど、ダメだった~」とメールを送って相手を和ませることもできます。

そうして、許され、感謝し、のサイクルを作っていくと、自然と遅刻がなくなるか、二人の間で遅刻が大したことにならなくなるか、のどちらかになります。
(例えば「どうせ、遅れてくるんでしょ?あたし、すぐ近くのドラッグストアにいるからさ。着いたらメールしてよ」って相手が前向きに対処してくれるようになります)

 

>>『欠点は直すものではなく受け入れるもの(4)~欠点を受け入れてオープンになる~』につづく

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